《「チェルノブイリ原発事故の被害」って何だっけ?》

調べて見ても、どうまとめればいいか、わからない! という声を受けての、私なりのまとめです。 夏休みの宿題に利用していただいても文句は言いませんが、内容に関しては各自の責任で使ってください。 できれば、最後にあげた参考文献のうち、一冊でも良いので読んで下さい。 単純にコピペできないように、まとめで書きました。
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宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

以下、昨夜途中まで投稿してやめた、チェルノブイリ原発事故の被害について、連投します。

2013-08-11 16:11:23
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

1 「で、結局『チェルノブイリ原発事故の被害』ってなんだったの?調べても全然違うことがあちこちに書かれていて、良くわからないんだけど」そう言われて、はたと困ってしまった。そうだね。それをまとめておくのは、私たちの世代で事故に危機感を持っていた人間がすべきことだったね

2013-08-11 16:12:18
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

2 私は、東京電力福島第一原発が事故を起こしたときには福島県で高校の教員をしてたんだ。事故が起きた後、自分でも色々と調べて、「このままのやり方では生徒の健康を守ることが出来ない」と思ったんだけど、県庁から「不安をあおるな」と言われて、何も言えなくなったんだ。

2013-08-11 16:12:39
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

3 だから、生徒たちを守ることが出来ない自分が情けなくて、福島県の高校を退職して、北海道に家族と一緒に「避難」したんだ。今は、国の制度で家賃の補助を受けて、生活してる。それ以外に避難したことで国や県や東京電力からは、何ももらっていない。

2013-08-11 16:13:45
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

4 私が住んでいた市では、現在避難指定されている人たちも家もない。私が働いていた福島市では、これまで避難指定された人は、ただの一人もいない。「避難」は自分の決断で行うしかないし、ほとんどの人はいろいろな事情で避難していない。

2013-08-11 16:14:34
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

5 まずわかっておいてもらいたいのは、「チェルノブイリ原発事故の被害」というのは、日本で言うと公害みたいなもので、加害者側と被害者側の意見が完全に一致するということは、おそらく今後ともありえないだろう、ということ。「一つの正解」が見つからないものになるだろう。多分、永遠に。

2013-08-11 16:14:55
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

6 加害者、というのはチェルノブイリ原発事故の場合、旧ソ連政府、地元政府、発電所だけじゃないんだ。原発そのものを研究し、作り、稼動させ、これからも稼動させようとする人たちと、その人たちに味方する人たち全員だ。中には科学者も医者もいるんだよ。

2013-08-11 16:15:25
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

7 もちろん、原発を作らせたり動かさせたりしてきた、国の役人や政治家も、加害者と言えるだろう。もっとも、損害賠償裁判になれば、国の役人や政治家ではなく、国が責任を取ることになるし、国の分の賠償は税金で支払われることになる。

2013-08-11 16:15:43
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

8 日本の原発事故の場合、原発の持ち主は民間の会社だったから、その会社も損害賠償を支払う義務が発生するんだけど、チェルノブイリ原発の場合には、当時のソ連は共産主義で、発電所も国営だったから、会社じゃなく、全部税金で何とかすることになるんだけどね。

2013-08-11 16:16:07
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

9 ここからは『暴走する原発』(広河隆一著 小学館2011年)に書かれていることを基にして、チェルノブイリ原発事故がどのように起きたのかを書いてみるよ。もちろん、研究者などによっては、細かい部分で色々と違う説を唱える人がいるから、これが唯一の真実だと思わないで読んでほしいな。

2013-08-11 16:17:18
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

10 チェルノブイリ原発事故が発生したのは、1986年4月28日。当時は、「ソヴィエト連邦」という、アメリカ合衆国と対立できるほどの大きな国があってね。チェルノブイリ原発は、その中のウクライナと呼ばれていた地域の北寄りにあったんだ。今、そこはウクライナ共和国になっている。

2013-08-11 16:17:55
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

11 チェルノブイリ原発は、当時のソ連でも最新鋭の原発で、事故当時1号機から4号機までが完成、運転されていた。隣には、5号機と6号機の建設工事が進んでいた。どれも、出力は100万キロワット級だ。日本で事故を起こした東電福島第一原発と比べると、新型の原発だったんだ。

2013-08-11 16:18:25
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

12 チェルノブイリ原発で事故を起こしたのは、1984年4月に発電を始めた4号機だった。だから、発電をし始めてから、たった2年で大事故を起こしたことになるね。東京電力福島第一原発では、1号機が発電を始めたのが1971年だから事故発生まで40年過ぎていたんだよ。

2013-08-11 16:18:46
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

13 チェルノブイリ原発事故の4号機が事故を起こした原因は、今から考えると無謀と思われる実験が原因だと言われている。日本にはない「黒鉛減速炉」と言われる原子炉で、原子炉の出力を下げながら運転する実験をした結果、原子炉が暴走したのだと言われているんだ。

2013-08-11 16:20:32
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

14 原子力発電所というものは、どこでもそうなんだけど、「今日は電気が半分しかいらないから、出力は半分にしよう」という運転の仕方ができないものなんだ。基本的には、一度動かし始めたら、全力で運転する。止めるときには完全に止める。そういうものなんだ。

2013-08-11 16:21:07
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

15 半分位の出力で発電しようとすると、原子炉の中の様子を落ち着かせることが難しくて、暴走してしまう心配があるから、普通はそういう危険な運転はしないはずなんだけど、なぜかこのときはそういう実験をしようとしていたことになっているんだよ。

2013-08-11 16:21:33
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

16 実験を始めてしばらくして、原子炉は不安定になり始めた。運転員は一生懸命止めようとしたんだけど、止めることが出来なかった。暴走を始めた原子炉は、止めることがとっても難しいんだ。私達は一昨年、それを日本の国内で体験したんだよ。

2013-08-11 16:21:56
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

17 暴走を始めた原子炉では、中の核燃料が激しい連鎖反応を起こして、高熱を出した。燃料の塊を覆っている棒の外側の金属が溶け、中の燃料も溶けて、原子炉の下に落ちていったんだ。これを燃料溶融、カタカナでメルトダウンと言うんだよ

2013-08-11 16:22:19
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

18 メルトダウンした燃料は、チェルノブイリ原発4号炉では、原子炉の下の方にたまって、爆発を起こした。水蒸気爆発だった、と言われている。水蒸気爆発は、東京電力の原発で起きたといわれている水素爆発よりもずっと威力が大きくて建物の上全部が吹っ飛んでしまったんだ。

2013-08-11 16:22:41
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

19 チェルノブイリ原発4号機は、余り時間を空けないで、2回爆発した、と言われている。運転員がマニュアルどおりに操作しなかった結果の事故だったことになっているけど、実はマニュアルどおりにやったら事故が起きた、と主張する専門家もいるのでわからないんだ。

2013-08-11 16:23:00
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

20 爆発が起きた後、発電所の責任者は、すぐには爆発が起きたことを認めようとはしなかった。だけど、爆発と火事が起きたことは、原発の敷地内の消防隊員にはすぐに伝わったから、消防隊は消火作業を始めた。付近の一般の消防署員も消火作業に参加した。

2013-08-11 16:23:19
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

21 ちょっとチェルノブイリから離れるけど、日本の原発には、専門の消防担当者がいないんだ。学校で火事が起きたら、生徒や先生の消火係が、出来るなら消火活動をするように消防訓練をやるだろう?あれと同じように、消防係が「決まっている」だけなんだよ。

2013-08-11 16:23:40
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

22 旧ソ連の原発では、ちゃんと専門の消防士がいて、一応ガスマスクも人数分はあったみたいだね。記録映像を見ると、ガスマスクにゴム手袋などで、一応内部被曝は防げるような形で、消火活動をしている。そんな防護じゃ防げないほどの放射線が出ていたんだけどね。

2013-08-11 16:24:04
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

23 水蒸気爆発で、原子炉が入っている建物も含めて、チェルノブイリ原発4号機は、上側がすっかりなくなるような形になっていたんだ。核燃料も、爆発でとっても広い範囲に巻き散らかされた。でも、原子炉の周りにもたくさんの放射性物質が残っていたんだ。

2013-08-11 16:24:21
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

24 日本の事故でも同じだけど、核燃料は原子炉が止まって、ばらばらに散らばっても、「崩壊熱」というとっても高い熱を出すんだ。放って置くと、周りのものが溶けたり燃えたりしてしまう。チェルノブイリ原発では、周りに燃えやすいタールがあったらしい。

2013-08-11 16:25:03
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