文月のゆるーい兵器講座「三式弾」

帝国海軍の秘密兵器、三式弾のお話ですわね。
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文月 @DD_Fumiduki

今日は艦これでもお馴染みの三式弾についてお話しするよぉ。 #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 20:32:52
文月 @DD_Fumiduki

三式弾は正式名称「三式通常弾」。三式焼霰弾とも呼ばれるこの弾は、大日本帝国海軍が主に戦艦用、巡洋艦用に開発した対空砲弾なんだ。大きな特徴は、主砲で航空機を撃つ為の砲弾だってことかなぁ #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 20:38:01
文月 @DD_Fumiduki

高角砲のお話をしたときに「危害半径」っていう言葉が出てきたのを覚えてるかな?砲弾が大きいほど中に火薬が詰められるから、爆発したときに航空機に損傷を与えられる範囲は大きくなるの。 #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 20:44:00
文月 @DD_Fumiduki

つまり、高角砲みたいな小さい砲(12.7cmが多い)よりも、巡洋艦や戦艦が積んでる主砲(日本の場合だと20.3cm~46cm)で航空機を撃ったほうが強そうだよね?実際には発射速度とかの問題もでてくるんだけど… #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 20:49:12
文月 @DD_Fumiduki

とりあえず、日本海軍は日中戦争の経験や、昭和14年度に行われた艦隊演習時の対空射撃の経験から従来型対空射撃よりも効率的な対空射撃を行うためにこの三式弾を開発したんだ。 #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 20:50:44
文月 @DD_Fumiduki

三式弾は原理的には榴散弾の一種で、同じ口径の九一式徹甲弾より小さく、46cm砲用では全長160cm、重量1360kg。12.7cm三式弾では底面直径が54mで拡散角は10度。996個の弾子を内蔵してるよぉ。 #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 20:51:56
文月 @DD_Fumiduki

砲弾内部にはマグネシウムや可燃性のゴムが入った焼夷弾子と非焼夷弾子が詰まってて、一つの弾子の大きさは25mm×90mmとなっているよ。あ、弾子ってのは、砲弾の中に詰まってる小さな弾って感じをイメージしてくれるといいかなぁ #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 20:54:06
文月 @DD_Fumiduki

この砲弾は発射すると時限信管で敵航空機編隊の正面で爆発、中に入ってる弾子を撒き散らすんだよぉ。焼夷弾子は3,000度で約5秒間燃焼して、敵航空機を炎上させる狙いで中に入れられてるよ。 #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 20:57:22
文月 @DD_Fumiduki

瞬発信管(着弾と同時に起爆する信管)を使用することで、砲弾の命中時に弾子を射出することも可能で、弾子放出の0.5秒後には弾殻も炸裂し、破片効果(弾の破片が高速で飛び散って目標に損傷を与える)を発揮するよ。#文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 20:59:02
文月 @DD_Fumiduki

撒き散らし方は炸裂点を頂点とする円錐状に放出する方式で、同じように対空射撃を目的として作られた零式通常弾とは違った撒き散らし方なんだ。(零式は炸裂点の全周囲に対して高速で鋭利な破片を飛散させる)三式弾の炸裂時→http://t.co/XEZ6Zoqphn #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 21:03:01
文月 @DD_Fumiduki

この三式弾が現場でどう使われて、どう評価されてたか話していくね。実はこの弾、開発時に零式通常弾が炸裂点の全周囲に対して高速で鋭利な破片を飛散させ、起爆時の高熱で着火性も持つため、効果範囲と命中率、破壊力に劣る三式通常弾の開発は不要という意見が出てたんだ #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 21:06:25
文月 @DD_Fumiduki

敵編隊の正面に撃たないといけない三式弾と近くで爆発すれば向きは関係ない零式通常弾、命中させるのが難しいのはどちらかはすぐに分かるよね。実際、当時の対空射撃技術では、高角砲の射程外である10km以遠の目標に対し、三式弾の効果範囲では命中が難しかったんだ #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 21:08:37
文月 @DD_Fumiduki

米軍側の資料には「パンパンと破裂するがまるで花火のようで、実際の被害は少なかった」との記述もあって、対空射撃での確実な戦果は、ほとんど確認が無いとされてるよ。原理的には花火とおんなじだからいい得て妙かな #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 21:11:19
文月 @DD_Fumiduki

一方で、開発に携わった黛治夫大佐は、マリアナ沖海戦時の重巡洋艦「利根」艦長として実際に三式弾を使用して、戦闘詳報において「大口径砲の三式弾はその威力絶大であり、20センチ砲以下にありても、極めて有効なり」と評価しているね。 #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 21:13:04
文月 @DD_Fumiduki

また、「搭載数を少なくとも現在の3倍に増額の要ありと認む」とも具申しているよ。 #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 21:15:16
文月 @DD_Fumiduki

他にも、レイテ沖海戦時に戦艦「長門」の戦闘指揮所で三式弾の実射を目撃した田代軍寿郎の手記には、大和と長門による三式通常弾を使用した攻撃で来襲したB-25爆撃機約50機の半数以上を撃墜したとの記述があるね。 #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 21:15:35
文月 @DD_Fumiduki

ただし、大和・長門の捷一号作戦時の戦闘詳報によればB25の撃墜数は「他艦との共同で5機」となっているから気をつけてね。対空砲火の撃墜機数を正確に把握するのってとっても難しいの。対空砲火に限らず、航空戦全般に言えることなんだけどね。 #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 21:17:42
文月 @DD_Fumiduki

一番の理由は「航空戦、対空戦は戦闘の展開が早い」ってのが一番かな。飛行機は時速何百キロって速度で忙しなく飛び回ってるから戦果を確認するのは一瞬しかないってことが多いの。それに、数もいっぱいだしねぇ。米軍機が恐ろしく頑丈ってのもあるんだけど… #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 21:20:14
文月 @DD_Fumiduki

落とした!と思ったら実は煙を吹いて急降下で離脱してるだけだったりとかはしょっちゅうあったみたいなんだ。大戦末期にはベテランの搭乗員や指揮官が次々戦死して、未熟な人たちがどんどん投入されていったのも原因の1つとされてるかな #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 21:23:00
文月 @DD_Fumiduki

一方で対地射撃では大きな効果を発揮したみたいだね。一番有名なのは金剛さんと榛名さんが行った、ガダルカナル島のヘンダーソン基地艦砲射撃だよ。このときの艦砲射撃の威力を見て、米軍は上陸作戦時に戦艦とかで艦砲射撃を行うようになるんだ。 #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 21:28:04
文月 @DD_Fumiduki

映画だと硫黄島の手紙とかがあるかな?あたしはあんまり詳しくないからここのところは詳しい人に紹介してもらうね。 #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 21:29:36
文月 @DD_Fumiduki

話を元に戻すね。冒頭らへんで話したと思うけど、主砲による対空射撃は、装填時間の遅さや爆風、砲煙が他の対空火器の妨げとされる場合があるってされることがあるんだけど、実際は三式弾も零式弾も高角砲や機銃の射程外にある航空機が主な目標なの。 #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 21:32:07
文月 @DD_Fumiduki

だから、対空火器との同時運用は想定しないとされていたんだ。それに、三式弾の発砲による他の火器への害も記録されていないんだよ。 #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 21:33:30
文月 @DD_Fumiduki

少し解説すると、主砲を撃ったときって周囲に爆風が吹き荒れて大変なことになるの。どれくらいやばいかっていうと、大和が主砲を撃ったときに甲板の上にいると、バラバラになって愉快なことになっちゃうくらい。扶桑さんたちもこの主砲発射時の爆風で悩んでたしね #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 21:36:13
文月 @DD_Fumiduki

だから主砲を撃つときは機銃の要員とかは艦内に避退しないといけなかったの。対空射撃のときに主砲を撃つ問題はこれが一番大きいかな? #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 21:37:14