観察対象から観察者の効果をいかにして取り除くか

自然のありようを正確に理解する方法を模索する。
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早川由紀夫 @HayakawaYukio

17世紀から地震数が急激に増えるのは,強靱な中央集権国家(江戸幕府)が成立して地方の情報が中央によくもたらされるようになったことと,生産力が向上したことにより全国で人口が増加しはじめたことによるとみられる.地震数の増加は,

2013-08-22 10:56:38
早川由紀夫 @HayakawaYukio

報告数の増加すなわち人為効果によるみかけのものであって,実際に発生した地震数が増えたわけではないと考えられる. http://t.co/YzAry3GWU8

2013-08-22 10:57:04
早川由紀夫 @HayakawaYukio

日本の地震噴火が9世紀に集中しているのはなぜだろうか? http://t.co/r5k1LHmkEm

2013-08-22 10:57:39
早川由紀夫 @HayakawaYukio

このようなバイアスを地学ではreporting indexという。医学ではスクリーニング効果というらしい。いずれにせよ、観察対象から観察者や人為の効果をいかにして取り除くかに腐心することを意味する。

2013-08-22 10:59:09
早川由紀夫 @HayakawaYukio

たとえば、16世紀から世界中で火山噴火の報告数が急激に大きくなるのは、大航海時代が始まって火山噴火の報告が増えたからだ。火山噴火が増えたからではない。

2013-08-22 11:02:22
早川由紀夫 @HayakawaYukio

過去の火山噴火を研究するにあたって、こういったバイアスをいかにして取り除くかが、私の研究興味の大きな部分を占めている。その経験から、甲状腺検査がこのバイアスのわなにはまりやすいことを、私は聞いた即座に理解できた。

2013-08-22 11:02:51
早川由紀夫 @HayakawaYukio

悉皆検査をしてなかった事故前の甲状腺がん割合は、いままったく参考にならない。事故前の甲状腺がん割合を示すデータは存在しない。福島県は36万人を被験者として、いままさにそれを集めようとしている。前人未踏の科学の行為だ。金字塔だ。しかし倫理的に許されることだろうか。疑わしい。

2013-08-22 11:07:46
早川由紀夫 @HayakawaYukio

科学者の興味関心は満たすだろうが、社会がそれを必要としているかも疑わしい。

2013-08-22 11:08:18
早川由紀夫 @HayakawaYukio

社会にとって、その科学の前進は、むしろ害毒ではなかろうか。

2013-08-22 11:09:07