茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第993回「友愛の、イメージ問題」

脳科学者・茂木健一郎さんの7月29日の連続ツイート。 本日は、昨日の話し合いを受けて。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第993回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、昨日の話し合いを受けて。

2013-07-29 06:55:06
茂木健一郎 @kenichiromogi

ゆい(1)昨日、鳩山由紀夫さん(@hatoyamayukio )のご厚意で、友愛研究会(@yuaijp)の会合を、鳩山会館でさせていただいた。鳩山一郎さん以来の伝統のある場所。議論が大いに進み、深い話が出来たように思う(友愛研究会は、学生から社会人までの有志の集まりです)。

2013-07-29 06:56:53
茂木健一郎 @kenichiromogi

ゆい(2)「友愛」というと、今の日本では、「お花畑」だとか、「ソフトクリーム」だとか、そんなイメージがついてしまっているが、もともとはクーデンホフ・カレルギーの骨太の思想である。日本人女性とオーストリアの外交官の間に生まれた彼が、EUのもととなる国際協調の思想を築いた。

2013-07-29 06:58:22
茂木健一郎 @kenichiromogi

ゆい(3)「友愛」は、安倍内閣の訴求する「成長戦略」の中心たり得る概念である。日本が経済成長をするためには、国籍、出身地に関係なく、優秀な人、資本を投入しようとする人を受け入れ、ネットワークで結ばなければならない。領土問題のようなゼロサムゲームでは、成長はできない。

2013-07-29 07:00:53
茂木健一郎 @kenichiromogi

ゆい(4)ところが、今の日本では、どうしても、「友愛」のイメージが、2009年の民主党政権交代とその失敗という具体的な事象に結びつきやすく、その点をどのように整理するか、ということが、今後の問題点だ、ということを確認した。また、インターネットは、もともと国境を意識しない。

2013-07-29 07:02:08
茂木健一郎 @kenichiromogi

ゆい(5)資本主義4.0というような言い方もされているが、資本主義が進化する中で、クーデンホフ・カレルギーの唱える「友愛」の思想の内実もまた、変化していくはずである。結局、「友愛」は、21世紀のグローバル経済のメタボリズムそのものであり、大きな流れとしてはそれしかない。

2013-07-29 07:03:38
茂木健一郎 @kenichiromogi

ゆい(6)ところで、「友愛」にはもう一つのイメージ問題がある、ということに話し合いの中で気づかされた。鳩山由紀夫さんは、周知のように大変恵まれた家庭環境に生まれている。そのこともあって、友愛が、おぼっちゃんの道楽、のように感じられている側面もあるのではないか。

2013-07-29 07:04:57
茂木健一郎 @kenichiromogi

ゆい(7)たとえば、ジョン・レノンが「平和」をうたう時、ロック・ミュージシャンには、貧しい中から苦労して成功した、というイメージがある。だから、実際にはビートルズが大富豪になっていたとしても、なんとはなしに、民衆の中から生まれてきた叫び、みたいな雰囲気が生まれる。

2013-07-29 07:06:20
茂木健一郎 @kenichiromogi

ゆい(8)それに対して、これは鳩山由紀夫さんに限ったことではないが、国際協調を説く人は、どちらかと言えば恵まれた人、というような印象があり、そのことが、今若者たちの間に一種のロックンロールのように流行している「ネトウヨ」的な雰囲気に、うまく対抗できていないということだと思う。

2013-07-29 07:07:51
茂木健一郎 @kenichiromogi

ゆい(9)結局、「友愛」の思想はこれからの日本、東アジア、世界にとってどうしても必要なものであるが、それが広がるためには、お坊ちゃんの道楽、というイメージではなく、民衆の間から出てきたロックンロールにならなくてはならないだろう。そんなことを、夏の日の鳩山会館で、話し合っていた。

2013-07-29 07:09:17
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第993回「友愛の、イメージ問題」でした。

2013-07-29 07:09:34