茂木健一郎（@kenichiromogi）さんの連続ツイート第1002回「ふざけているのは、まじめ」

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第１００２回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、コンビニのレジでふと思ったこと。

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ふま（１）コンビニで買い物をして、レジのところでぼうと立っていたら、サザンオールスターズのコンサートか何かの告知をしていて、そのタイトルが、マンなんとかとなんとかスポット、みたいに書いてあって、えっ、マジですか、とよくよく見たら、マジだった。もう、サザンたらあ、いやあねえ。

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ふま（２）サザンが、コミックバンドだと思っていた、とか、思われていた、とかいう話を、音楽好きのやつに聞いたことがある。いまじゃあ大スターで、名楽曲の数々、今回の復活はほんとうにうれしいけど、それにしても、マンなんとかとなんとかスポットって、もうかなりキテテGood!

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ふま（３）話はいきなり飛ぶんだけど、お隣の国（３８度線よりも北にある国）の今のトップの兄弟（一時期、「王位継承」のうわさもあった人）は、見た目もでぶだし（人のこと言えないか）、東京ディズニーランドに行こうとして入国時に発覚したりとか、まぬけ、どら息子というイメージが強い。

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ふま（４）ところが、これは本にもなった話で、雑誌の記事でも読んだんだけど、このキムなんとかさん（清志郎によれば、「おーいキム！」って呼べば、みんなが振り向くらしいけど）は、実は北朝鮮（あっ、書いちゃった）の将来を真剣に考えていて、政治の民主化も目指している人らしい。

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ふま（５）ところが、北朝鮮はああいう国だから、キムなんとかさんが民主化を目指している、ということがガチに表面に出ると、迫害されたり、場合によっては命が危ないということで、表面は、ＴＤＬラブの、「遊び人のキムさん」のふりをしているらしい、ということなのだ。

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ふま（６）さて、コミックバンドのようでもあり、コンサートに相変わらず「マンなんとかとなんとかスポット」みたいなタイトルをつけちゃうサザンのみなさんが、この度、「ピースとハイライト」という楽曲を発表された。もうみんな知っている通り、今の時代に向き合った、素晴らしいラブソングだよね。

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ふま（７）ふざけているは、まじめ。ぼくはそう思う。笑いの人は笑われる。でも、笑われる前に笑わせてしまえ、という防御反応だったりする。あとは、秩序に対する違和感。談志師匠は、二日酔いで沖縄政務次官としての会見に臨んだが、終戦で国家のウソにもうダマされないという真剣さがあった。

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ふま（８）スティーヴ・ジョブズは、高校で「ペットをつれてくる日」というポスターを勝手に張って、学校がわんにゃんパニックになった。まじめ過ぎる人は、防御反応や、既成の秩序に対する異議申し立てで、表面上ふざけているように見える。松本人志さんがガチでものいうとき凄いね。

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ふま（９）思うに、表面上まじめで、正論を言ってくる人って、実は「浅まじめ」なんじゃないかと思う。本当にまじめな人は、一見ふざけている人たちの間にいる。物理学者のファインマンが、兵役調査の時にどんな「ふざけ」をしたかは、『ご冗談でしょうファインマンさん』を読んでください。

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以上、連続ツイート第１００２回「ふざけているは、まじめ」でした。