科挙の実態について

@gitekiさんによる科挙の実態の解説をまとめました。
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いっちー @kingsofmetal666

科挙がどれだけ画期的な不公平を排したものだったか再認識せなならんよね。人間力とやらを試そうとすると、確実に科挙以前に後戻りする。

2013-07-25 18:57:06
儀狄@パブリックエネミー @giteki

科挙がどれだけ公正だったかと言われると微妙なところは色々あるのだけど、受けることができる層(有力農民層以上)にとってはまあ公正だったとは言える

2013-07-25 21:53:11
儀狄@パブリックエネミー @giteki

科挙を受けるハードル:そりゃあまあ、幼い頃から勉強しないと通らないから、近代以前でもある程度財産がある層でないと受けることが事実上不可能なのは確か。都市でも農村でも有力層なら行けるというところか

2013-07-25 21:56:06
儀狄@パブリックエネミー @giteki

科挙を受けるハードル:有力層だって没落することもあるが、逆に科挙合格者を出せばそいつの政治力で安泰なので、一族で相互扶助しつつ優秀な子供を全力でサポートしていたというところはある。それでも結局、清くらいになると「三代続いて合格者を出す家は皆無」な状態だった

2013-07-25 21:58:01
儀狄@パブリックエネミー @giteki

科挙を受けるハードル:父、祖父、曾祖父に犯罪者もしくは賤業の者がいると受けられない。理由は国としての礼拝が行われるからとか単なる足切りとか言われてて不明。それとは別に、劉興漢とか李嗣唐とかの名前だと改名させられる。いたんだろうなあ、そういう名前w

2013-07-25 22:00:29
儀狄@パブリックエネミー @giteki

科挙の実態:文字の綺麗さとかは「見られません」。というか、筆跡から受験者を特定されないよう、一度他人の手で全部書き写してから採点していた。公正さを保とうという努力は認める

2013-07-25 22:02:15
儀狄@パブリックエネミー @giteki

科挙の実態:四書五経の丸暗記させられるのがなぜかというと穴埋め問題が出るからである。とはいえ、問題文が分かっているのだから穴埋め問題にしやすい場所というのもどうしても出てくる。なので対策本がたびたび出され、王朝は何度も発禁処分にしている。時代が変わっても人間やることは同じw

2013-07-25 22:04:23
儀狄@パブリックエネミー @giteki

科挙をめぐる同時代の言説:「ペーパーテストじゃ人間性まで計れない」ということが宋朝の時には既に言われていて、王安石は「やはり孔子と弟子たちの関係のように、学校で長い間接する中から推薦で選ばせるようにしよう」として学校を整備したのですが、結局はコネの温床になりました

2013-07-25 22:11:25
儀狄@パブリックエネミー @giteki

科挙の実態:ただ、宋朝が学校を整備したのは一応後には効いてきて……明朝に入ると、県試・府試・院試という三段階の予備試験を経てようやく府学・県学といった学校の生徒になることができました。科挙の本試験は学生でないと受けられませんでした

2013-07-25 22:15:47
儀狄@パブリックエネミー @giteki

科挙の実態:予備試験に通った学生(生員という)は自分の科挙の勉強をしつつ、科挙の予備試験を受ける人への家庭教師などで収入を得ていました。現代の大学生か!

2013-07-25 22:16:53
儀狄@パブリックエネミー @giteki

科挙の実態:ちなみに科挙の本試験のうち、最初に行われる鄕試(地方試験)は答案を全部中央に集めて……いるのではなく、地方ごとに合格枠を割り振っていました。科挙は基本的には出身地で受けないといけないのですが、出身地によって有利不利はありました(続く)

2013-07-25 22:20:40
儀狄@パブリックエネミー @giteki

科挙の実態(続き):合格枠は、首都(北京)は多く、それ以外は基本的には人口に応じて割り振っていました。なので、文化中心地であった江南の都市部だと不利なところがあり、なんとか北京(枠が多い)もしくは田舎(相対的にライバルが少ない)枠で受けようとしていたこともあります

2013-07-25 22:22:36
儀狄@パブリックエネミー @giteki

科挙の実態:会試(中央での試験)を経て殿試(皇帝による面接試験)で最終的に進士となり、官僚となります。明や清になると、基本的に殿試では順位の変動があるだけで落第はしません。

2013-07-25 22:27:13
儀狄@パブリックエネミー @giteki

科挙の実態:ちなみに鄕試で主席合格すると「解元」、会試で主席合格すると「会元」、殿試を主席合格すると「状元」と言い、この全てを達成すると役満になります。(註:全部達成すると「三元」と言われる。麻雀の「大三元」「小三元」の由来はマジで科挙です)

2013-07-25 22:30:20