いつの間にかサンタさんがこなくなった大人たちへ

小島アジコ @ajico_k

いつの間にかサンタさんがこなくなった大人たちへ。サンタさんは、世界中の子どもたちにプレゼントをあげる為に、自分の家庭を顧みず、毎日一生懸命働いています。クリスマスの日も、他所のうちが七面鳥を焼いてパーティーを開いている中、サンタさんのうちの子どもたちは毎年カップラーメン。（続）

小島アジコ @ajico_k

（続）「ねえ、お父さん、おとうさんは世界の子どもと自分の子どもとどっちが大事なの？どこか、見も知らない子どもたちと、わたし達と、どっちが大事なの？」クリスマスの日、そんな言葉を子どもたちから投げかけられた瞬間、しかし、サンタさんは子どもの頬を思いっきりはたいてしまいました。（続）

小島アジコ @ajico_k

（続）そのまま、逃げるようにソリに乗って“仕事”に出掛けるサンタ。子どもを叩いた自分の手がじんじんと傷みます。子どもたちの言うことも分かる。でも、サンタさんは、世界中の可哀相な子どもたちをたくさんみてきているのです。内戦で両親を失った子ども、病気で家から出られない子どもたち。（続

小島アジコ @ajico_k

続）サンタは、人の親と、サンタであるということの葛藤を、もう、何年も続けていました。そして、自分の子どもの頃の事を思い出しました。サンタさんの父親も、また、サンタでした。（続）

小島アジコ @ajico_k

（続）クリスマスの日に、一人家に置いて行かれた事。あの時は親を憎んだけれども、今はその苦しみが分かる。だから、きっと、きっとあの子たちもいつか自分の事を分かってくれる、そう思いながら、プレゼントを配り続けました。（続）

小島アジコ @ajico_k

（続）そして、今年もクリスマスがやってきます。（続）

小島アジコ @ajico_k

俺はいったい今何をしているんだろう……。

小島アジコ @ajico_k

（続）２４日の朝、サンタさんが、そこに子どもたちはいませんでした。自分を見捨てて、出て行ってしまったのか…。それでも、プレゼントを配らない訳にはいきません。いつもなら軽いプレゼントの袋が、心なしか重く感じられました。（続）

小島アジコ @ajico_k

（続）結局、子どもたちに、自分のしていた仕事を分かってもらえなかった…。そう落胆しながら英仏海峡を渡りかけた時、プレゼントの入った袋が、もぞもぞと動き出すではありませんか。（続）

小島アジコ @ajico_k

（続）なんと、プレゼントの袋の中から、サンタの子どもがでてきました。「お父さん、今年はプレゼント配るの手伝わせてよ。わかったの、いつもひとりのクリスマスがさびしかったんだけど、それなら、一緒に行けばよかったんだって」（続）

小島アジコ @ajico_k

（続）そして、サンタクロースと、サンタのこどもは一緒に、世界中の子どもたちにプレゼントを配りました。配る予定のプレゼントを全部配って、サンタの袋はからっぽのはずです。でも、何故か、プレゼントの袋の中からカサカサと音がします。（続）

小島アジコ @ajico_k

（続）それは、真新しいパイプでした。「これは…」「お父さんにだよ、わたしからのクリスマスプレゼント」。サンタは大粒の涙を流し、その新しいパイプをくわえました。（続）

小島アジコ @ajico_k

（続）「うっ！これは！青酸カリ！」ガクッ！！サンタは顔を紫色に痙攣させて倒れました。子ども「アハハハハハッハハハ！出来た！全部出来た！やったよ！お母さん！お父さんを殺したよ！絶対絶対絶対殺してやるって決めてたんだ！出来た！ちゃんと出来た！褒めてよ！ねえ！」（続）

小島アジコ @ajico_k

（続）そうです。今までの子どもの行動は、全部父親を油断させるための芝居だったのです。自分と母親を捨て、振り返る事のなく、自分の仕事に専念した、これがサンタクロースの最後でした。（続）

小島アジコ @ajico_k

（続）こうして当時のサンタクロースが受け持ちだった子どもたちのところにはサンタクロースが来なくなったのです。そして、そのサンタクロースの子どもは、当時、自分の代わりに愛された子どもたちも一人一人殺して回っているそうです。もしかしたら、今年のクリスマスあたり、あなたのところに……。

小島アジコ @ajico_k

おしまい。

小島アジコ @ajico_k

こういう連投長ツイートをするとフォロワーが分かりやすく減ります……。