魔王の娘と「ニャア」と鳴くドラゴン

舞村そうじ(RIMLAND) @radio_rimland

「人間ごときがよくここまで来た」漆黒の城壁に翼を広げた少女は、緊張でガチガチの声で「だがお父さ…魔王！大魔王閣下の名において！この砦より先には… #twnovel ニャンコいっぴき通しはせぬ！」…この砦は交渉で穏便に通過したいと軍団内の意見は一致した。 #twnvday お題・猫

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この軍団とあの(なぜか軍団なのに赤子を連れた)軍団は、自分の脳内では同一の連中だったりするとか。

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捕虜の小鬼を訊問し魔王の娘の真の名を吐かせた女騎士の軍団。「マ、マサカ姫さまニ呪イヲ!?ユルサンゾ人間ドモ…！」…見習い魔女が精魂こめて造った、抱きしめると「◯◯、ダイスキー」と喋るニャンコのぬいぐるみで魔王の娘を一気に懐柔・この一帯に限っては人間と魔物の暫定和平を確立するとか。

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→書き落としていたが◯◯は魔王の娘の真の名。ぬいぐるみ作成にあたり「ダメ押しで横にすると目を閉じるようにしたらどうか」と迂闊なことを口走り「そういえばお前は子供の頃」「副官さんには私が別にそういうの造ってあげます！」と女騎士(幼馴染み)と見習い魔女にからかわれまくる副官とか。

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魔族ゆえ色々制約があるが本当は本物の仔猫と遊びたい御主人様のため、魔力で精一杯ネコに擬態するも図体も図体だし出来損ないの牛にしか見えないドラゴンとか。そのドラゴンならではの尊厳ある美しさや子が母を慕うような一途な愛情に、今はニャンコに夢中な魔王の娘が気づく日もそう遠くはないとか。

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もうつぶやかない。つぶやかないし、まとめないから！

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もうつぶやかないと言ったな。あれはウソだ。帰宅なう。

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（アニメけいおん!!のサワちゃん先生のようにステージに立って）今、本物ってえのを見せてやる！←和訳：またしばらくあらぶります。御容赦ください。

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棄てられた卵から未熟児の状態で孵ったドラゴンは「無理デショウ」「育チヤシマセン」と侍鬼らが言うのを、今よりさらに幼かった魔王の娘が自分の魔力を与えて育て、それで擬態程度の簡単な魔力は行使できるとか。

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「知っているかドラゴン、人間たちの世界にはネコという小っちゃな生き物がいて、柔らかくて丸っこくて、それに毛並みをなでると手ざわりがよくて、ニャアとそれはそれは可愛い声で鳴くのだそうだ…」とか。

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ぬいぐるみで籠絡された魔王の娘と平和条約が仮締結され、周囲一帯で人間と魔物の共存が図られるとか。でも村の子どもたちは「言うことを聞かないと砦の向こうの魔物が食べに来るよ」とか脅されていたせいもあり、小鬼やドラゴン、魔王の娘の黒い翼を泣き恐れ、姫さましょんぼりとか。

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それでも荒くれの木こりや農夫には「ゴツくて子供やご婦人に敬遠されるのでは俺らも変わりないってガハハハ」なんてのもいるとか。「そうですとも」と居酒屋での与太話に割り込んで来た他所者の商人、「それにあのお姫様の羽根は高い回春薬になりますでの」とか。

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私のコミティア準備が進まないのは、どう考えても私自身が悪い。

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女騎士と副官は本隊に正式な和平協定締結の打診に、見習い魔女その他は近隣で起きた川の氾濫の救済と復旧処理で不在の隙をつき、共存地帯を席巻する商人と怪しげな傭兵たちとか。「魔物と仲良くと言っても畑に入られては困るでしょう、この薬で境界を引いては」と渡された薬の、硫黄と硝石の匂いとか。

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怪しい薬で指示されたとおり村じゅうに引いた「境界」で魔法陣が発動し、熱のない不吉な炎に包まれる共存地帯とか。召喚された巨大人造モンスターが暴れ出すとか。混乱に乗じて村人から小麦や金貨を、魔物たちから宝石や黄金を奪う傭兵たちとか。

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日ごろ魔物たちにもよくしてくれたゴツい人間のおっさんに「家族を攫われた、あんたに助けてくれと頼める義理じゃないが」と涙ながらに土下座される魔王の娘とか。自分やドラゴンを見て泣いた人間の子供の姿が脳裏をよぎるが、それでも傍らのニャンコのぬいぐるみを見やり、うなづくとか。

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今の魔王の娘には自分たちの非力、あのとき人間たちと戦っても手もなく負けていたろうことが分かっているとか。しかし逆に副官の怜悧や見習い魔女の優しさ・女騎士の心の寛さも知ってきたとか。彼らが砦に居ない今「部下の魔物も人間も、皆をここで守るべきなのは私だ。…そうだよな？ドラゴン」とか。

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歩きながらスマホで文章を作るのは危険なので絶対に真似してはいけません。

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手下の小鬼や人間の農夫たちを鼓舞し、傭兵に立ち向かう魔王の娘とか。ひぃと腰を抜かした軟弱系の魔物(落ち武者っぽいの)に襲いかかった傭兵を「ふざけんじゃないよ！」と集団でボコるおばさんズとか。だが人間は戰のシロウトだし魔物は魔法陣に妨害されるしで、あえなく敗退、追い詰められるとか。

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魔王の娘を狙うよう魔法陣で「設計」され生み出された人造巨大モンスター、暴走し(たまさか共存地帯を訪れていた)旅芸人の一座を襲うとか。魔王の娘と同じ漆黒の髪の人間の少女と、同じ目の色のネコを魔王の娘と誤認したとか。

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後づけで恐縮だが、魔王の娘は黄金色のネコ目で、それも人間の子供らに恐がられる一因であったとか。そして、自分と同じ目なのに皆に愛されるネコに憧れていたとか。旅芸人の一座の天幕も憧れの目で見つつ、他の子供に泣かれるのがイヤで入りそびれていたとか。

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いま思いついたが先エピソードとして、察しのよい副官が「旅芸人は物怖じしません。天幕での公演とは別に砦に呼びましょうか？」と提案したのに首をふるふると振る魔王の娘とか。「そうですよね…失礼しました。ですがその気になったらいつでも仰言ってください」と分かっている副官とか。

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暴走した人造巨大モンスターに襲われる旅芸人の少女と子猫に「あの子たちを助けて！」ドラゴンに叫ぶ魔王の娘とか。変身を解き、御主人の翼と同じ漆黒の巨体をもたげ野太い声でドラゴンがつい「にゃあああああ！」と咆哮するのが今回のエピソードの数少ない笑わせどころであるとか。

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真っ向からぶつかる漆黒のドラゴンと人造巨大モンスター、しかしそれすら商人の罠だったとか。「境界」で仕切られた畑がばっくりと割れ「ああ、俺たちの畑が…」二頭の巨体を飲み込むとか。下は煮えたぎる硫黄の海とか。先に墜ち下敷きになった人造巨大モンスターの悲しげな断末魔とか。

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元からこうするために、あの可哀想な人造モンスターを召喚したのか。驚愕の虚を突かれ後ろから傭兵に羽交い絞めされた魔王の娘の絶望の悲鳴とか。「卑怯だ…貴様らは卑怯だ！魔物だってこんな非道は許しはしないぞ！！」「そのとおり！人間だって、こんな所業は許さない！」凛とした声が割り入るとか。