烏賀陽弘道@hirougaya氏、「二元論」と、取材モデルのいびつさを語る(採録)

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烏賀陽 弘道 @hirougaya

我が身を戒める意味で公開するよ。これはひどい。こんなもの、世間に出している神経を疑う。 http://www.asahi.com/shimbun/honsya/?ref=6

2010-10-01 12:48:15
烏賀陽 弘道 @hirougaya

再録1)警察、検察など捜査機関情報に報道を依存しているので、捜査機関が誤謬を犯すと報道が総崩れになる現象を「親ガメこけると子ガメ孫ガメみなこける理論」と申します。って長いがな(笑)。もっとうまい言い方募集中!!

2010-10-01 23:34:35
烏賀陽 弘道 @hirougaya

再録2)松本サリン事件河野義行さん被害事件、菅谷さん報道、村木局長報道(これは朝日の調査報道が端緒=地検に持ち込んだのでしょう)、すべて「親ガメこければみなこける現象」だったのです。捜査機関に全面情報依存しているので、情報を反証しないのです。だから捜査コケるとマスコミ総崩れ(笑)

2010-10-01 23:35:11
烏賀陽 弘道 @hirougaya

再録3)松本サリン事件河野さん報道被害事件(長いな)は1995年です。私は当時「なぜ長野県警の捜査はコケたのか」という検証をアエラで書きました。答えは「捜査員がサリンについての化学知識がなかったから」「捜査員は学習したが、指揮官が無知なままだった」。

2010-10-01 23:35:52
烏賀陽 弘道 @hirougaya

再録4)捜査員が化学のレクチャーを受けた大学の先生を探し当てて話を聞いたら、想像を絶する「初級レベルがわかっていなかった」と聞いた。

2010-10-01 23:36:28
烏賀陽 弘道 @hirougaya

再録5)あのとき神奈川大学の常石なんとか教授が「サリンはバケツでも作れる」なんてコメントを朝日新聞に出していた。あれは教授の本意じゃなかったのだろう…と信じたいですなあ。(笑)

2010-10-01 23:36:56
烏賀陽 弘道 @hirougaya

再録6)サリンは霧の一滴が皮膚に蒸着しても即死するって猛毒物質です。サリン製造の難しさは「どうしたら作った人間が死なないようにするか」ということなんです。

2010-10-01 23:37:46
烏賀陽 弘道 @hirougaya

再録7)だから、松本市の民家で、素人が庭でサリンを調合するなんてありえない。物理的にありえない。サイエンスとしてありえない。合理的に考えてみれば、河野さんは絶対にサリン製造者じゃない。

2010-10-01 23:38:14
烏賀陽 弘道 @hirougaya

再録8)でもメディアの判断は狂った。全員間違った。ぼくは事件のあと河野さんを訪ねて、企業マスコミや記者個人からの「詫び状」を全部見せてもらった。いま、震え上がっている記者、いるでしょ?(笑)95年ごろ長野支局や松本支局にお勤めだった、あなたです(笑)。まだ在社してますか?

2010-10-01 23:38:49
烏賀陽 弘道 @hirougaya

再録9)脱線した。それほど「警察情報」(検察情報)の持つ磁場のゆがみは強い。秘密主義にすればするほど、中がわからなくなるほど、「向こう側は何か想像を絶する秘密を握っているのかもしれない」という妄想が膨らむのだ。

2010-10-01 23:39:48
烏賀陽 弘道 @hirougaya

再録10)こういう記者の妄想こそ捜査機関の思うつぼ。勝手に断片情報を膨らませて想像半分の「特ダネ」を書きまくるから。

2010-10-01 23:40:39
烏賀陽 弘道 @hirougaya

再録11)あのとき、産経新聞が「松本サリン事件直前に、タクシーに乗った男が『これかれあすごいことになる』と話した」という馬鹿なヨタ記事を書いた。フィクション、妄想だ。

2010-10-01 23:41:06
烏賀陽 弘道 @hirougaya

再録12)長野県警は、河野さんを拘束したあと、その産経の記事を見せて「これはお前だ」「警察はわかっているのだ」と怒鳴り上げた。あの産経の記事を書いた記者がこのツイートを読んでいるなら、言う。あなたに良心があるなら、ただちにペンを折りなさい。あなたは記者を名乗る資格はない。

2010-10-01 23:41:49
烏賀陽 弘道 @hirougaya

再録13)しかし、捜査機関の情報なんて、実はふたをあけてみればたいしたことはない。結局、ヒューミット(人間がもたらす情報)なんだから、人間のできることでしかないのだ。今回の検察の証拠偽造事件はそれを教えてくれる。

2010-10-01 23:42:34
烏賀陽 弘道 @hirougaya

再録14)ひとつマスメディアの捜査機関取材記者が妄想を抱くのは「おれたちには逮捕権や家宅捜査権がない。彼らにはある」という「欠損感」である。何か拘留中の被疑者が核心に関係する供述をしている、動かぬ物証があった、「かもしれない」という恐怖だ。

2010-10-01 23:43:06
烏賀陽 弘道 @hirougaya

再録15)それを知るために、捜査員や検事の家に朝晩行って「何かありましたか」と聞く作業になる。捜査情報が開示されない(情報公開法が徹底しても、捜査情報は例外にせざるをえないだろう)と、この「構造的欠損から来る恐怖」「恐怖から来る妄想」jはなくらない。

2010-10-01 23:43:37
烏賀陽 弘道 @hirougaya

再録16)ここから、馬鹿げた「特ダネ」合戦が生まれる。要は「当事者を勾留し」「証拠を押収する」ことができる連中が知り、秘密にしている情報こそが「特ダネ」としてもてはやされるのだ。

2010-10-01 23:44:00
烏賀陽 弘道 @hirougaya

再録17)そうなると、安直な勾留、接見禁止、代用監獄(警察の留置書を検察の拘置所代わりに使うこと)を廃止するだけでも、状況はずいぶんかわる。「秘密主義」を破壊してしまうのだ。

2010-10-01 23:44:25
烏賀陽 弘道 @hirougaya

再録18)例えば、逮捕された被疑者を会見させてしまえばどうですか。暴論かな。昔はやってたんですよ!名張ブドウ酒事件とか、逮捕された被疑者が記者会見してるもんね。1950〜60年代はけっこうやってますよ。「護送中の犯人某に列車中会見」とかね(笑)。

2010-10-01 23:45:05
烏賀陽 弘道 @hirougaya

再録19)もちろん、オープン化した会見でね。記者クラブが独占しちゃダメよ。被害者の家族が復讐できないように、セキュリティ対策がある会場でやる。とすると、やっぱり警察署とか検察庁舎か?「逮捕された村木局長、無実を訴える」なんて記事があったら、今回みたいな愚行は起きなかったのでは。

2010-10-01 23:45:41
烏賀陽 弘道 @hirougaya

再録20)松本サリン事件では、河野さんは会見しています。でもバイアス満々のマスコミは「あやしい」というニュアンスで報道している。しかし、やらないよりずっとマシ。「人前に出て潔白を主張する」という行動そのものがメッセージを放つから。

2010-10-01 23:46:20
烏賀陽 弘道 @hirougaya

再録21)今ならニコニコ動画もダダ漏れもあるし、「逮捕された村木局長、涙ながらに無関係を主張〜ノーカット放送」なんてできる。見た人が判断すればいい。「これは、あやしい」とか「これはシロだ」とか。

2010-10-01 23:47:11
烏賀陽 弘道 @hirougaya

再録22)ぼくが警察や検察に逮捕されたら「会見させてくれ!」って言うだろう。あ、食い逃げの現行犯だとかだと恥ずかしいなあ(笑)。

2010-10-01 23:47:37
烏賀陽 弘道 @hirougaya

再録23)やっぱりやらないかも(笑)。

2010-10-01 23:48:00
烏賀陽 弘道 @hirougaya

再録24)暴論暴言、すみません。でも、それくらいやらないともう日本は捜査機関は信用できない、報道も信用できないで、パブリックシステム総崩れですよ。こっから先はカオスですわ。

2010-10-01 23:48:33