@ConcertPHさんによる、天若湖アートプロジェクト「あかりがつなぐ記憶」評
- kyoto_khoomei
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1993年に京都国立近代美術館で開催された「アンゼルム・キーファー」展はわたしに決定的な影響を与えた展覧会のひとつ。わたしそれ以降、芸術と記憶、芸術と歴史、これら2対の関係性とともに芸術とつきあってきたような気がする。
2013-08-04 22:36:37記憶に関わる芸術に関心を持つのはわたしだけではないだろう。石内都や米田正子といった人の作品は評価されているから。昨日、今日と開催された天若湖アートプロジェクト「あかりがつなぐ記憶」(京都府南丹市)は、記憶に関わるすぐれた作品なので、もう少し多くの人に体験して欲しいと思う。
2013-08-04 22:46:01ダムに沈んだ集落の記憶が、一年に一度、闇の中に浮かぶ。かつてその土地を故郷としていた者に、あたたかな明かりを見せるためだけにはじまったプロジェクト。BGMは、ない。その土地の経済を潤すような商売もない。
2013-08-04 22:50:23故郷としての記憶のない者は、闇の中に水をためる計画をした人々の設計思想の暴力性に気づくだろう。しかし、この作品は、暴力への抵抗を主題としていない、暴力の歴史に対する記憶の勝利を主題としている。
2013-08-04 22:56:25記憶をつなげ続けることは、先の震災以降、各地で大きな主題となっている。抵抗の歴史をもくろむ芸術家もいるかもしれない。暴力よりもはるかに深く真理を追求するならば、表層的な抵抗や、なぐさめにはならないはずだ。
2013-08-04 22:59:50先ほど帰宅して、深い感慨がまだ、わたしのからだや思考を包み続けている。クリスチャン・ボルタンスキーのホロコーストをルートに持つ作品群とも比肩するくらいの偉大な作品だと思う。
2013-08-04 23:05:05@hataie 昨年訪れて、今年も訪れました。暴力的なできごともある世の中に生きていると知るにつけ、芸術の深い力が、伝わってきます。あまりにも観客が少なかったので、ついつい熱いことばでつぶやいてしまいました・・・・ 笑
2013-08-04 23:13:30@ConcertPH そうだったんですね。わたしも行った時はバスツアーだったせいか、お客さん満員だったなあ。あの辺りはとてもいいところだし、もっとたくさんの人に知ってほしいですが、たしかに行きづらい場所ではありますね。
2013-08-05 00:08:30@hataie そうなんですよね〜、行きづらい場所ですよね。昨年はずいぶん迷ったことも思い出します・・・”アート”の価値判断が、芸術祭のような集客規模や経済効果の高いものだけに偏っていくのだとしたら、不当だな、と思ってついつい。
2013-08-05 05:54:25@ConcertPH ご感想をツイートしていただきありがとうございます。アートの文脈で感想をいただくことがほとんどないのでとても嬉しいです。来年10年になるので、たくさんの方に作品を見に来ていただき、ダムや川について、記憶をつなぐことについて、考えていただければと思っています。
2013-08-06 16:53:34@amawakaAP わわ。恐れ入ります。もう少しきちんとした文章を書けばよかった。。。つなぐという言葉はつい簡単に使ってしまうような言葉でもありますが、実際には並大抵のことではないと思います。どうかスタッフのみなさん、ご自愛ください。お疲れ様でした。ありがとうございました。
2013-08-06 20:00:00