叢雲ちゃんのSSまとめ

TLの流れに触発されて書いた怪文章のまとめ。暗い、やたら暗い。負傷した叢雲ちゃんを愛でるべし。
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灰鉄蝸(かいてっか)喪中 @Kaigoat

まだ肉付きの薄い、肋骨の透けて見える胸元。その白い肌を見ても、提督は欲情できなかった。叢雲の装備の大半は、敵空母の空爆で吹き飛んでいる。ぜぇぜぇと荒い息をついているのは、全身を蝕む激痛のせいだ。提督が見慣れた光景。二人の目の彼女が来てから、初めての姿だ。 #叢雲ちゃん可愛い

2013-08-15 11:11:46
灰鉄蝸(かいてっか)喪中 @Kaigoat

「あんた……そこに、いるの?」包帯塗れの叢雲が、弱々しい声を絞り出した。ここにいるよ、と提督は微笑む。宙を掴むように伸ばされた手を握り、何でもないように振る舞う。……ドックには大破した戦艦や空母がすし詰め状態。叢雲は、ずっと、傷ついたままだ。 #叢雲ちゃん可愛い

2013-08-15 11:15:00
灰鉄蝸(かいてっか)喪中 @Kaigoat

結局のところ、艦娘というのはインターフェースが特殊なだけの兵器だ。代えなどいくらでもある、と思い上がっていた頃の自分をぶん殴ってやりたかった。気丈さの欠片も見受けられない、弱り切った叢雲は、どこにでもいるローティーンの女の子だった。 #叢雲ちゃん可愛い

2013-08-15 11:17:28
灰鉄蝸(かいてっか)喪中 @Kaigoat

こちらの表情を察した叢雲が、よく見えていない目を細めた。「馬鹿ね、なんであんたが苦しそうなのよ」言葉と裏腹に、叢雲は嬉しそうに笑った。提督の様子を見て、愛されていると思ったからだ。違う。一人目の彼女を使い潰した罪悪感が、胸を苛んでいるからに過ぎない。 #叢雲ちゃん可愛い

2013-08-15 11:21:09
灰鉄蝸(かいてっか)喪中 @Kaigoat

艦娘の誕生前、世界中の戦争は地上戦以外、ほとんどが機械化されていた。高度な軍事技術を持つ勢力は、人的資源の痛まない無人艦隊を以て、それ以外の勢力を駆逐した。そして――深海棲艦という未知の種族を前に、畸形と言えるほど効率化した兵器は食い荒らされた。 #叢雲ちゃん可愛い

2013-08-15 11:25:27
灰鉄蝸(かいてっか)喪中 @Kaigoat

やってきたのは一種のヒステリーだった。今までの軍備に欠損していたものを。自動化された戦争にありえない悲痛を以て、指揮官の創意工夫を引きだそう、と。現実感のない試行錯誤の果てに、深海棲艦を加工して"彼女たち"は生まれた。 #叢雲ちゃん可愛い

2013-08-15 11:27:42
灰鉄蝸(かいてっか)喪中 @Kaigoat

その結果がこれだ。確かに提督は悲痛を思い知った。言葉も感情も通じあう、少女のカタチをしたものを、愛せないわけがなかった。未知の敵との遭遇戦を日常とする以上、必ず壊れて消えていく定めなのに。すまない、と男は呻いた。 #叢雲ちゃん可愛い

2013-08-15 11:29:56
灰鉄蝸(かいてっか)喪中 @Kaigoat

叢雲はしょうがないなあ、と口元を緩めた。普段、気の強い淑女たる彼女からは想像できない、優しい微笑みだった。彼女の両目は機能していないから、欠けた視覚を想像で補う。提督の気持ちを、綺麗な苦しみに補完する。品のいい鼻梁の下、赤い唇が言葉を紡いだ。 #叢雲ちゃん可愛い

2013-08-15 11:33:02
灰鉄蝸(かいてっか)喪中 @Kaigoat

「……今度、あんな指揮したら酸素魚雷を喰らわせるんだから。私が直る頃には、もっと私に相応しい提督になりなさいよ」叢雲の愛情は本物だ。だから救いがない。いつか、必ず沈んで消える艦娘とのロマンスなど、提督が入れ込むべき事項ではない。それでも―― #叢雲ちゃん可愛い

2013-08-15 11:39:26
灰鉄蝸(かいてっか)喪中 @Kaigoat

愛しいと思う気持ちは消えてくれない。呪いのように鎮守府に束縛されながら、叢雲の小さな手のひらを強く握り返した。深海棲艦という脅威を、この海から駆逐する日まで、彼女を生かしてみせよう。 #叢雲ちゃん可愛い

2013-08-15 11:41:43
灰鉄蝸(かいてっか)喪中 @Kaigoat

……艦これってこういう話だよね、と言おうとしたが叢雲ファンに石を投げて追われそうな類の怪文章である。メモ帳に書くべき長文である。肋骨ぺろぺろSS書きたい! #叢雲ちゃん可愛い

2013-08-15 11:43:09

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