同志社大大学院・内藤正典教授が語るシリア情勢~氏が武力行使を支持する理由

内藤正典氏@masanorinaitoについては以下を参照。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%85%E8%97%A4%E6%AD%A3%E5%85%B8 http://global-studies.doshisha.ac.jp/teach/teach1_g_naito.html 「抵抗する民衆を無視し、悪だけど、アサドにやらせておけばいい、というような主張は、ナチスも悪だけど、自分の国でユダヤ人をどうしようが関係ないというに等しい。私は、それぐらいの人道の危機が、いま、シリアで起きていると認識している。」 「前の戦争(イラク戦争)が間違っていたのは確かだが、シリアに対して沈黙することは、人道への罪に加担するに等しい。普遍的な反戦を主張する人に対して、批判するつもりはない。しかし、シリアの現実は、介入なしにこれ以上の犠牲者の増大を食い止めることはできない」
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masanorinaito @masanorinaito

カシオン山には巨大な地下貯水池があり、昔から高射砲やミサイルが設置されていた。この貯水池はダマスカスの生命線。市内への水供給はここから高低差を利用して流される。

2013-08-31 05:54:14
masanorinaito @masanorinaito

カシオン山から発射されたことが特定されているなら、対シリア攻撃の際に、ここを叩く可能性が出てくる。もし、カシオン山の貯水池が崩壊すれば、ダマスカスは崩壊する。

2013-08-31 05:55:36
masanorinaito @masanorinaito

今考えると、どうしてこの地下貯水池を私が見たのか、不思議である。軍事上、かなりの機密ではないかと思うのだが、公共事業水資源省の案内で内部を見学した。すさまじい轟音とともに、レバノン側から地下水道を通じて流れてくる地下水が、カシオン山の中腹に貯められていた。

2013-08-31 05:59:14
masanorinaito @masanorinaito

ここを叩くつもりか?人的被害は少ないが、都市機能は崩壊する。

2013-08-31 06:00:18
masanorinaito @masanorinaito

スカッドなどのミサイルはすでに移設されたはずだが、カシオン山を動かすことはできない。降水量100ミリ前後のこの地域で水源を攻撃すると、都市住民は生きていけない。

2013-08-31 06:01:46

  ◆  ◆  ◆

masanorinaito @masanorinaito

シリアの現状で大きな懸念があるのは、政権側についているヒズブッラーが、どういう攻撃をするか不明な点。彼らがヌスラ戦線や自由シリア軍と戦っている分にはかまわないが、市民に対する残虐行為をシリア人に代わって行う可能性は否定できない。

2013-08-31 06:05:13
masanorinaito @masanorinaito

↓エルドアン首相は、時限的な攻撃では不十分であると発言。国際社会ではトルコが最も厳しく軍事攻撃の可能性を示唆しているが、現実には、何らかの国際協調がない限りトルコ軍は出ない。アメリカとの、いくつかの国が参加しての攻撃になるだろう。

2013-08-31 06:12:23
masanorinaito @masanorinaito

日本での議論では、イラク戦争の例から、アメリカを単に中東での覇権を狙う暴力的な国とみなす反米的な視点と、最大の軍事国家として安全保障上欠くべからず国とみなす視点とが対立しやすい。しかし、シリア情勢をめぐってはアメリカへの親米、反米感情から見ることは全く無意味である

2013-08-31 06:22:47
masanorinaito @masanorinaito

アメリカ政府は、アサド政権に対して懸念を深めているものの、長いアサド政権との暗黙の合意から、これを倒してイスラーム主義勢力が台頭することを決して歓迎しない。暗黙の合意とは、冷戦時代、シリアのバックにはソ連がついていながら、シリアはアメリカとの協調路線をとっていたことである。

2013-08-31 06:24:09
masanorinaito @masanorinaito

同時に、アサド政権は73年の第四次中東戦争以来、宿敵と叫び続けたイスラエルと、一切、戦おうとしていない。レバノンに乗り込んで小規模に衝突した以外。ということは、アメリカにとってアサド政権というのは、「敵」ではあっても、総じて「無害な敵」だったのである。

2013-08-31 06:28:22
masanorinaito @masanorinaito

前にも書いたが、ソ連が崩壊し、湾岸危機が起きるとシリアはさっさとアメリカについて多国籍軍の一翼を担ったのである。それまで、毎日毎日、国営放送はアメリカ帝国主義打倒と叫んでいたのに。

2013-08-31 06:26:10
masanorinaito @masanorinaito

そこに「アラブの春」が波及して、内戦に陥った。内戦が激化すればするほど、アメリカは、アサド政権から距離を置き始めたものの、さりとて、アル・カイダと同盟関係にあるヌスラ戦線を勝たせるわけにも、絶対にいかないというジレンマに陥っている。

2013-08-31 06:30:33
masanorinaito @masanorinaito

だからアメリカの態度が煮え切らないのである。攻撃するにしても、限定的なもので、地上部隊は送らず、深入りせず、空爆だけにとどめようとしている。できれば、アサド政権軍とヌスラとヒズボラを一緒に叩いてしまいたいだろうが、それは困難を極める。イスラエルの思惑も同じ

2013-08-31 06:32:47
masanorinaito @masanorinaito

トルコは、アメリカに追随していない。トルコがシリア攻撃を主張するのは、スンニー派のイスラーム主義政権として当然のこと。スンニー派世界でのリーダーを志向するゆえに、スンニー派ムスリムにとって「言語道断の非道」であるアサド政権を倒すべきと考えている。

2013-08-31 06:34:59
masanorinaito @masanorinaito

しかしトルコ国内で、5~6月に活発化した反政府運動が、シリアへの介入で再燃することを政府は恐れてもいる。従って、攻撃の正当性が相当に担保されないと、介入は難しいのである。

2013-08-31 06:36:28
masanorinaito @masanorinaito

従来の、アメリカの暴力性に対する批判は、今回、シリアのアサド政権を攻撃することではなく、アサド政権を放置することに対して向けなければならない。日本では、なかなか理解を得られないことを承知で言う。

2013-08-31 06:39:54
masanorinaito @masanorinaito

先に書いた通り、アメリカにとってアサド政権というのは「吼えるだけで無害な独裁国家」だったからである。イスラエルにとって脅威でない限り、アメリカはこの国を亡き者にする理由がなかった。

2013-08-31 06:41:36
masanorinaito @masanorinaito

日本にも、トルコにもあるが、アサド政権への攻撃に否定的な見解というのは、結果として、アメリカの立場に似ているのである。

2013-08-31 06:43:15
masanorinaito @masanorinaito

トルコで、シリア攻撃に反対する人々には、アサド政権の中枢がアラウィ派であってスンニー派ではないことに対するシンパシーがある。トルコの世俗派のなかにあるイスラーム・フォビアの典型的事例である。

2013-08-31 06:51:26
masanorinaito @masanorinaito

アサド政権が倒れて、ヌスラ戦線のようなイスラーム主義過激派が台頭したらどうするのだ?、とトルコの世俗派知識人は必ず言う。何度でも言うが、仁義も倫理もないシリア内線において、唯一、法の支配(イスラーム法)を受け入れているのはヌスラ戦線だけなのである。

2013-08-31 06:54:00
masanorinaito @masanorinaito

これはイスラームに対する好き嫌いの問題を超越する。ただし、ヌスラがタリバンがかつて犯したとの同じ過ち、すなわち、十分なイスラーム法の知識なしに人を裁いたり、処刑したりということをするならば、ムスリムといえども、決してヌスラを支持しない。これも現実である。

2013-08-31 06:56:05
masanorinaito @masanorinaito

これはイスラームに対する好き嫌いの問題を超越する。ただし、ヌスラがタリバンがかつて犯したとの同じ過ち、すなわち、十分なイスラーム法の知識なしに人を裁いたり、処刑したりということをするならば、ムスリムといえども、決してヌスラを支持しない。これも現実である。

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