同志社大大学院・内藤正典教授が語るシリア情勢~氏が武力行使を支持する理由

内藤正典氏@masanorinaitoについては以下を参照。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%85%E8%97%A4%E6%AD%A3%E5%85%B8 http://global-studies.doshisha.ac.jp/teach/teach1_g_naito.html 「抵抗する民衆を無視し、悪だけど、アサドにやらせておけばいい、というような主張は、ナチスも悪だけど、自分の国でユダヤ人をどうしようが関係ないというに等しい。私は、それぐらいの人道の危機が、いま、シリアで起きていると認識している。」 「前の戦争(イラク戦争)が間違っていたのは確かだが、シリアに対して沈黙することは、人道への罪に加担するに等しい。普遍的な反戦を主張する人に対して、批判するつもりはない。しかし、シリアの現実は、介入なしにこれ以上の犠牲者の増大を食い止めることはできない」
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masanorinaito @masanorinaito

嫌なシナリオ。アサド政権を叩くところまではNATO、ヌスラ戦線を潰すところはイスラエルで、分業。

2013-08-27 07:13:39
masanorinaito @masanorinaito

ロシアは出ないだろうが(出たら第三次世界大戦)、イランがアサド政権崩壊でも彼らの残党を支援するとひどく厄介なことになる。イランが強硬策に出た場合、実のところ、アメリカもNATOも、イランと正面衝突することは避けたい。イランも、自国防衛ならやるだろうがシリアと命運を共にする気はない

2013-08-27 07:19:09
masanorinaito @masanorinaito

イラン(シーア派)がシリアに足場を残したいのは、レバノンのヒズブッラー(シーア派)を介してイスラエルと渡り合うため。アサドが消えると、ヒズブッラーへの補給路が絶たれ、イスラエルは安堵する。

2013-08-27 07:22:24
masanorinaito @masanorinaito

しかしシリア国内にヒズブッラーが入っているため、欧米主導の軍事介入ではヌスラだけでなくヒズブッラーも叩かなければならない。首都ダマスカスを攻撃すると人口が集中しており、甚大な被害がでる。これをしないと軍事介入の意味はない。アレッポ地域は、政府側、反政府側が入り乱れていて難しい

2013-08-27 07:23:55

   ◆  ◆  ◆

masanorinaito @masanorinaito

シリア攻撃は、イラク戦争よりもはるかに周辺国への影響が大きい。背後にいるロシアやイランの動きも複雑に絡むから米政府も簡単には決断できない。ただ、艦隊からのミサイルによる攻撃は可能性がある。地上部隊派遣はしないだろう。どっちが化学兵器を使ったかの問題ではないという見解があちこちから

2013-08-28 00:21:50
masanorinaito @masanorinaito

出ているが、これは政権側、反政府側のいずれかの責任を追及せずに攻撃する可能性を示唆している。ということは、双方に犠牲がでるかたちでの攻撃で、一般市民に多数の犠牲がでる可能性が高い。政権側は市民のなかに紛れ込むが、中枢部を叩けるかどうかが鍵。指揮命令系統を破壊するには、確実にアサド

2013-08-28 00:24:02
masanorinaito @masanorinaito

大統領一族と軍首脳、情報警察首脳を殺害しないと作戦上の意味が乏しい。しかし、これは極めて困難。リビヤのカッダーフィ政権をつぶしたときのやり方だが、現地の内部情報をイスラエルが提供して、NATO軍が正確に叩けるかどうか。いずれにしても、シリアはその後大混乱となるから平和への道には

2013-08-28 00:28:15
masanorinaito @masanorinaito

シリア攻撃には、変数が多すぎる。

2013-08-28 08:06:30
masanorinaito @masanorinaito

しかし、シリア内線を「話し合い」で解決に導くことは、ほぼ不可能。30年前のムスリム同胞団とアサド政権(父のハーフィズ)との抗争の際にも、ここまで残虐な行為ができるのかというのを目の当たりにした。平時においても、相互監視と拷問の繰り返し。国連だろうが、アムネスティだろうが、

2013-08-28 08:10:04
masanorinaito @masanorinaito

一切、ものともせずに、政権に刃向う勢力を根絶やしにした。だからこそ、「アラブの春」はシリアには波及しないと思っていた。30年前の残忍な記憶を封印し続けた市民が、再び、アサド政権に抵抗することは考えにくかったからである。それが現実のものとなり、二年にわたって内戦に陥り、出口がない

2013-08-28 08:12:12
masanorinaito @masanorinaito

湾岸戦争の時も、アフガン侵攻も、イラク戦争も、私は支持しなかった。しかし、シリア内線だけは、終結する可能性は一切ないと言ってよい。すでに、近隣諸国だけでなく、ロシア、イラン、中国、北朝鮮、レバノンのシーア派がアサド政権側を支援しているし、反体制派はトルコ、サウジ、カタルなどから

2013-08-28 08:14:14
masanorinaito @masanorinaito

それに、欧米諸国からも支援を受けている。この状況で膠着状態に陥り、かつ、化学兵器が使われてしまった今、残念ながら、勢力の均衡をやぶって、どちらかに傾かせる以外に方策はない。しかし、その一方で、NATOとアラブ諸国のいくつかが参加するような形でアサド政権側を攻撃すれば、

2013-08-28 08:16:01
masanorinaito @masanorinaito

イランは、別のかたちで報復してくる。そこにイスラエルが乗り込んでくると、中東は収拾のつかない戦場と化す危険がある。前にも書いた通り、イスラエルは、アサド政権がじっとしていてくれるのが最善だった。しかし内戦になり、反アサド側にアル・カイダ系列のヌスラ戦線が加わり、チェチェン等の

2013-08-28 08:17:32
masanorinaito @masanorinaito

義勇兵も加わり、アサド政権側を支援するためにレバノンのヒズブッラーが参戦してしまった今、イスラエルは、アサド政権+ヒズブッラー+ヌスラ戦線をすべて倒さないと安全保障上の脅威は消えないとみている。しかし、すべてを攻撃するということは、すなわちシリア全土を焦土と化すということになる

2013-08-28 08:19:25
masanorinaito @masanorinaito

「話し合いによる解決」はどうみても不可能である。しかし、他国が参戦した場合もまた、シリアが焦土と化す危険に加えて、イランがペルシャ湾の安全を脅かし、イスラエルが総力戦に出れば、パレスチナ自治政府はもたない。アル・カイダの拠点イエメンは統治不能に陥り、エジプトも一気に流動化する。

2013-08-28 08:22:18
masanorinaito @masanorinaito

その瀬戸際に世界は立たされていることを認識しなければならない

2013-08-28 08:24:15
masanorinaito @masanorinaito

アサド政権は、絶対に、まっとうな意味での「和平交渉」には応じない。虐殺の責任などという言葉は、アサドの辞書にはないからである。交渉に応じたら最後、確実に殲滅されるという恐怖を活力源にしている政権であることを忘れてはならない。

2013-08-28 08:29:52

  ◆  ◆  ◆

masanorinaito @masanorinaito

トルコ外相、国会に対して、シリア攻撃に関する権能を政府に委託する手続きの開始を示唆。そうなると、国会は与党が圧倒的に強いから決議のうえ、政府に全権委任し、次に、政府が軍に出撃命令を下すという手順になる。トルコ政府はシリア国境地域に緩衝地帯を設置することを検討している

2013-08-28 08:33:54
masanorinaito @masanorinaito

湾岸戦争の時にも、イラク戦争の時にも感じたが、戦争の前というのは奇妙な沈黙と静寂がある。その域に入ったかもしれない。

2013-08-28 16:59:14
masanorinaito @masanorinaito

にわかにトルコの報道が騒がしくなってきた。これまで、トルコ軍は湾岸戦争、アフガン侵攻、イラク戦争のすべてに参戦しなかった。今回初めて、軍事行動に参加する可能性が出てきた。しかし、孤立しないこと、安全保障上の具体的脅威、国益に適うの3点を満たさないと難しい。

2013-08-28 20:37:48
masanorinaito @masanorinaito

良い悪いは別として、意味があるかないかも別として、トルコの報道機関は、シリア、エジプト、クルド問題、イラン、米国の外交、EUの政策etc.について、すぐに、かなり時間をとって報道する。政治家も、日本の政治家に比べてはるかに自分の言葉で、長時間の討論番組などに参加する。

2013-08-28 20:40:04
masanorinaito @masanorinaito

トルコでの報道は、ほぼ攻撃開始の線でまとまっているが、政府が国会を招集しないと話は進まない。まだ、水面下ですさまじい駆け引きをしている様子。米政府とも情報の共有がなされる。米政府と情報共有のうえで作戦行動をするのは、2008年のイラクへの越境攻撃でPKK拠点を叩いたとき以来

2013-08-28 22:53:04
masanorinaito @masanorinaito

シリアへの攻撃の場合、米国は明らかに乗り気じゃない。イスラエルの安全保障のために(これは隠すが)というのが作戦遂行上の最大の関心。特に、仮にアサド政権を潰したとして、「その後」に介入すると泥沼になるから、これはやらないだろう。そこに、近隣国を集めて干渉させる方式が浮かび上がる

2013-08-28 22:58:17
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