「良い戦争」・「悪い戦争」という概念のおこりと変遷・・・理念から利害へ 利害から経済へ

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榎本憲男★『サイケデリック・マウンテン』絶賛発売中!!! @chimumu

よい戦争/悪い戦争という概念が生まれたのは、ヨーロッパである。中世までのヨーロッパでは戦争には「いい戦争」と「悪い戦争」の二種類があると考えられてきた。いい戦争は正義を実現する戦争である(例:十字軍)。戦争に大義名分があるかないかが大事であった。

2013-08-15 11:36:20
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ところが、宗教戦争の惨状はヨーロッパ人を反省させた。正義や大義名分を持ち出すのではなくて、戦争をリアリズムで考えようという思想が生まれる。クラウゼヴィッツの『戦争論』がその代表である。

2013-08-15 11:36:50
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クラウゼヴィッツにとって、戦争の目的は勝ち負けではない。相手を叩きつぶすことではなく、損得こそが大事なのである。

2013-08-15 11:37:04
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中世の戦争は「感情の戦争」だった。これに対して、近代の戦争は合理的精神に基づいて行われる一種の経済活動である。「いい戦争」も「悪い戦争」もない。ということらしい。

2013-08-15 11:37:29
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ところが、第一次世界大戦が終わると、収支的には戦勝国はなかった。戦勝国は敗戦国のドイツに対して、アルザス・ロレーヌ地方をはじめとする広大な領土を要求したが、戦争の収支決算はまだ黒字にならない。そこで、1320億マルクという天文学的な賠償金どーん。支払えるわけがないんだよな。

2013-08-15 11:41:51
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ドイツに対する戦勝国の一方的な対応がナチの台頭を許す一因(すべてではなかろうが)になったことは確からしい。

2013-08-15 11:44:43
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というのが、通説らしいが、はたして戦争から「感情」というものを洗い流すことなどできるのだろうか、という疑問はある。>小室直樹先生

2013-08-15 11:47:42