茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1018回「米軍は、いつから介入するのか」

脳科学者・茂木健一郎さんの8月28日の連続ツイート。 本日は、今朝の国際ニュースについて。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第1018回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、今朝の国際ニュースについて。

2013-08-28 07:23:29
茂木健一郎 @kenichiromogi

べい(1)シリア情勢が緊迫している。化学兵器の使用の証拠が見つかったとして、米軍は、29日にもミサイル攻撃をする見込みである。英国のキャメロン首相も、ターゲットを限定すべきだとしつつ、同調。これを機会に、「米軍は、いつ攻撃するのか」という問題について、考えてみたい。

2013-08-28 07:25:22
茂木健一郎 @kenichiromogi

べい(2)まず、人道的な危機や、国際的な基準から見た正義が脅かされた時にその国を攻撃するわけではないことは確かである。例えば、中国の文化大革命で多くの人命が失われた時や、北朝鮮の中で無数の政治犯が出たとしても、米軍は決して攻撃しない。

2013-08-28 07:26:57
茂木健一郎 @kenichiromogi

べい(3)そもそも、人道的な危機が存在する、ということだけでは米軍が動かないことは明白である。エジプトでも、政府軍がデモ隊に発砲して多数の犠牲者が出て、人道的な危機であったが、米軍は介入しなかった。アフリカの内戦の多くにも、米軍は介入しようとしない。

2013-08-28 07:28:20
茂木健一郎 @kenichiromogi

べい(4)米軍が介入する際は、今回のシリア政府による化学兵器の使用のように、何らかの「国際的な基準に基づく正義」が理由として援用されることが多いが、実際には、それは必要条件でも十分条件ではない。むしろ、複数のパラメータを考慮した総合的判断から、介入を決めているように見える。

2013-08-28 07:29:55
茂木健一郎 @kenichiromogi

べい(5)例えば、天然資源。イラクに米軍が介入した背景には、その国内の豊富な原油の埋蔵量があるとされるが、シリアにも原油がある。しかもアメリカによる禁輸措置で活かされていない現状である。もし、米国がシリアに影響力を及ぼせるような状態になれば、米企業を中心に多大な利益を得る。

2013-08-28 07:32:19
茂木健一郎 @kenichiromogi

べい(6)そして、地政学的な重要性。シリアは、米国の友好国イスラエルに近いだけでなく、石油資源や経済発展により米国の利益にかかわる中東地域に対して米国の影響を及ぼす上で、重要な場所を占める。そのような国だからこそ、人道的な理由を挙げて、介入しようとするのである。

2013-08-28 07:34:07
茂木健一郎 @kenichiromogi

べい(7)介入する対象国が、核兵器を持っていないことも重要な条件。北朝鮮がどんなにならず者国家であっても、米国は軍事介入しないだろう。今回、シリアに介入するのは、要するに核兵器を持たないから、叩いても、その反撃は大したことがない、という判断があるように思われる。

2013-08-28 07:35:22
茂木健一郎 @kenichiromogi

べい(8)人命が失われることは悲劇であり、化学兵器の使用は許されない。その一方で、米軍が介入する時には、そこにあるのは人道的な配慮ではなく、米国の利益を背景にした冷静な地政学的判断であるということは、認識しておきたい。人道主義は理想だが、国際政治においては一つの贅沢品なのだ。

2013-08-28 07:36:53
茂木健一郎 @kenichiromogi

べい(9)そして、米国が介入する際に必ずといって良いほどついてくる英国の存在。結局、米英を中心とする第二次世界大戦の戦勝国によって、国際秩序は依然として作られている。米英は、自分たちが世界における秩序の形成者であると暗黙のうちに前提としている。好きでも嫌いでも、それが現実である。

2013-08-28 07:38:18
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第1018回「米軍は、いつ介入するのか」でした。

2013-08-28 07:38:44

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