若手論客の『風立ちぬ』に対する典型的サヨク反応。

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『風立ちぬ』創作者の“業”と若手論客への懐疑│小林よしのり

 『風立ちぬ』の評論を宇野常寛が「ダ・ヴィンチ」9月号に書いているというから読んでみたが、「なんだこりゃ?」と脱力するしかないシロモノだった。
 宇野は主人公・堀越二郎や、二郎に自身を重ねているであろう宮崎駿について、以下のように書き連ねて行く。

「二郎の『美しい飛行機をつくる』夢は、常に戦争の影に脅かされている」

「大人になった二郎は軍事技術者以外の何者でもなく、その『美しい飛行機』=ゼロ戦は日本の軍国主義の象徴になってしまう」

「彼の考える『美しい飛行機』は戦争のもつ破壊と殺戮の快楽と不可分だったはずだ」

「宮崎駿が考える『美しい飛行機』とは大仰で猥雑なカプローニの大輸送機ではなく、スリムでストイックなゼロ戦であり、平和な時代の旅客機ではなく暗黒の時代の殺戮兵器だったのだ」

 韓国人の批判と、全く同じじゃないか!
 韓国人が言うならともかく、今どきの日本で、ゼロ戦を「暗黒の時代の殺戮兵器」としか思えない若者なんているのか!?
 といっても宇野は今年35歳の「ポスト団塊Jr世代」で、もはや中年かもしれないが。
 ゼロ戦を「暗黒の時代の殺戮兵器」とまで決めつける人間がいるとは本当に驚いた。
 まさに戦後民主主義サヨク!わしが『戦争論』(幻冬舎)で分類したサヨク以外の何ものでもない!

・ブロマガ「小林よしのりライジング Vol.50」より引用。
http://ch.nicovideo.jp/yoshirin/blomaga/ar320817

宇野常寛 @wakusei2nd

しっかしまあ、よしりん先生から見たら僕は(そりゃあ)「左翼」なんだろうし、「風立ちぬ」について意見が分かれるのもよく分かるけれど、さすがに「ダ・ヴィンチ」の僕の文章を読んで、僕が左翼的な立場から同作を保守反動的だと批判していると読むのはさすがに無理がありすぎるんじゃないかと思う。

2013-08-20 22:59:16
宇野常寛 @wakusei2nd

ともかく、よしりん先生のブログやメルマガを読んだ人は、ぜひ「ダ・ヴィンチ」掲載の僕の文章を読んでください。僕の批判の内容と力点は全然別のところにあることがよく分かると思うので。

2013-08-20 23:00:37
宇野常寛 @wakusei2nd

『風立ちぬ』に感動する人がいるのは結構だけど、「ものづくりにかかわる人間ならあの映画に感動するはず」的なことを言って感動できなかった人を責めるのはほんとうに薄っぺらいと思う。

2013-08-21 15:34:20
宇野常寛 @wakusei2nd

僕だって自分のお金で8年間雑誌やってるんだから人一倍「夢の呪い」のことは考えてるし、直面している。会社も辞めちゃったし。でも、はっきり言って宮崎駿の100分の1も才能や実積もない人間が、彼に自己同一化して『夢の呪いがお前にはわかってない』とか説教してくるの、マジ滑稽だと思う。

2013-08-21 15:35:24
宇野常寛 @wakusei2nd

いや、ほとんどの人は単に個人的に感動しているだけなのもよーくわかっておりますが、この数週間て2、3人僕の同作批判が気に食わない人にこの文脈で噛みつかれたので一応言っておきます。 もちろん、僕の批判点は最初から別のところにあるので、この議論は噛み合ってないのだがけど。

2013-08-21 15:40:22
宇野常寛 @wakusei2nd

「ゼロ戦をつくらなかった堀越二郎症候群」に陥らないように、僕はしっかり手を動かして作品を残します。目標は高く、二郎や駿に負けないものを目指して!

2013-08-21 15:43:42
Kazutaka @e_kazutaka

@wakusei2nd 「サヨク的だ」というのはあくまで批判の一部で、結局、創作に携わる者の「業」やそこについてまわる「矛盾」を宇野さんが理解できていないことが大きいと、よしりん先生の批判を読んで思いました。

2013-08-21 13:03:19
宇野常寛 @wakusei2nd

@e_kazutaka ??? 僕の批判点はそこじゃないですよ。

2013-08-21 15:27:33
Kazutaka @e_kazutaka

@wakusei2nd 僕が書いたのはよしりん先生の文章を読んで感じた感想であって、宇野さんの主張について僕はまだ何も言及してないですよ。

2013-08-21 15:48:41
宇野常寛 @wakusei2nd

@e_kazutaka たがら僕の論点はそこではないとだけコメントしました。

2013-08-21 15:54:48
Kazutaka @e_kazutaka

@wakusei2nd そこは僕も分かっているつもりなんで“「サヨク的だ」というのはあくまで批判の一部”という風に思って、そう書きました。それ以外のよしりん先生の批判について宇野さんはどう反論していくのかが知りたいです。ダ・ヴィンチ読めば分かるという主張以外で。

2013-08-21 16:11:38
宇野常寛 @wakusei2nd

@e_kazutaka  偉そうな人だなあ。そもそもよしりんは僕の批判内容をまるっきり理解していないので、話はそこからだと思います。あと僕はよしりん先生のメルマガをとっていないので、そのうち読んでおきますね。

2013-08-21 16:16:44
宇野常寛 @wakusei2nd

@e_kazutaka ついでにいうと「夢の呪い」云々の難癖はくだらないですよ。僕の批判点は「夢」(個人的なこと)と「正義」(宮崎にとっては戦争嫌悪)の矛盾を歪んだマチズモで埋めているのが薄っぺらいというのが僕の主張なので。よしりん、ブログ読む限りはさっぱりそこを理解していない。

2013-08-21 16:18:31
Kazutaka @e_kazutaka

@wakusei2nd 偉そうなつもりはなかったんですが、そう見えたのなら残念です。肝心の批判をまだ読まれていなかったということなので、今後は静かに見守らせていただきます。

2013-08-21 16:36:35
宇野常寛 @wakusei2nd

@e_kazutaka 「まだ読んでない」……って。相手は僕の書いた内容もろくに理解していないのに、僕は有料メルマガまでとって反論しないと文句言われるのはたまったもんじゃないですよ。笑

2013-08-21 16:40:29
宇野常寛 @wakusei2nd

あ、ついでに言うと、僕は「風立ちぬ」がナルシスティックな表現だから批判しているんじゃなくて(それ自体は善し悪しの問題じゃない)、その描き方(自己完結もできず、社会的な承認もなく、女性差別的な回路で誤摩化す)に安易さを感じて美しいと思えなかったってことですね。そこは誤解なきよう。

2013-08-22 00:13:40
宇野常寛 @wakusei2nd

この辺の議論は「リトル・ピープルの時代」を読んでください。(この本で僕は「ナルシシズム」という言葉それ自体にはネガティブな意味を込めていない。たとえば「ナルシシズムの記述法が発展した○○ライダーは〜」みたいな記述も多いはず。)

2013-08-22 00:14:40
宇野常寛 @wakusei2nd

しかしよしりん先生の「風立ちぬ」に対しての反応を見ていて思うのは10年程前のオタク論で割と流行っていた「マッチョな「燃え」(メカ)をやさしい「萌え」(美少女)が去勢する」的な理解って完全に間違ってたってこと。両者が完全な共犯関係にあり、そこに美学を見出すのが「風立ちぬ」だろう。

2013-08-22 11:31:33
宇野常寛 @wakusei2nd

これは言い換えるとよしりんの考える(戦争の話しをしてもいけない、恋愛してもいけない)アイドル=萌えは小林「戦争論」的な男根主義を補完し、強化するということ。そして指原徹底擁護派の僕はこの点においては完全によしりん先生に対立する。笑

2013-08-22 11:37:05

『風立ちぬ』は若すぎるとわからない│小林よしのり

昨日配信した
『小林よしのりライジング』での
批判に対して、思った通り、
宇野常寛氏はツイッターで、

「僕はもっと高尚なこと言ってるんだい」

とつぶやいている。

何度見てきた反応か!

・「ゴー宣ネット道場」より引用。
https://www.gosen-dojo.com/index.php?key=jojscsuuq-736#_736