20130831大阪弁護士会の秘密保全法シンポジウム
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①8・31大阪弁護士会の秘密保全法反対シンポジウム「知る権利が危ない!Part3 秘密保全法と憲法改悪の狙い」の報告。参加者は150人よりもっといたように思います。
2013-09-03 00:41:23②太田健義弁護士からの秘密保全法の概要説明。秘密指定期間の「更新制」は、更新を繰り返し恒久的な指定の危険。また特定秘密の範囲を「テロ防止」「外国の利益を図る目的での安全脅威活動の防止」と言いかえても依然範囲の特定は困難。ムスリム監視や米国NSAのような個人情報収集を許しかねない。
2013-09-03 00:42:50③次に、江川紹子さんによる報告。神奈川新聞記者時代の1980年代、国家秘密法専門取材班として、1年にわたり3部作の連載(『「言論」が危うい』という本として出版)。神奈川の軍需産業と秘密、戦時下の神奈川新聞の報道の検証、言論弾圧事件である横浜事件の検証。
2013-09-03 00:43:07④当時、草の根運動として周到に用意された国家秘密法制定の動き。全国の地方議会で法制定を求める決議。跳ね返したのは、日弁連や新聞協会、野党による反対運動、「報道機関除外」が言われ一部報道のトーンダウン後も反対の論陣を張り続けた各紙、自民党若手議員12名の連名での批判など。
2013-09-03 00:43:34⑤2001年同時多発テロ後、自衛隊法改正で「防衛秘密」ができ、秘密法が一部実現。国家秘密法制定の再びの動きは、最近いきなり出てきたわけではない。
2013-09-03 00:43:48⑥町村官房長官は最近「報道の自由確保を明確にする」などと言うが、「報道」かどうかを誰が決めるのか。今はメディアが多様化。会社所属の記者だけでなくフリーランス、あるいはブログ等で情報発信している人はどうか?報道の自由は知る権利に奉仕するもの。マスコミだけ守る、というのはおかしい。
2013-09-03 00:44:06⑦報道する人々に対し政府や警察が「邪魔」と感じると見せしめ検挙をすることがある。PC遠隔操作事件で「真犯人」を名乗る人物のメールアドレスにアクセスしたとして朝日と共同通信の記者が不正アクセス禁止法で検挙(不起訴でなく起訴猶予)。一般人でアクセスした人もいたが記者だけが検挙された。
2013-09-03 00:44:27⑧法律の条文は出来てしまえば立法目的を離れ一人歩きする。(法廷で公開された取調べ録画ビデオを可視化の必要性を報じるメディアに提供したことが)証拠の目的外使用として弁護士が地検から懲戒請求された件。もとは当事者のプライバシー保護のための規定が、検察によって形式的に適用された例。
2013-09-03 00:44:46⑨秘密保全法も、政府の都合の悪いことを隠すために使われ秘密指定される可能性。尖閣沖漁船衝突ビデオも、自分たちのやり方の稚拙さを隠すために非公開とされた。
2013-09-03 00:45:0310)法律に付帯決議がつくことがあるが無意味。神奈川新聞時代に青木日出雄氏(航空・軍事評論家)の取材。元自衛隊員の経験から戦闘機について書いたことがMDA秘密保護法違反で書類送検。MDA秘密保護法でも「表現の自由を抑圧する事態を招来しないように云々」との付帯決議がついていたのに。
2013-09-03 01:02:0711)何かの事件が立件されるようになると取材する側も萎縮、自粛。戦時中の記者によれば、検閲や発禁より問題だったのは自主規制、と。例えば戦死者の遺族の奮闘を伝える美談さえ、父も息子も死に…見ようによっては悲惨、とトップが外す。すると記者は、こういうのは載らない記事だと書かなくなる。
2013-09-03 00:46:1212)秘密保全法が作られようとしている状況を大きな流れで見る必要がある。自民党の改憲草案。一部でも解釈で実現しようとしている。秘密を作る。軍機保護法は日中戦争開始後すぐ強化。国防保安法は太平洋戦争10ヶ月前に作られた。秘密は戦争と深く結びついている。(江川さんのお話ここまで)
2013-09-03 00:46:3113)そして大阪弁護士会の有志による「壺記者のドツボな日々」と題した寸劇。毎度新聞記者が主人公。秘密保全法ができたことで「あらぬ疑いをかけられたくないので念のため一切拒否します」と広い範囲で取材を拒まれたり、担当者を飲みに誘ったら特定取得行為の疑いをかけられたり…。
2013-09-03 00:47:0314)その後、参加されていた辻元清美議員から国会状況報告。谷垣法務大臣に自民党改憲案21条2項の「公益及び公の秩序」について質問したところ「えっそんなの入ってますか」とのリアクションであった、など。憲法、原発、シリアをめぐる集団的自衛権など各方面の運動との連携が必要だと呼びかけ。
2013-09-03 00:47:1715)パネルディスカッションでは、江川さんに加え、清水雅彦准教授、臺宏士記者が加わる。コーディネーターは笠松健一弁護士。 清)これまで実際の法案の中身がわからない。法案はできているはずなのに不確かな情報に基づいてしか議論できないことがまず問題。
2013-09-03 00:47:4016) 江)適性評価に関して報告書は本人の「同意」が必要とするが、仕事している人が職場で同意を拒むことなんてできるのか。しかも現に同意なしで公務員の身辺調査を行っている現状では、実際に同意を得て行うかさえ疑問。
2013-09-03 00:48:0517) 江)取材をしていたことのある三菱電機鎌倉製作所では、20年も前からすでに、防衛分野の仕事をするには会社への申請・許可が必要で、本籍・購読新聞・家族の勤め先・友人2名の名前等、詳細な身上書の提出が必要だった。
2013-09-03 00:48:2418) 臺)今国家公務員に行われている身辺調査はカウンターインテリジェンス推進会議によるもの。第一次安倍内閣時代に導入が決まった。本人の同意を得ずに行っており問題。「適格」とされた人は防衛省だけで6万人。国家公務員全体で「不適格」とされた人数は「答えられない」と内閣官房。
2013-09-03 00:49:1919) 清)「特定取得行為」罪により、刑罰対象にマスコミが入ってくる可能性。西山事件など。夜討ち朝駆けのエスカレートが「建造物侵入」?PC遠隔操作事件関係では不正アクセスが問題となる。家庭内の会話も危ない。「どんな仕事してるの?」など聞けないおそれも。
2013-09-03 00:49:4220) 江)「独立教唆」罪は、実害が出なくても働きかけただけで犯罪とされる。何が秘密かもわからない中で色んな情報を聞き出そうとすると、「嗅ぎ回った」として罪に問われる可能性。そうなると萎縮、ブレーキの原因になる。
2013-09-03 00:50:1921) 清)10年という思い罰が科されるが、なぜ現行法では不十分なのかについて、報告書が指摘するこれまでの事例からすると説明が不十分。背景には、70年代以降の日米の軍事一体化によるアメリカの要求と、防衛庁・防衛省の思惑、さらに現在は警察庁が全面的に関与している。
2013-09-03 00:50:3922) 臺)民主党時代、尖閣ビデオと警察庁ムスリム監視情報流出で秘密保全法の検討開始、とされたが、1年足らずで有識者報告書発表。このスピードは、一貫して官僚が深く関与しているから。議事要旨をみても、事務局の準備した論点を担当者が説明、委員が意見述べる、というもの。
2013-09-03 00:51:0623) 清)さらに警察庁の関与が大きい。有識者会議の事務局は内閣情報調査室。これは警察庁・防衛省・外務省の出向者で構成。内閣情報官は警察官僚。座席表をみても官僚が会議を主導。「公共の安全及び秩序の維持」は警察法の文言と同じ。秘密保全法に関し内調と最も多く協議しているのも警察庁。
2013-09-03 00:51:2524) 臺)近年は記者よりも記者への情報提供者が処罰されてきた。これに対して報道側は、取材者と取材協力者を分断するものと批判してきたが、秘密保全法は記者自身もストレートに影響を受ける。
2013-09-03 00:51:4825) 江)西山記者事件では、法適用だけでなく、警察や検察による情報のコントロールの問題も感じた。「密かに情を通じ」という情報が出た瞬間に、世の中の雰囲気が変わった。記者への抗議。毎日新聞の不買運動。法律だけでなくこうした情報のコントロールによっても取材がやりにくくなるのでは。
2013-09-03 00:52:08