夏休みのための「やや厚めの邦書ブックガイド」

やや厚めのおススメの邦書を挙げました
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シータ @Perfect_Insider

さて、一年前の夏休みには「入門書ブックリスト」http://t.co/YRAl0pgdpI 半年前の冬休みには「厚めの訳書ブックリスト」http://t.co/JpTDxMhFzqを流したので、今回は「やや厚めの邦書ブックリスト」を流します。休みなので厚めの本を読むいい機会!

2013-08-05 23:00:06
シータ @Perfect_Insider

井上達夫『共生の作法――会話としての正義』 正義論はそもそも可能なのか、エゴイスティックではなぜいけないか、といった根本問題から、正義を論ずるための構想、現代リベラリズム論まで、透徹したロジックで論じ切る。日本で正義を語るならばまず外せないと言っていいレベルの本。

2013-08-05 23:04:23
シータ @Perfect_Insider

坂本多加雄『象徴天皇制度と日本の来歴』 歴史というものは、特に国家の歴史というものはどのように語られるべきものか。解釈学的な方法を用い、抽象的な歴史哲学から、日本の歴史の中に日本国憲法や天皇制をどう位置付けるかを論ずる具体論まで。

2013-08-05 23:07:43
シータ @Perfect_Insider

盛山和夫『制度論の構図』 制度とは何か。社会科学の考察対象の中心的なものでありながら、極めて捉えにくく、ときに循環的で無意味な語りになってしまう「制度」。過去の社会学、社会科学の思想を分析しつつ、これを論ずるべき土台を構築する。社会科学系の必須文献。

2013-08-05 23:10:31
シータ @Perfect_Insider

松宮秀治『芸術崇拝の思想――政教分離とヨーロッパの新しい神』 芸術はなぜ「それ自体価値のあるもの」とされるのか。本書は、芸術が技術や科学から独立した近代前後で何が起き、どのような思想的背景が芸術の位置を変容させたかを論ずる。

2013-08-05 23:13:32
シータ @Perfect_Insider

土山実男『安全保障の国際政治学――焦りと傲り』 なぜ国際社会では戦争が起きてしまうのか。本書は「セキュリティ・ジレンマ」や「ホッブスの恐怖」など、さまざまなジレンマやパラドックスを取り上げ、それがどのようにして誰も望まない戦争を誘発するか、どうすれば防げるかを考察する。

2013-08-05 23:16:16
シータ @Perfect_Insider

神門善久『日本の食と農――危機の本質』 食の安全、食糧安全保障等、話題に上ることは多いが、粗雑に論じられる「農業」の問題。あまり知られていない農業の実態、消費者エゴから農地制度の根本的な問題までを鋭く論じ、農業問題が抱える難しさに向かい合う。

2013-08-05 23:20:24
シータ @Perfect_Insider

広田照幸『教育言説の歴史社会学』 学歴、体罰、いじめ・・・議論は尽きない教育の問題。しかし、教育がこのように論じられるようになったのはつい最近のことである。学歴論や「社会ー学校」関係などがどのように変遷してきたか、明治から現代までを丹念に紐解く。

2013-08-05 23:23:12
シータ @Perfect_Insider

末木文美士『日本仏教史』 日本史の教科書で羅列的にしか覚えていない「仏教」、しかし、日本の仏教は思想的変遷を経てそれぞれの宗派、教義へとつながっている。仏教伝来から近世まで、中国やインドの教義との差異も見つつ、日本独自の仏教形成の過程を見る。

2013-08-05 23:26:20
シータ @Perfect_Insider

ちなみに未読だが、加藤周一『日本文学史序説』と八木雄二『天使はなぜ堕落するのか――中世哲学の興亡』はこの夏休みに読みたいと思っている本。

2013-08-05 23:33:17
シータ @Perfect_Insider

論文だけど、関口正司「二つの自由概念(上下)」西南学院大学法学論集 第24巻第1号, 1-57頁, 第3号, 43-107頁 バーリンの「二つの自由概念」を土台にして、「消極的自由」だけで自由を特徴づけることが本当に可能なのか、を徹底的に論じる。自由に関心がある人にはおススメ。

2013-08-05 23:41:29