- kasamashoin
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No.34藻塩草。裏面を巻頭から開いてくれています。キャプションには切名のみ書かれているので、ちょっとわかりにくいですね。以下、気になるもののみ抽出して書きます。子番号を裏面巻頭を1として書いていきます。
2013-08-10 23:40:02№34-24鶉切(古今集)…五島美術館展示ツイートでも触れたもの。装飾料紙に書写された定家本古今集としては、おそらく二番目に古い遺品。三行目と四行目の間で、料紙の折れ目か切れ目か、微妙に料紙の色が変わっているようにみえる。継ぎ目か。本文は連続。
2013-08-10 23:53:11№34-28土佐切(古今集)…これぞ清輔本古今集!というもの。大きい料紙の上下に贅沢な余白があり、そこに勘物がぎっしり。現存4葉か。すべて上巻。系統は初期清輔本。そうなると下帖のみ発見された片仮名本古今集との関係が、気になるところ。http://t.co/EW5OzpvPK0
2013-08-10 23:57:55№34-34久世切(万葉集)…伝伊経筆。万葉集抄出本の断簡。参考→田中大士氏2007「久世切と万葉集抄出本」汲古 (51)、景井詳雅氏2007「 『人麿集』の『万葉集』享受―一類本上巻の場合」和歌文学研究95 。
2013-08-11 00:07:07№34-38下野切(拾遺集)…朱筆による異本注記あり。本文はいわゆる異本系統で、定家本とは対立する本文。裏面の文字が若干見える。他のツレも、やはり裏面が見えるもの多い。
2013-08-11 00:11:34№34-46…キャプションはないのだが、金沢切(万葉集)。金沢文庫本万葉集のツレ。片仮名傍訓形式。高さ33糎ほどの大きな料紙はみものです(それにしても万葉関係が豊富な展示である)。
2013-08-11 00:14:10№34-69賀茂切(古今集)…伝顕昭筆。自身がないのですが、台紙をよくみると、賀茂切より一回り大きい糊痕が台紙自体にあるように見える。なにか別のものが本来張られていたのか?
2013-08-11 00:16:56№34-72右衛門切(古今集)…一行目の本文右側にあるのは、汚れなのか、注記類を消したのか?なお裏面に文字がみえるが読めず。
2013-08-11 00:18:30№34-73村雲切(貫之集)…二行目下と、後ろから三行前の二箇所、よく見ると文字の刷り消しがある、ように見えるのだが如何。
2013-08-11 00:25:34№34-96・97・98…(分かりにくいのですが、99が「雁金切」とキャプションがあり、その前にはキャプションなし)。96は伝頓阿筆『続草庵集』断簡。97が伝兼好筆越前切(伊勢物語)で朱集付あり。98が伝浄弁筆松花集切(散逸歌集)。
2013-08-11 00:34:06以上、№34手鑑『藻塩草』から気になるものをピックアップしました。キャプションがないものに関しては、よっぽどの専門家でなければ、出典などすぐわからないのではと危惧されます。参考になれば幸いです。長文失礼しました(なお、翰墨城についてはプー氏のツイートをご参照ください)
2013-08-11 00:39:14季鷹の蔵書が一括指定されたのは2007年でした。なお季鷹の自筆資料はかなりの数、流出してるんですよねえ。うちにも自筆懐紙が8点ほどあります。クセの強い字。
2013-08-11 00:56:07