H次数についての対話 2013-08-05
きょうはSacksのHRTのII章7節から読み始めますので、手書きノートには《H集合》《H次数》《Hジャンプ》という言葉があふれることになります。
2013-08-05 11:21:31(これつまり、ωの部分集合についての長さ ω_1^{CK} 未満の計算を問題にするところにH次数がT次数と違う厄介さをもつ理由だから、考える対象を ω_1^{CK} の部分集合にまで広げてアナロジーを回復しようというのがメタ再帰理論の発想だったということね。ふむ。)
2013-08-05 12:51:38(他の場所で、Lubarskiだったか誰かが、H次数の厄介さの原因として計算の長さの上限が考える実数ごとに変わりうることを挙げている。ω は誰にとっても ω だけど、ω_1^{CK} はパラメータに相対化すると変化するからね。)
2013-08-05 12:53:42(そして、メタ再帰理論はω_1^{CK}上の再帰理論に翻訳されて、アルファ再帰理論へと発展していったわけだ。なるほど。)
2013-08-05 12:59:12(というわけで、この本は最後まで読まねばなるまい。いましばらく「ぱいわんわん♪ しぐまわんわん♪」と戯れるとしよう。)
2013-08-05 13:03:44きょう、サックス本(HRT)の第II章を終えた。パートAはこのあと(第III章: Sigma^1_1 Predicates of Reals、第IV章: Measure and Forcing)が面白いのよね。
2013-08-05 19:45:26パートAを読んだらさっそくhyperdegreeに関する現在までのいろいろの論文を読もうと思っていたけど、どうやらHRTのパートDまでマスターしたほうがよさそうだ。
2013-08-05 19:47:46@tenapi T次数とH次数の違いというと、位相的には前者は連続関数、後者はボレル可測関数に基づく、という違いもあるので、間を取った「超算術的連続還元」みたいなのを考えても、T次数とのアナロジーは効くと思うんですが、そういう研究が生まれなかったのは少し不思議に思っています。
2013-08-05 21:14:53@tri_iro うーん、それはそれでやってみる価値があるのかもしれないですけど、後知恵という気はします。俺としては、次数の中途半端なところがおもしろいです。
2013-08-05 21:18:20@tenapi はい、H次数や順序数上の計算論に向かったおかげで、次数の深い理論が明示化されたし、個人的にもそちら方向の研究が面白いと思ってます。
2013-08-05 21:31:57@tenapi ただ、次数の理論は、連続性やボレル可測性等から次数を見るという観点を見逃していたせいで、集合論的な観点からの次数の研究に比べて、解析学的な観点からの次数の研究はとんでもなく後れを取っているなあ、と最近、計算可能解析学のコミュニティと交流するようになって思っています
2013-08-05 21:36:01@tenapi あ、まあ、もちろん、さっき言った超算術的連続還元だと、単に、ただの適当な超算術的オラクル+チューリング還元なので、大して面白い話にはならないと思いますが。
2013-08-05 21:39:32@tri_iro 俺はH次数好きのゼロ・シャープ好きなので、その関連の、もはや新しくもない問題をつついてみようと思っているだけなんですが。
2013-08-05 21:44:04@tenapi あ、ごめんなさい。普段H次数とかの話をする話相手がいないので、たまにその辺の話が出ると絡みたくなるだけで、H次数周辺の理論もゼロ・シャープ周辺も非常に美しくて、現代的にも極めて重要だと思ってます。そこから更に新しい話題が生まれてもおかしくはないとも思います。
2013-08-05 21:49:06@tri_iro いや、謝ってもらわんなんような話ではないです。実数の階層というのが面白くて仕方ないという感じは共有していると思っていますし。
2013-08-05 22:10:03@tenapi 日本の研究集会でH次数に関する話を聞いたことは無いですね。まあ、東北とその出身者に二階算術での弱い決定性周辺のやってる人が多少いるので、暗にadmissible集合を扱うような話をしている人はいます。ただ割と証明論系で、次数を扱っているという感覚ではなさそうですが
2013-08-05 22:22:59@tri_iro やっぱり済んだ話題なのかなあ。極小上界についてのサックスの問題は確かまだ未解決だと思うんだけど。
2013-08-05 22:24:52@tenapi 国際会議では、Π^1_1ランダムネス(SacksのHRT本にも確か数行程度触れられていた気がします)など、測度と絡めた形でのH次数の研究の話はたまに聞くことがありますが、本当にH次数単独の、他と関わらない問題は、未解決のまま放置されている感がありますね。
2013-08-05 22:31:22@tri_iro Mathscinet でもあまりヒットしないんですよね。ちょっと頑張ればすべて読めてしまうんじゃないかってくらい。ホンマに読んでみよかな。
2013-08-05 22:33:58@tenapi 本当に正確にH次数単独の研究というと、あの時代以降書かれた論文は数える程しか無いかもしれません。higher系の次数の理論は、H→メタ→α→β→E→ITTMみたいな感じに研究が移ろっていって、あまり振り返られることが無かったんでしょうか。
2013-08-05 22:40:03@tri_iro ITTMは無限時間チューリング機械のことですね。初めて聞いたときから、あれにはあんまり食指が動かんのですよね…
2013-08-05 22:48:02