『ジン・アカニシッターとキアヌの石』 旧題:平たい石とAとKN
最後の3日間で重要なシーンを撮った。A氏がKNの手縄?を落ちてる石で解放するシーンがある。重要なシーンで何度か撮った。その都度2人の仲の良さは、見ているこちら側も微笑ましいものがあった。カットがかかると、A氏はその石を湖に向かって、水切りをする。KNはそれを見守っていた。
2013-08-11 10:15:21投げるけど思うようには水をきれない。それはそうだ、KNが選ぶ石は平じゃないから。カットがかかるとKNが、これはどうだと言って石を投げる。それをA氏が投げる。これじゃ駄目だと首をかしげる。じゃあこれはとKN、それをまた投げる。そんなコミニュケーションとれた日本人はなかなかいない。
2013-08-11 13:26:27その様子を見ていた、俺の知り合いが声をかけた。こっちの石の方がいいんじゃないと。するとA氏は、すみません、ありがとうございます、と言って、素直にその石を受け取った。彼はそれを投げる、するとどうだろう、嘘みたいに、綺麗に幾つもの波紋を残して、その石は、何処までも飛んで行った。
2013-08-12 04:48:59そして、KNはもちろんの事、俺も知り合いも、彼のために平たい石を探す。必死に、誰も頼まれてはいないのだが。なぜなら、もう一度彼の投げる姿、美しく湖を切っていくその瞬間を見たかったからだ。彼にはそういう力があった。決して威圧的ではなく、優雅に人を包み込む魅力と言うオーラなのだ。
2013-08-12 20:39:34そんな、つかの間の休息も終わり、カメラ位置を変えて、撮影は続く、そこでも改めて、彼の凄さを感じた。話は少し戻る。彼の凄さを初めて知ったのは、切腹のシーンを撮ったときだった。彼はこれから、クライマックスを撮ると言うのに、イヤフォンから曲を聴いて、英語の曲を静かに口づさんでいた。
2013-08-14 04:15:41緊張が走るシーン、しかも彼は重要なパートを任されていた。そんなことは、関係ないと言わんばかりのリラックスした表情で、聞いている音楽に身をまかせ、映画の世界から一人離れ、完全に自分の世界観を作り上げていた。テープが回った。彼の表情を見ると、そこには一人の俳優が凛々しく立っていた。
2013-08-14 04:24:58その、スイッチの入り方の早さといったら、これがプロなんだなって思った。話は元に戻り、つかの間の石探しから、急に、映画の世界に、周りも引き込む力を持っていた。二度もそんな物を見せられたら、この人間違いなく、本物だなと確信した。その時俺はこの人と話してみたいと思った。
2013-08-14 20:41:22で、何が言いたいかというと、見ず知らずの他人に対して、優しく出来るかどうかと言う事。自分の地位や立場なんて忘れて、人と人とのつながりを大事に出来る人。彼の言葉の一つ一つからそういった重みを感じた。 話は変わるが、最近見ないYっちからもそういった、雰囲気を感じた。
2013-10-23 10:43:24