ルアクコーヒー(ジャコウネコの糞のやつ)についてy_tambeさんツイートまとめ
- cicada_colon
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昨日僕がブログでこういう記事を書きまして。
科学の力でうんこコーヒーを見分ける - 蝉コロン http://t.co/9xEQatV9GO しまった、無策でコーヒーエントリ書いてしまったと今気づいた。
2013-08-26 08:11:50エントリ投稿時に蜂の巣になる予感がしている私です。みなさんもJournal Clubで選ぶ論文には気をつけましょう。
ルアクコーヒーの成分分析は、既に2004にMassimoが行った、ルアクの腸内での消化と細菌叢によるアミノ酸組成変化の先行研究がある。 https://t.co/F1Lr4aQXL3 RT @cicada_colon “科学の力でうんこコーヒーを見分ける - 蝉コロン”
2013-08-26 11:21:39すいません、古いツイートがtogetterで拾えなかったのでリンクです。この論文についてすでに言及されてた模様。
そういえば、コピルワクの歴史については、あまり真面目に検証したことがなかったな。大本にあるのが、インドネシアでのコーヒーの植民地栽培があるのは確かで、恐らくアフリカにおける、アラビカ種のジャコウネコ伝播伝説がそれに絡んでくるのだろうけど。
2013-08-26 12:15:27今回の論文について
今朝のルワクコーヒーの話。あのデータを「ルワクの本物/偽物の区別に使えるか」と言うのは、おそらく無理だろう。特に、リンゴ酸やクエン酸の量や量比は、生産場所による違いや、他の精製方法による変動が大きい。あの論文で使われた程度のサンプル比較の結果では、まず指標には使えない。
2013-08-26 22:52:31サンプルとしては「インドネシアで、アラビカ種/ロブスタ種のどちらか and ルワク精製か他の精製方法か」で、合計21種類。おそらく、インドネシアでのサンプル入手として考えられる中ではかなり高いレベルだろうけど、それでもあかんだろう。
2013-08-26 22:59:20ただしイノシトール/ピログルタミン酸の方は、指標にできるかどうか未知数。ここらへんはそもそも他の論文での解析結果が少ない。でも、それが少ないということは、同時にマーカーにはなっても、香味との関係は少ない可能性を示唆してる面もあって。
2013-08-26 23:02:41そもそもコピルアク
オランダ植民地時代のインドネシアのコーヒー強制栽培について、最も良く知られた文献の一つが、ムルタトゥーリの『マックス・ハーフェラール』(1860)だが、これにコピ・ルアクに該当する記述は無い。
2013-08-26 23:14:09「マックス・ハーフェラール」は文学作品としての側面が大きいが、学術的な史料としては1957に出版されたJS Cramer "A Review of Literature of Coffee Research in Indonesia" http://t.co/tnRoQqYlBi
2013-08-26 23:19:33承前)Cramerは、19世紀末から20世紀半ばにかけてJavaで活躍した植物学者であり、現地農園の責任者でもあった。この文献は17世紀から20世紀前半のインドネシアのコーヒー栽培を網羅しているが、これにもコピルワクの記述はない。
2013-08-26 23:21:54一方、ジャコウネコとコーヒーの関係については、19世紀エチオピアの文献にある。このエピソードは、ワインバーグ『カフェイン大全』にも引用されてて、そこでもこのエピソードとコピルワクの話の関連性は指摘されている。
2013-08-26 23:25:00元になっている文献は、Krapfが1860年に書いた"Travels, Researches, and Missionary Labours, During an Eighteen Years' Residence in Eastern Africa" p.47
2013-08-26 23:27:25ちなみにこの文献も、今はオンラインで入手可能。 http://t.co/W6XzDEgiUO p.47に書かれている「アラビアの言い伝えによれば、ジャコウネコ(civet-cat)がコーヒー豆を(エチオピアの)アルシやイッタ=ガラの山に運んできた」というのが、それ。
2013-08-26 23:30:18エチオピアに生息するジャコウネコの一種(African civet cat)が、コーヒーノキに登って実を食べているところを目撃した、という昔の情報もどっかにあったはずで、そこからこの伝説が補強されると同時に「ジャコウネコがコーヒーの実を食べる」という話が広まった。
2013-08-26 23:32:57