私家版「けいおん！」論　～“クレバー”な登場人物と優しい世界～

鷽謡（USOuta） @USOuta

らきすた（以下RS）とけいおん！（以下KO）に共通して感じた不思議な感覚の正体がわかった気がする。この感覚こそが両者について文を綴ろうと思った源泉だった。多分両方のメインキャラたちは基本的にいい人たちなのだが、それが萌えの域を出ないのは彼女らに決定的な軋轢や自己崩壊が起きない――

鷽謡（USOuta） @USOuta

「優しい日常」という膜に包まれているからじゃないだろうかと思うのだ。 例えばかがみに何か生命の危機が迫り、こなたが身を呈してそれを庇えば こなたの属性は確定される。強い事件性はそうしてキャラクターを決定する。 ちと例が安いけど、ドラマというのはあらゆる「出来事」を通して、

鷽謡（USOuta） @USOuta

「登場人物たちが実際にはどんな人間性をもっているのか」を描き出すものだ。 しかしKOやRSの世界に決定的な事件性は存在しない。事件と言ってもいわゆるハリウッド映画やファンタジーなどの非日常的なそれに限らず、いわゆる人と人とのつながりを問うような「出来事」でもいい。

鷽謡（USOuta） @USOuta

友達同士の少し根が深い諍いや家庭の事情、その人の知らないその人がふと顔を出すその一瞬だ。それがいわゆるゆるい日常のドラマには存在しない（と感じられた）。RSよりKOのほうがそういうエピソードはあったが、個々の出来事は唯を唯以外の人に、澪を澪以上の人にはしない。

鷽謡（USOuta） @USOuta

「個々のエピソードはキャラクターを決して壊さない」のだ。だから普段の生活のちょっとした発言・行動のディティールだけが形に残り、それが消極的にぼんやりとキャラクターを為す。それが現実なら日常的にありふれた友達同士の軽口や放言でも、こうした作劇のキャラが言えば

鷽謡（USOuta） @USOuta

それ以上に明確な人柄を判断する根拠がないというだけで黒いニュアンスが「なんとなく黒いキャラクター」を構成する。ドラマにおける出来事はすべからく舞台道具なのだ。しかし、KOやRSの出来事は道具ではなくオブジェクトに近い気がする。

遠野九重@『役立たず』７巻、９月８日（金）発売！ @Six315

けいおん！　の日常さは、登場人物たちの一種のクレバーさに裏打ちされてるんじゃないか説。澪は軽音部の練習しない現状にマジギレして他の三人を攻撃したりしない。「練習しよう！」と呼びかける程度。他３人も澪を完全に無視するわけではない。意固地になって練習放棄、なんて馬鹿なことはしない。

遠野九重@『役立たず』７巻、９月８日（金）発売！ @Six315

あくまで“一種の”クレバーさ、な。唯は成績絶望的な時あったし、口の悪い人が言う通り、●●一歩手前な感じだし。　たぶん、人間関係の維持・調和に限ったクレバーさ。

遠野九重@『役立たず』７巻、９月８日（金）発売！ @Six315

だって実際の部活だったら、絶対「練習しないヤツは出て行け！」とか言い出すヤツと「うるせー！」って意固地になるヤツが出てくる、って。そういう問題を軽々と飛び越える、一種のクレバーさを登場人物に備えさせることで、日常系、と言われる空気を作りあげてるんじゃないかしら。

ちょこらーたは誤チェスト @tyokorata

逆にいえばファンタジーとも　蛸壺屋さんとかがそこら辺を補完してましたし　ゆるゆるの光画部ですら鬱陶しいOBが来てましたけど、けいおんにはOBは出なかったですね RT @Six315: だって実際の部活だったら、絶対「練習しないヤツは出て行け！」とか

遠野九重@『役立たず』７巻、９月８日（金）発売！ @Six315

学園青春ものに呪いのようにつきまとっていた「ぶつかりあう青春」みたいなテーマと「鬱陶しいＯＢ・顧問」みたいな嫌なリアリティを徹底的に省いた現代ファンタジーなのかもしれません。　@tyokorata 逆にいえばファンタジーとも　蛸壺屋さんとかがそこら辺を補完してましたし……

ちょこらーたは誤チェスト @tyokorata

ファンタジーレベルからいえば　けいおん＞SOS団＞げんしけん＞光画部かな？ RT @Six315: 学園青春ものに呪いのようにつきまとっていた「ぶつかりあう青春」みたいなテーマと「鬱陶しいＯＢ・顧問」みたいな嫌なリアリティを徹底的に省いた現代ファンタジーなのかもしれません。　

遠野九重@『役立たず』７巻、９月８日（金）発売！ @Six315

確かに。そう考えるとＳＯＳ団ってすごい中途半端なんですよね……宇宙人やら何やらを出してきて、要素としては凄いファンタジーだけど、リアリティの呪いを振りきれていない……　@tyokorata ファンタジーレベルからいえば　けいおん＞SOS団＞げんしけん＞光画部かな？

ちょこらーたは誤チェスト @tyokorata

部活動比較ブログをアップしたよーん RT @Six315: 確かに。そう考えるとＳＯＳ団ってすごい中途半端なんですよね……宇宙人やら何やらを出してきて、要素としては凄いファンタジーだけど

遠野九重@『役立たず』７巻、９月８日（金）発売！ @Six315

納得！　つまり、けいおんは“人間関係ファンタジー”みたいなものですね。対人関係の衝突がキツく感じられるから、そういう話が求められるんだなあ……　RT @tyokorata : 部活動比較ブログをアップしたよーん

ちょこらーたは誤チェスト @tyokorata

近年の学内における４～５人のグループ内では、空気読みに疲れる若者が続出しているという報告もありますからね RT @Six315: 納得！　つまり、けいおんは“人間関係ファンタジー”みたいなものですね。対人関係の衝突がキツく感じられるから、そういう話が求められるんだなあ……　

遠野九重@『役立たず』７巻、９月８日（金）発売！ @Six315

結局ドラマを作っていたのは、登場人物たちの適度な意固地さとお馬鹿さだったんじゃないか。ぶつかり合う思想とか、考えは間違ってないけど手段がおかしい・強引な敵、勘違いによる嫉妬、みたいな要素がお話をつくるわけで。登場人物全員がクレバーなら、もはや物語は生まれないかもしれない。

パピコ @papico_ocipap

@Six315 ドラマとは葛藤の積み重ねですからね。葛藤は譲れず悟れない我から生まれるわけで。いい意味で我の強い人達のアクの強い物語には惹かれます

遠野九重@『役立たず』７巻、９月８日（金）発売！ @Six315

@papico_ocipap 同意。我が強ければ強いほど、アクが強ければ強いほど物語は盛り上がると思っています。全員が優等生の話は……どうなんだろう。けいおん！　はある意味みんな優等生の話だけど、面白く見れてしまったので。これまでは「全員優等生じゃつまらない」派だったのですが。

パピコ @papico_ocipap

@Six315 けいおん！ は私は未見なので本当はしゃべっちゃいかんのでしょうが、まったり系が面白いのは、狭い世界の登場人物達の関係性が深まって馴れ合っていく過程を見守るのが楽しいのかなぁと。連続したドラマというよりはスナップショット的な。

遠野九重@『役立たず』７巻、９月８日（金）発売！ @Six315

@papico_ocipap スナップショット。すごいうまい言い方と思います。まったり系は連続したドラマではなく、日常を切りだしたもの、日常の羅列と言えるかもしれませんね……

パピコ @papico_ocipap

@Six315 あーなるほど。羅列だからあんまり発展しないし筋道だって展開もしないのかもしれないですね。なるほどなるほど。

遠野九重@『役立たず』７巻、９月８日（金）発売！ @Six315

地球連邦政府が移民を強引に進めなかったら？　宇宙の人々を迫害しなかったら？　ザビ家が独裁をもくろまずに、ジオン・ダイクンの補佐に徹底していたら？　ガンダムという物語は成立しえない。適度にお馬鹿だったから、戦争が起こった。物語が生まれた。

遠野九重@『役立たず』７巻、９月８日（金）発売！ @Six315

けいおん！　に戸惑いを覚える理由はそれかな、と思う。既存の“物語”は登場人物たちの、一種の愚鈍さや鈍感さ、意固地さによって起こる葛藤・衝突に依存していた。けいおん！　はそれらを取り払ってみた作品だ。（完全に取り払いきれてはいないけど、かなり薄めることはできていると思う）

遠野九重@『役立たず』７巻、９月８日（金）発売！ @Six315

一年戦争を地球連邦政府すべての人間が反省して宇宙の人々を虐げることをやめていたら、ジオン残党が戦争の遺恨を解消できていれば、Ｚガンダムと言う話は無かった。