2013年8月11日

@mimo_senu 氏による東京国立博物館「特別展示 和洋の書」閲覧記録メモ【書誌学からの意見】

@mimo_senu 氏による東京国立博物館「特別展示 和洋の書」閲覧記録メモ。冒頭の@nosuke_pooh氏の報告はこちら→ http://togetter.com/li/541335
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あはは(李徴) @mimo_senu

@nosuke_pooh 氏のご報告が大変興味深かったので、私も東京国立博物館「特別展示 和洋の書」につき、閲覧記録メモを書いてみます。書誌学からの意見に偏りますがご容赦ください。 http://t.co/ptawoWtBda

2013-08-10 18:44:07
あはは(李徴) @mimo_senu

№39秋萩帖…今回のように、べろーんと開かれていると、圧巻です。第二紙以下の紙背は『淮南子』。秋萩帖の原本が、№41綾地歌切との説もあり(小松茂美「“秋萩帖”原本の出現」参照)。この点は諸説あり、おそらくまだ確実な説は出てないのではなかろうか?

2013-08-10 18:46:55
あはは(李徴) @mimo_senu

№51佐理筆詩懐紙…最古の詩懐紙で良いのかな?安和二969年作の五言絶句。ただ、安和二年に詠んだ詩であることは諸文献からわかるのだが、この詩懐紙自体が安和二年に書写されたかどうかは、厳密にはわからないのでは?と疑問。

2013-08-10 18:52:50
あはは(李徴) @mimo_senu

№56伝行成筆屏風詩歌切(個人蔵)…№35翰墨城にツレが一葉あり。8/12までに見に行くと、翰墨城と本品を比較して閲覧できる(ただし行ったり来たりする必要あり)。図録等での印象より、青い料紙。行成自筆と考えられているよう。

2013-08-10 18:59:42
あはは(李徴) @mimo_senu

第三「信仰と書」では、平家納経・久能寺経・金峰山埋経などなど、ものすごい状態です。ここを見るだけで1時間かかります(苦笑)。№63平家納経は、裏面も見られるようになっているので、ぜひ熟視ください。個人的に大好きな扇面法華経冊子も、熟視できて幸せ。粘葉装であることも確認できます。

2013-08-10 19:04:23
あはは(李徴) @mimo_senu

№71宝篋印陀羅尼経…今回の個人的ナンバー1資料。今様・歌集・消息を書写したものの上から経典を書写した供養経。歌集の出典をしらべていないが、作者名「たんご」「左衛門のかみ」「とうの中将」など。「いにしへのみねに~」「おほゐかはせゝの~」など贈答歌あり。平安期写ですよ!気になる。

2013-08-10 19:11:31
あはは(李徴) @mimo_senu

→つづき/今様も書かれていて、解説によると新出歌を含むとのこと。今様研究者のかたに精査していただきたい。なお図録『和様の書』では、ごく一部のみ図版掲載。全巻の写真版などあるのかしら?先行研究など調べていないので、ご興味のある片はぜひお調べ下さい(そして情報くださいw)

2013-08-10 19:15:12
あはは(李徴) @mimo_senu

№85関戸本和漢朗詠集…様々な色の料紙を継いでいるのだが、わずか数行のみの料紙もある。なぜ?筆跡は変わっていないし、模写にも見えないので、もとからこの状態なんだと思われるが。

2013-08-10 19:19:35
あはは(李徴) @mimo_senu

№87高野切古今集(巻5)…個人蔵。いわゆる第二種の筆跡。巻存する巻は、これと巻8・20のみ。高野切には墨滅歌がないのです。巻末にまとめられているわけでもない(関係者のみなさん、講義の復習ですw)。が、本文をよく読むと、かなり誤写があります。古今集研究からみると、不思議な本です。

2013-08-10 19:26:13
あはは(李徴) @mimo_senu

→つづき/高野切に関しては、まだまだ研究する余地があります。書の美しさも良いのですが、ぜひ読んでみてください。あれ?と思う歌が頻出します。なお料紙は麻の繊維を主とする厚手の紙に、雲母砂子を散らしたもの。たいへん上品な紙です。

2013-08-10 19:30:57
あはは(李徴) @mimo_senu

№43御堂関白記(陽明文庫蔵)…(順番前後しました)世界記憶遺産指定、心よりお喜び申し上げます。今回の展示をごらんになったあと、ぜひ国文学研究資料館編『陽明文庫王朝和歌集影』(勉誠出版)をご覧下さい。すばらしい解説がありますので。しかも2800円!!(以上、宣伝ですw)

2013-08-10 19:36:51
あはは(李徴) @mimo_senu

№86雲紙本和漢朗詠集…右下と左上の対角に、濃青雲を漉きこんだ料紙が特徴的。雲紙料紙の遺品としても極めて古い遺品。雲が薄い箇所を熟視すると、漉き込まれた繊維の絡みがよく見える。展示されてないが、巻末に近衛基煕の識語あり。

2013-08-10 20:20:03
あはは(李徴) @mimo_senu

№92元暦校本万葉集…朱筆校合のある箇所が展示中。淡墨界とともに、よーく見るとわかります。料紙端にある朱はインデックス?汚れ?気になります。ちなみに巻四断簡は有栖川切、巻一四断簡は難波切

2013-08-10 20:25:11
あはは(李徴) @mimo_senu

№96本阿弥切…巻子本。これが原装であることは、陽明文庫蔵の巻十八巻末一葉に、当時の軸付紙が残っていることからも分かります。圧巻の開きっぷりです、すごい。舶来の唐紙料紙を、これほど近くで見られるのは幸せ。墨滅歌を本行にもつが、墨滅歌の位置や本文は、他の平安期写本と異同あり。→

2013-08-10 20:32:13
あはは(李徴) @mimo_senu

→もっとも特徴的なのは、内題・部立がないこと。ただし、巻首をみると、数行分の空白があるので、本文書写後に、書き加えられる予定だったか、という説もある。本文は、高野切と同じく、不可思議な箇所あり。衍字も多い。

2013-08-10 20:35:56
あはは(李徴) @mimo_senu

№97曼殊院本古今集…識語部分に注目。「新院御本自勝浄 僧正至勝穢十三代相伝 其後為妻女被譲畢 正安第一之暦孟秋初日之候 右金吾記」。新院とは崇徳院。とうことは、これは今城切・雅経本・清輔本・俊成本から知られる崇徳院御本の流れを汲むことになるのか。あるいは崇徳院所持本か。→

2013-08-10 20:44:16
あはは(李徴) @mimo_senu

→「新院御本」とのみ書いているので「崇徳院の所持していた本」であって、伝貫之筆崇徳院御本とは別と考えるほうがよいか。要調査。

2013-08-10 20:46:36
あはは(李徴) @mimo_senu

№100修学院切…:極最近分割された。完本時の姿は旺文社から影印が。元永本よりも古い書写と云われていた極めて貴重な完本であった。敢えて書きますが、中央に皺がよって無惨な姿。分割の是非はともあれ、酷すぎる。繰り返すが、元永本よりも書写年代が古いとも言われていた貴重な完本だったのに。

2013-08-10 20:53:39
あはは(李徴) @mimo_senu

№134飛鳥井雅康筆詠七首和歌…これが展示されていることを知らず、え!と叫んでしまった個人蔵資料。巻首に「宋世」署名と古筆本家の極札あり。雅康の筆跡の基準になるもの。ものすごく大きいです。びっくりします。

2013-08-10 20:58:20
あはは(李徴) @mimo_senu

№122飛鳥井雅経筆・熊野懐紙…雅経の自筆懐紙です。雅経ですよ、あの(笑)。署名の下に「上」が無いので、下部を断ち切られたか?なお、熊野懐紙については、 寺島恒世氏2010「熊野懐紙の本文」日本文学59-8・通巻686を参照。

2013-08-10 21:03:03
あはは(李徴) @mimo_senu

№103静嘉堂文庫蔵『是則集』…はじめてみました。12世紀書写と推定。展示の裏側からみると、粘葉装であることがよくわかる。なお大阪青山学園に定家監督書写本『是則集』あり。

2013-08-10 21:08:27
あはは(李徴) @mimo_senu

第五章「世尊寺流と和洋の展開」では、世尊寺流の書風がよくわかるすばらしい展示となっています。ここを見たあと、手鑑のなかにある、世尊寺家の人間を伝承筆者とする古筆切をもう一度みにいくと、伝承筆者が書風で決められていることを再確認できます。いったりきたりになりますが、おすすめ。

2013-08-10 21:10:53
あはは(李徴) @mimo_senu

以上、書誌学・文学の観点から、簡単なご報告をしました。ご批正等いただけますと幸いです。 ※手鑑については、また別日に。

2013-08-10 21:12:45
あはは(李徴) @mimo_senu

@mimo_senu 【補】ツレでよいかどうかは、問題あるようです。うーん。。※@nosuke_pooh 氏のご報告参照。

2013-08-10 22:01:20

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