- tantanQtan
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医療においては「行動の原理や意義を誰かに説明する」という行為がとても重要で、その最たるものは「患者さんへの説明」である 患者自身が自分の病状をきちんと理解し、治療の意義を把握し、治療の方法についても理解していないとよりよい医療は行えない
2013-08-20 09:42:04先日読んだ亀井先生の「私は咳をこう診てきた」でも、「ステロイド吸入の服薬指導をきちんとされていなかった患者が、吸入剤を口の上でトントンと動かして『粉薬を飲むように服用していた』例」があげられている ただしい理解がないと医療そのものが揺らいでしまう好例であろう
2013-08-20 09:43:07そして、説明する相手というのは「患者さん」だけではない 医療は多くのスタッフが相互連携して行われるものであるから、「医療スタッフ同士での意思疎通、相互理解」というのも非常に重要である そして、このことがきちんと理解されきっていない分野というのが一部にある
2013-08-20 09:44:12「病理診断学」はこの「説明があまり足りていない分野」に属するケースが多い。病理というものがいったい何をしているのか、きちんと説明出来る医師以外のスタッフは非常に少ない。これは「医療スタッフが勉強不足」なのではなく、「病理医が説明してない」からかもしれない
2013-08-20 09:45:19臨床医も、「病理に診断をオーダーしたらあとは結果を待つだけ」というスタイルに染まってしまっているケースがある。病理診断は「なぜそのように診断されたか」「臨床所見がその病理診断により解釈可能か」などをきちんと「説明」できなければいけない
2013-08-20 09:46:49ところが、この「説明」というのが「学術評価」につながらないのが医療世界の難しいところである。患者さんへの説明がうまい医師が「説明がうまいからという理由で」教授になれるわけではないのと同様、病理診断を臨床に説明出来る能力が「病理医としての学術的な出世」には結びつかない
2013-08-20 09:47:50「べつに大学で偉くなんなくたっていいじゃないか!」という意見はごもっとも というかそれが普通の思考回路なのだが、病理医は元来「臨床医」というよりも「病理学者」としての側面が非常に大きく、「大学に属していないと、大学で偉くなることを目指さないと」という空気がやや強い
2013-08-20 09:48:39理由はほかにもあるだろうが、そんなわけで病理学は「主に学問として」発展してきたが、同時に「コメディカルはおろか、医師にさえもまともに説明出来ないままここまで進歩してきた」というのが、現在市中病院に勤めている俺から見た正直な感想である
2013-08-20 09:49:31もちろん、画像診断の飛躍的な進歩の中にある現代医療において、「病理診断を画像所見や臨床所見と対比する」という作業は非常に重要視されていて、特に都心部などでは「臨床との連携」は以前よりもかなり向上した。でも地方ではまだまだ……
2013-08-20 09:50:22以上のような背景があるために、ヤンデルはまだ35歳で大学でろくな実績もあげられなかったにもかかわらず、全国各地の画像系研究会に呼ばれて「病理診断と画像診断の対比について講演してくれ」と呼ばれるようになったのです。別にヤンデルが優秀だからとかではないんです。
2013-08-20 09:51:18「病理以外にいる医療者が、病理と画像との対比をすごく知りたがっている」というニーズの増加、そして供給の不足が、ヤンデルのようななんちゃって病理医にも講演のお仕事を回してくれており、また毎月の養育費を払う上でも非常に役に立っているのです。(糸冬)
2013-08-20 09:52:27ヤンデル先生のまじめツイートが投下されるたびに追ってRTしてる人いるけど、全部書き終わるまで待って最後のオチですべるところを見届けてからそれ以外を連続RTするほうがいいよ
2013-08-20 09:49:05