茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1007回「ツイートの、進化の道筋」

脳科学者・茂木健一郎さんの8月14日の連続ツイート。 本日は、昨日のツイッター炎上騒ぎに関連して考えたこと。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

朝5時ですが、目が覚めてしまったので、連続ツイート第1007回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、昨日のツイッターの炎上騒ぎに関連して考えたこと。

2013-08-14 05:02:56
茂木健一郎 @kenichiromogi

つし(1)バイトの子が、冷蔵庫に身体を入れた写真をツイッターで配信する行為が、愚かなことは否定していない。お灸を据えられるのも仕方がないだろう。問題は、それで「閉店」という経営判断が適切ではないし、その閉店に伴う損害を賠償しろ、というのは相当因果関係がないというだけの話。

2013-08-14 05:04:34
茂木健一郎 @kenichiromogi

つし(2)昨日のツイッターの「炎上」における私の論旨は以上で、それがカモンセンスだと思うが、それについていろいろなご意見が寄せられた。その多くは、ピントが外れたものと私は感じた。そのような時、私は基本的に放置するけど、川上量生さん(@kawango38)は相手をされていて偉い。

2013-08-14 05:06:38
茂木健一郎 @kenichiromogi

つし(3)もっとも、@kawango38が川上量生さんだというのは「推測」されているだけで、実際には確定していない。でも、私の知っている川上さんと、このアカウントの発言は何とはなしに合致している。ニコ生の番組でご一緒した時も、川上さんストレートで、とても素敵だった。

2013-08-14 05:08:04
茂木健一郎 @kenichiromogi

つし(4)さて、少し違う視点から、昨日のツイッター炎上について考察してみたいと思う。ツイッター上のツイートを、「進化」という視点から考えてみる。すると、RTされたり、返事をされたり、あるいはフォロワーが増える、という「成果」が、進化を促すはずである。

2013-08-14 05:09:11
茂木健一郎 @kenichiromogi

つし(5)このような視点からピントの外れたツイート、底意地の悪いツイートを考察してみると、返事をもらえるという意味では、適応的な場合が多い。私は基本的に無視するけど、川上さんのように、怒って返事をする方もいる。つまり、性悪ツイートは、返事をもらえる確率が高い。

2013-08-14 05:11:00
茂木健一郎 @kenichiromogi

つし(6)こう考えると、わざと(あるいは意識せずに<−こちらの方が質が悪い)本質とは関係ない、揚げ足取りで、性根の悪いツイートをすることは、「返事がもらえる」という視点から見れば、ツイッター上の淘汰という視点から見れば実は適応的だとわかる。だから、そういう輩が増えているのだろう。

2013-08-14 05:12:32
茂木健一郎 @kenichiromogi

つし(7)しかし、相手を怒らせて(特に川上さんのようにフォロワー数の多いアカウントの人を怒らせて)返事をもらう、という戦略には限界がある。まず、自分のツイートが拡散されると言っても、それは、川上さんのようなアカウントに依存した一時的な現象に過ぎない。

2013-08-14 05:13:38
茂木健一郎 @kenichiromogi

つし(8)傾聴に値するツイートで、単独でRTされるのならば、フォロワー数も増えるだろうが、単に主要アカウントを怒らせて返事をもらう、ということで拡散されるのでは、フォロワーにもつながらない。また、実質的に考えれば、思考力、感性が鍛えられない。むしろねじ曲がってしまう。

2013-08-14 05:15:10
茂木健一郎 @kenichiromogi

つし(9)一つあり得る戦略は、性根が悪い、ピントの外れたツイートで相手を怒らせてレスをもらいつつ、実は一方で傾聴に値するツイートも混ぜるという場合。このような人は、単独RTもフォロワーも増える可能性がある。そのためには、もともと思考力、感性が磨かれていなければならぬ。

2013-08-14 05:17:02
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第1007回「ツイートの、進化の道筋」でした。この連続ツイートの「古典」(東日本大震災前日まで)を精選した『考える脳』(PHP研究所)、いい本だ! との感想を頂いています。夏の読書にぜひ。 http://t.co/l6c7L6Av5q

2013-08-14 05:19:07