2013年8月12日

岸田秀botまとめ/屈辱回避の便利な逃げ道=「自己欺瞞」

岸田秀著『日本がアメリカを赦す日』/第三章ストックホルム症候群/精神分裂/66頁以降より抜粋引用
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岸田秀bot(政治・歴史編) @kishidasyu_bot

①いずれにせよ、ストックホルムの銀行で人質になった人達も、パトリシア・ハーストも…宮嶋少尉も、自分としてはやりたくないが、相手の意に沿わなければ殺されるかもしれない状況(または、そう信じられる状況)におかれたのです。<『日本がアメリカを赦す日』

2013-08-07 20:46:31
岸田秀bot(政治・歴史編) @kishidasyu_bot

②相手の意に沿うのは屈辱です。 相手の意に沿わなければ殺されます。 屈辱的生存か、誇り高き死かの二者択一を迫られたのです。 ここに便利な逃げ道があります。 自己欺瞞です。

2013-08-07 21:46:27
岸田秀bot(政治・歴史編) @kishidasyu_bot

③すなわち、自分はいま、自分の考えにもとづいてこうしているのであって、それがたまたま相手の考えと一致していただけのことだ、自分はもともと相手の意に反するような考えなどもってはいなかったのだ、と考えるわけです。

2013-08-07 22:46:42
岸田秀bot(政治・歴史編) @kishidasyu_bot

④そのように考えれば、殺されずにすむだけでなく、誇りを保つ(もちろん、主観的に保つだけであって、客観的には卑屈の極みですが)こともできます。

2013-08-07 23:46:33
岸田秀bot(政治・歴史編) @kishidasyu_bot

⑤いったん、そのように自己欺瞞すると、自己欺瞞を維持しつづけなければ、抑圧している屈辱感がぶり返してくるので、現実の危険が去っても、自己欺瞞をやめるわけにはゆかなくなります。

2013-08-08 00:46:33
岸田秀bot(政治・歴史編) @kishidasyu_bot

⑥すべては推測でしかありませんが、たとえば、パトリシア・ハーストは、テロ集団に誘拐されたとき、彼らを憎んだでしょう。 彼らの要求に従いたくはなかったでしょう。 しかし、従わざるを得なかった。 そこで彼女は自己欺瞞に訴えます。

2013-08-08 01:46:27
岸田秀bot(政治・歴史編) @kishidasyu_bot

⑦どのような集団でも、おのれの存在を意義づけるような、正当化するような何らかの理屈はもっていますから(世のため、人のために悪い奴を懲らしめる必要があり、そのための軍資金が要るので、銀行強盗もやむを得ないとか)、彼女はその理屈に縋りつき、それを受け入れます。

2013-08-08 02:46:30
岸田秀bot(政治・歴史編) @kishidasyu_bot

⑧自分はもともと世の中に納得できない矛盾をいっぱい感じていた、それらの矛盾を解決し、理想の世界を実現するには、この集団の大義のために尽さねばならない、と彼女は考えます。 そのように考えるようになったとき彼女は、自ら進んでこの集団と行動をともにすることになります。

2013-08-08 03:46:16
岸田秀bot(政治・歴史編) @kishidasyu_bot

⑨脅かされなくなり、強制されなくなったとき、もし、この集団と行動をともにするのをやめれば、彼女は、自分は命欲しさに脅迫と強制に屈し、誇りを捨てて屈辱的なことを平気でした卑屈な人間であったことを認めなければならなくなります。

2013-08-08 04:46:17
岸田秀bot(政治・歴史編) @kishidasyu_bot

⑩それを認めたくないので、彼女は脅迫や強制がなくなっても、いやむしろ、脅迫や強制がなくなった今こそ、自ら進んでこの集団と行動を共にしつづけるのです。 彼女が銀行強盗に加担したのは、そういうときであったと考えられます。 宮嶋少尉に閉しても、同じように推測できるでしょう。

2013-08-08 05:46:06
岸田秀bot(政治・歴史編) @kishidasyu_bot

⑪しかし、自己欺瞞はあくまで自己欺瞞です。 自分で自分を騙すわけで、他人を騙すのとは違って、騙されるのも自分だから、心のどこかでそれが嘘であることを知っています。 自己欺瞞によって屈辱感を抑圧しても、屈辱感は消え去りません。

2013-08-08 06:46:24
岸田秀bot(政治・歴史編) @kishidasyu_bot

⑫屈辱感とはっきり認識されていないかもしれませんが、心のどこかに何かわだかまりのようなものとして残っています。 人間には、見えていて見えない、知っていて知らない、感じていて感じていない、こういう微妙な状態が可能なんです。 だから、自己欺瞞が成り立つわけです。

2013-08-08 07:46:20
岸田秀bot(政治・歴史編) @kishidasyu_bot

⑬そういう例は、日常よくあるでしょう。 ガン患者が意識的には自分は大丈夫だと思いながら、心の奥のほうの何処かでもうダメだと知っているとか。夫婦がもう関係が壊れてしまっているのを薄々知っているのに、何とかやっていけるんじゃないかと意識の上では思い込んでいて無理を続けているとか。

2013-08-08 08:46:12
岸田秀bot(政治・歴史編) @kishidasyu_bot

⑭…パトリシア・ハーストも宮嶋少尉もその種の自己欺瞞に陥っていたと考えられます。 自己欺瞞なのですから、彼らも、心の底から全面的に相手に賛同していたわけではありません。 どこかに無埋があります。 無理はいつかは破綻します。

2013-08-08 09:46:03
岸田秀bot(政治・歴史編) @kishidasyu_bot

⑮しかし破綻する迄は自己欺瞞に執着し、自己欺瞞を崩される事に必死に抵抗します。 またしかし、自己欺瞞が崩された後は、彼らは自分がどうしてあの様な馬鹿げた事を信じていたのか、あの様なとんでもない事をしたのか、自分の事ながら不思議で…どう考えても理解できないのではないかと思います。

2013-08-08 10:46:14

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