sasakiatsushi 神村恵

20100927
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佐々木敦 @sasakiatsushi

ハイバイの坂口辰平による「俳優を目指してないひとへの、俳優ワークショップ」の発表会『バンパイア』を五反田アトリエヘリコプターで観た。基本男女二人一組となって愛の告白の演技をするというもの。客席に出演者を仕込んであったり結構手が込んでいた。しかしなんでバンパイアだったんだろう?

2010-09-25 17:44:00
佐々木敦 @sasakiatsushi

枡野さんが出てた。あとフツウに観た人はみんな角ちんて司会役?の子の可愛さにやられたんじゃないかと笑

2010-09-25 17:50:30
佐々木敦 @sasakiatsushi

しかしさっきの俳優を目指してない俳優さんたち、にもかかわらず、みんなすごく良かった。演技が上手いというよりか、とにかくムリがなくて自然で、たぶん本人の素のキャラもあんななんだろうなあ、と思わせる感じ。で、考えたんだけど、前田さんや岩井さんの役者さんて、大体ああいう感じだよなーと。

2010-09-25 18:18:58
佐々木敦 @sasakiatsushi

で、このラインは、演技ということに対する考え方が、平田オリザ的な所謂現代口語演劇とは、やはり根本的に異なっているのだと思った。リアリズムて言わずにナチュラリズムと呼ぶが、前田岩井ラインはナチュラリズムの追求をしている。つまり舞台のオンオフがもたらす差異を可能な限り消してゆくこと。

2010-09-25 18:26:26
佐々木敦 @sasakiatsushi

だが青年団、そして明らかにその理念的な更新であるチェルフィッチュは、そのようなナチュラリズムに対して、一見そうは映らなくとも、じつは完全に批判的なのだ。平田ー岡田にとって、役者たちが普段はどんなひとであるのかということは、演技や演出とはまったく関係がない。この違いは大きいと思う。

2010-09-25 18:32:56
佐々木敦 @sasakiatsushi

もちろん、どっちがよいとか正しいとかいったことでは全くないし、すぐれた俳優さんはもちろんどちらにも対応できるわけですが。

2010-09-25 18:39:13
佐々木敦 @sasakiatsushi

昨晩、清澄白河のSNACで、神村恵ソロ『訪問者』を観た。予め書かれた幾つかの指令に従って踊り、ひとつ終えるとハイ!と口に出して次に進む。指令はたとえば「現在の形の中で、さっきの中身を引きつぐ」「自分のコピーを隣に置いて一緒に動く」「ものの重さを自分の重さと合わせて中和する」など。

2010-09-26 12:38:07
佐々木敦 @sasakiatsushi

神村さんのダンスには、相手の居ないコンタクトインプロヴィゼーションみたいな感じがある(相手が居る場合でさえ!)と前から思ってるのだが、ソロだとそれが際立つ。コンタクトミーツアフォーダンスというか。この一年ほど、なぜか毎回海外出張と重なって神村公演を見逃してたので、行けてよかった。

2010-09-26 12:46:57
佐々木敦 @sasakiatsushi

指令書は客にも配られたのだが、桜井さんとのアフタートークで、昼間の回はそれがなかったと聞いて、とても興味深かった。指令書読めるのと読めないのとどっちがいい?と桜井さんに問われて、どっちでもいいけど作り手がそのあるなしをどう考えているかによる、となんか当たり前の答えをしてしまった。

2010-09-26 13:00:12
佐々木敦 @sasakiatsushi

なぜか打ち上げにも参加させていただく。もんじゃ焼きの正式?な食し方をはじめて知りました笑。美味かった。某君に対する桜井さんの執拗な批判(笑)におおいに盛り上がる。なんだかんだで終電近くまで。清澄白河で呑むの危険なんだよね。

2010-09-26 13:15:44
佐々木敦 @sasakiatsushi

指令書の話をもう少し。僕個人は、演劇やダンスを観る前に情報をほぼまったく知らないようにしている。タイトルさえ認識してないまま観てることも多い。よくちょっとややこしい配役の芝居なんかだと、上演中にゴソゴソチラシを広げてる客がいるが、後で読めばいいじゃんと苛々してしまうこともある。

2010-09-26 13:20:57
佐々木敦 @sasakiatsushi

筋がわからないとか、話を追えなくなるとかへの不安がそうさせているのはわかるし、僕だってそういうことはしょっちゅうだが、なんというか、わからなくても別にいいじゃん、という気になってしまうのだ。

2010-09-26 13:25:13
佐々木敦 @sasakiatsushi

でも観た後には、文字資料なとば熟読する。自分的に考え始めるための手掛かりにしたいから。だから神村さんの指令書も読めたのはよかったです。

2010-09-26 13:27:01
佐々木敦 @sasakiatsushi

先ほど幾つか抜き出したように、神村さんの指令書の内容は、具体的なものというよりはかなり抽象的というか、観念的なものである。アフタートークで、桜井さんがそのひとつひとつの意味するところを神村さんに問いただしていったのは面白かった。

2010-09-26 13:33:43
佐々木敦 @sasakiatsushi

ただ、トークの時は聞けなかったのだけど、振付家神村が与えた指令をダンサー神村が実現していくことによって、またあの指令書が別のダンサーたちに与えられていくことによって、結果としてさまざまなヴァリエーションが生まれてくる、という理解には、じつのところ僕的には疑問があったりもするのだ。

2010-09-26 13:40:20
佐々木敦 @sasakiatsushi

南阿佐ヶ谷のART THEATERかもめ座にて、秘密結社ブランコ公演『歌え!ロレッタ、愛のために』。ス!ゴ!ク!オ!モ!シ!ロ!カ!ッ!タ! 傑作‼‼‼

2010-09-26 15:44:29
佐々木敦 @sasakiatsushi

あ、タイトルまちがえちゃった笑。『歌えロレッタ愛のために!』でした!

2010-09-26 15:53:40
佐々木敦 @sasakiatsushi

作演出はナカゴーの鎌田順也。長嶋さんや土佐くんとかから評判ばかり聞いていて、ナカゴーはまだ一度も観れたことがない。それならばと思って秘密結社ブランコの前回公演『慟哭』を観に行ったのだった。とにかくストーリーがあまりにも想定外の方角に逸脱していく。今回は更にパワーアップしてました!

2010-09-26 16:19:35
佐々木敦 @sasakiatsushi

仕組みはナンセンスだと思うのだが、そういう作劇をする人は一杯いると思うけど、好ましい意味のなさとダメダメな意味のなさとがあって、鎌田順也は非常に良いナンセンスを備えていると思った。ナンセンスのセンスが抜群。声を出して笑いそうになった回数が二桁なんて久しぶりのことでした。

2010-09-26 16:24:29
佐々木敦 @sasakiatsushi

演技演出の創意工夫にも何度も感心させられた。絶妙な細かいくすぐりも満載で、上演時間の約100分を弛ませることがない。四人の役者も皆、すごく好演してた。特に中学教師役を演じたサモアリナンズの中澤功のセリフ廻しには失笑爆笑を禁じ得ませんでした。

2010-09-26 16:31:38
佐々木敦 @sasakiatsushi

神村恵の指令書の話に戻る。あるテキストによる指令というか指示というかインストラクションというかタスクというかがあって、その読解=実行が人それぞれで違ってくるということは、それだけであれば僕は当たり前のことじゃないかと思うのだ。そのテキストが具体性を欠いているのであれば尚更である。

2010-09-26 17:32:47
佐々木敦 @sasakiatsushi

だって人間の理解力とか感性には色んな差異があって、それを基にダンスする身体のスペックや傾向性も、それを司るココロやアタマといったOSにも当然違いがあるのだから。だからアブストラクトなタスクを与えればヴァリエーションが生じるということ自体は、別にどうということでもないのではないか?

2010-09-26 17:36:13
佐々木敦 @sasakiatsushi

或る指令を遂行すると変異が不可避的に生じる、ということではなく、僕はむしろ正反対に、或る指令を与えると、遂行者それぞれの個的な差異のあれこれを超えて、どうしてか皆が皆、同様のダンス?を行なってしまうということがあったとしたら、そっちの方がずっと面白いことなのではないかと思うのだ。

2010-09-26 17:41:47
佐々木敦 @sasakiatsushi

人それぞれ、というのは、まったくもってそうに違いない。だからこそ、人それぞれである筈にもかかわらず、しかもけっして具体的なものではないにもかかわらず、誰がやっても結果が似てきてしまう、という指令。変異がデフォルトなのだから、むしろ相似や同一性という結果の方が、驚くべきことなのだ。

2010-09-26 17:45:47
佐々木敦 @sasakiatsushi

別の言い方でいうと、或るタスクが無限の変異の生産装置となる、ということよりも、逆に或るタスクが変異の可能性を常識とは違った形で収斂させる、ということの方が、ラジカルなのではないか?。もうすこし穏当に言うと、一見違ってみえる個々の遂行結果に通底する何か、の方が、重要なのではないか。

2010-09-26 17:50:17