茂木健一郎（@kenichiromogi）さんの連続ツイート第1001回「人間として、真っ先に考えるべきこと」

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第１００１回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、昨日のニュースについて。

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にま（１）沖縄が好きで、今までにもう何十回となく行っている。ところが、本当に沖縄のことがわかってきたと感じるようになったのは、つい最近のことだった。実は、沖縄がどういう場所で、沖縄の人たちがどういう人たちかよくわからなくなった時に、ああ、ぼくは沖縄に出会い始めたと思ったのである。

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にま（２）最初は、オリオンビールおいしいですね、三線いいですね、島らっきょください、何にでもコーレーグースかけちゃうよ、みたいなところから始まる。本島だけでなく離島にも行く。那覇が、大都会に見えてくる。斎場御獄を知り、毎回訪れるようになる。中に、米軍の砲弾跡の池があることを知る。

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にま（３）そうやって、沖縄のことを知るに従い、また知り合いも増えてくるにつれて、ある時突然、沖縄はこうだと簡単には言えないことに気づく。沖縄の人にも、いろいろな趣味の人がいるし、性格の人がいる。だから、沖縄はこうだとか、沖縄の人はこうだとは、言えなくなってしまう。

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にま（４）米軍基地の問題もそうで、知ればしるほどややこしい問題だということがわかってきた。もちろん、沖縄に日本の米軍基地のかなりの部分が集中し、大きな負担がかかっていることは間違いない。その一方で、米軍基地のフェアには、地元の人は喜んでいくのだと、いろいろな人に教えてもらった。

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にま（５）小波津正光さんを中心とする沖縄のお笑い集団ＦＥＣの、『お笑い米軍基地』は、米軍の問題を、しまんちゅでないと描けない視点で描写する。先日、名護での公演を見ることができたが、大爆笑の会場の中で、なんとも言えない気持ちになった。「アメリカー」とのつきあいのリアル。

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にま（６）さて、昨日の米軍ヘリの墜落事件をめぐる報道を見ていて、私は違和感を抱いた。オスプレイ配備と関連づけて論じるものが多かったが、真っ先に言うべきことは、「乗員は無事だったか」ということではないか。一人の方が行方不明だという。その方の安否と家族のことを考えるのが先ではないか。

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にま（７）米軍の存在や、日米安保について、さまざまな議論をすることは大切である。特に、沖縄には現実に過大な負担がかかっている。しかし、人間としてどう感じるか、ということは別の話だ。米軍の兵士も一人ひとりはかけがえのない命であり、家族もいる。そのことが真っ先にくるのが自然だと思う。

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にま（８）米軍だって、ヘリを墜落させようと思って墜落させたわけではないだろう。このような事故が起こる度に、それがあってはいけない「不祥事」であるかのように糾弾するメディアのあり方に、違和感を抱く。オペレーションがいい加減なら指摘すべきだが、彼らだって真剣にやっているはずだ。

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にま（９）今朝の田母神さん @toshio_tamogami のご発言中、「左翼系の人たち」とのラベル付けは穏当さを欠くと感じたが、御趣旨はその通りだと思う。イデオロギーは、人間を人間から離れさせてしまう。米軍の兵士もまた人間であるという当たり前のことを忘れないようにしたい。

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以上、連続ツイート第１００１回「人間として、真っ先に考えるべきこと」でした。