空想の街・ハンツピィの宴 ２日目

ハコ @amenohakoniwa

昨夜、いや昨日の朝か。灯りを点けたまま眠ってしまって、夕刻に起きた時にはカゲネズミに工房内の影をしこたま喰われてしまっていた。お蔭で今夜は仕事がまるで出来なかった。全てが、明る過ぎるのだ。透明な硝子の形はその陰で捉えるものだけど、こう眩しくちゃね。 #空想の街 #地下の硝子屋

ハコ @amenohakoniwa

結局、何も作れないのだから丁度良かったんだ。地下とは思えないほど眩しすぎる工房から外に避難したハコは水路を眺めながらそんな風に考えてみたりする。白み始めた朝の空に煙草の煙を薄く吐く。だけど。悔しいのだ。自分に、いちばん、自分が。 #空想の街 #地下の硝子屋

ハコ @amenohakoniwa

ひどい落書きだけどイメージ。橋を渡るとミゼン駅の方。地下への階段降りて直ぐの所の壁にポストと一応表札がある。地下まで小さなすべり台が続いていて郵便物は地下まで行かなくてもスムーズに配達される。 #空想の街 #地下の硝子屋 http://t.co/x6PGJoMuhr

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チーズトースト @_urt

#うどん屋　の朝は早い。既に床を脱け出したセイはいつものようにひっそり、すずねと語らっている。今朝は、そろそろ西川椅子工房のケイちゃんが、ヨウコちゃんを連れて「ころうどんが食べたーい」なんて来る頃じゃないかと噂した。 @_kumoyuki_ ＃空想の街

チーズトースト @_urt

＃うどん屋「ころうどん」はどうも昔ヨウコちゃんが住んでいたところで食べていた“地元の味”というのだろうか――要は冷たい汁のぶっかけうどんなのだが、二人にせがまれて特別にあしらえた。以来、二人はたまに「ころうどん」を食べにくる。＃空想の街 @_kumoyuki_

チーズトースト @_urt

朝焼けをうつすくじらの瀬の上はなにも知らない鳥が飛びたつ *tanka *swtanka ＃空想の街 http://t.co/ndvJOgO9C5

さく @miriasaku

じりりりりりりん！「ん…？」どこか耳障りな音でモモは目を覚ました。白い天井、女の子らしい部屋。ええと、ここはどこだっけ…。「わ、わっ、あ、ごごごごめんね！」モモがぼんやりしていると慌ただしい声がふってきた。彼女は…そうだ、しぃちゃん。 #空想の街 #途切れ音

さく @miriasaku

「今早く起きる必要なかったのに…ううう、起こしちゃったね、ごめんねモモちゃん」ベッドの上から身を乗り出して少女が申しわけなさそうにしていた。「ううん、いいの」…あいつは、どうしてんのかな。 #空想の街 #途切れ音

さく @miriasaku

昨日。あのあとモモとキオのふたりは森を彷徨っていた。日が高くなり、気温も上がってくる。「…人、いないね」「喉はからからだしおなかも空いたし…このまま死ぬんですかね」「さ、さらっと怖いこと言わないでよー！」『ーーーー』「！」「きっともうすんぐぐっ」「黙って」 #空想の街 #途切れ音

さく @miriasaku

モモはキオの口をふさいで耳を澄ました。「何か聞こえる…」『ーーーー』「なにかのアナウンス…？」何を言っているかまでは聞こえなかったが、確かに声がした。「ぷは！ーーってことは人がいるよ！カゲネズミ？がどうとか言ってたけどなんだろう」「…随分と耳いいんですね」 #空想の街 #途切れ音

さく @miriasaku

「音は向こうから聞こえたよ」キオは足を進め、モモはそれについて行く。「…任せます」「信じてくれるんだ？」振り返らないでキオは言った。「耳、いいのはたしかみたいですし」「そんなに警戒しないでほしいなー。敬語もやめない？」「そうだね、ごめん」 #空想の街 #途切れ音

さく @miriasaku

「あ、いや、謝らなくていいんだ。警戒するのだって当たり前だろうから…」「そうじゃなくて…、なんだろう、なんて言って良いかわからないけど、キオのせいじゃないの」「？」心のずーっと深いところ、きっと今はもう関係ないはずのなにか。そこがキオを嫌悪していた。 #空想の街 #途切れ音

さく @miriasaku

彼を嫌ってはいけない気がした。よくわからない、自分の気持ちとは関係ないところで好き嫌いを決められているようだったから。「さ、行こう」「モモ、そっちじゃなくてこっち」 #空想の街 #途切れ音

天音稲荷神社公式@天音姫 @sirokitune_miko

【空想の街の狐・今までのあらすじ】人間嫌いだった狐の少女あまねは優しい空想の街の人たちに囲まれ、過ごしていくうちに人間が大好きになりました。実の叔母の綾乃さんのおかげでお母さんとも再会し今ではフラワーショップ「ハーヴェスト」で働き幸せな日々を送っています。＃空想の街　＃狐

天音稲荷神社公式@天音姫 @sirokitune_miko

【空想の街の狐】※注意今回は都合により時間設定など無視して投下します。 なお今回のお話には、一部暴力的な表現や残酷な描写があるかもしれません。　＃空想の街　＃狐

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【空想の街の狐】こんにちは。あまねです。皆さんはどうお過ごしでしょうか？あたしは優しい人たちに囲まれて、今もこの街で暮らしています。今日はうどん屋さんの倅のテル君と一緒に森へ《ポムの星》を取りに行きます。　＃空想の街　＃狐　＃うどん屋

天音稲荷神社公式@天音姫 @sirokitune_miko

ポムの星は《ハンツピィの宴》というお祭りに使われる実で森で取れるんだ。この実を食べた人間は一定の時間だけ獣の耳と尻尾が生えるんだって、何の獣になるかはランダムらしい。あたしは初めての参加なので見た事はないんだけどね。　＃空想の街　＃狐　＃うどん屋

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ポムの星は街でも配られているの。え？なんでわざわざ森に取りに行くんだ？って？それはね森にピクニックがてら取りに行こうって事になったの。簡単な話デートです。えへへ♪みんなにはまだ言ってなかったね。あたしとテル君は今付き合っています。　＃空想の街　＃狐　＃うどん屋

天音稲荷神社公式@天音姫 @sirokitune_miko

あたしとテル君が付き合う事になったお話はまた今度機会があればお話ししますね。そんなわけであたしは今うどん屋さんに向かってます。夏も終わりかけて秋が見え始め暑さも幾分弱くなって、過ごしやすくなった街をあたしは尻尾も耳も隠さずに闊歩していく。　＃空想の街　＃狐　＃うどん屋

さく @miriasaku

「これ、道かな？」木や草がひたすら生えていた場所から、土を固めただけの道へ出た。「じゃあこれを辿っていけば…」「やったね、モモ」にこり、笑ってモモは頷いた。「あれ、木の実、かなあ。おいしそう」キオが指差す先、その木にはたわわな実がなっていた。「石榴？」 #空想の街 #途切れ音

さく @miriasaku

「ざくろ…っていうの？」「それに似てる」「モモ詳しいねえ」「いや、これくらいは…」「おいしいの？」「甘酸っぱくておいしいよ」「……おなか、すいたよね」「…そうだね」「………よし！」キオは木に近づいて、手を伸ばした。 #空想の街 #途切れ音

さく @miriasaku

「待って！！！」 #空想の街 #途切れ音

さく @miriasaku

森の奥から声が聞こえたとおもったら、少女が勢いよく駆けてきた。「だ、だめです！今日は、ま、まだ３０日、ですよ！」息をきらしながら少女が言うのをモモはぽかんとしながら、反対にキオは嬉しそうに見ていた。「それはどうい…」「人だー！！」 #空想の街 #途切れ音

さく @miriasaku

「え？え？」「よよ、よかったー！やっと人に！あえた！」キオは少女のてを取ってぶんぶんとふる。「きーお、困ってるよ、離してあげて。……あの、変なことを聞きますが、記憶喪失…じゃないですよね？」「？あ、は、はい、大丈夫です」その答えを聞いてふたりは安堵する。 #空想の街 #途切れ音

天音稲荷神社公式@天音姫 @sirokitune_miko

しばらくするとうどん屋さんが見えてくる。南区のきつね橋のすぐ傍にあるうどん屋さん。看板はとても古くて字が読めない。だからみんなはきつね橋のうどん屋さんって呼んでるんだ。あたしはうどん屋さんの前まで来るとがらがらがらっと勢いよく扉を開けた。　＃空想の街　＃狐　＃うどん屋