茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1023回「ネイティブは、意識しない」

脳科学者・茂木健一郎さんの9月3日の連続ツイート。 本日は、このところ、時々ふと考えていたこと。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第1023回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、このところ、時々ふと考えていたこと。

2013-09-03 08:57:29
茂木健一郎 @kenichiromogi

ねい(1)私はネットの利用についてはかなり積極的な方だと思うし、新しい技術に対する関心も高い。それでも、時々目にする「デジタル・ネイティヴ」じゃねえだろうな、くらいのことは感じていた。最初に手にしたのは大学の時のポケットコンピュータで、一生懸命ベーシックやった。

2013-09-03 08:59:04
茂木健一郎 @kenichiromogi

ねい(2)ネットの登場は大きな出来事だったわけで、だからこそ大人たちはネットの開く素晴らしい新世界を称揚したわけだけれども、デジタル・ネイティヴたちは、特に意識しないらしい。何故って、生まれた時からネットがあって当たり前だから。さらに先日、面白い文字列を見た。

2013-09-03 09:00:05
茂木健一郎 @kenichiromogi

ねい(3)デジタル・ネイティヴたちの中には、そもそもネットがどのように動いているとか、コンピュータの動作原理とか知らない人が多数というのだ。つまり、ブラックボックス化している。チューリングとか、フォンノイマンとか、IPとか、そういうの特に意識しなくても使えている。

2013-09-03 09:00:59
茂木健一郎 @kenichiromogi

ねい(4)それで思ったことがある。一時期「科学離れ」が喧伝され、やがてそれすらも言われなくなった。最近講談社に依頼されてブルーバックス50周年のエッセイを書かせていただいたが、どれくらいブルーバックス読まれているのだろう。科学が胸アツ、というのは、趣味の領域になっている気がする。

2013-09-03 09:02:09
茂木健一郎 @kenichiromogi

ねい(5)じゃあ、社会が科学離れしているのかと言えば、むしろ科学や技術なしでは成立しない。これはつまり、社会が科学ネイティヴになったということではないか。当たり前になってしまったので、ブラックボックス化して、もはや特に意識しない。そう考えると、違った風景が見えてきそうだ。

2013-09-03 09:03:31
茂木健一郎 @kenichiromogi

ねい(6)日本人は相変わらず英語、英語と言っているが、ネイティヴになれない最大の障壁は、その意識にあるんじゃないか。英語に特別な価値があると思っている。そんなことはないんで、単なる道具である。道具ならば、ヘタでも何でも使い倒せばいいのであって、そのうち意識しなくなってくるだろう。

2013-09-03 09:04:43
茂木健一郎 @kenichiromogi

ねい(7)一般に、習熟し、当たり前になったものについては脳は意識しない。慣れていない外国語を処理しようとする時には、言語野を含む脳の広範囲の回路が活動するが、慣れるに従って活動が絞られてくる。ネイティヴというのはつまり省エネであって、それを前提に他のことに活動を振り向ける。

2013-09-03 09:05:50
茂木健一郎 @kenichiromogi

ねい(8)変人というのもそう。「私変わっているんです」と言う人は、変人ウォナビーであって、変人ではない。本当に変わっている人は、「私普通です」と言う。自分のやり方があまりにも当たり前なので、変人だと意識しないのである。つまり、それが、変人ネイティヴである。

2013-09-03 09:07:14
茂木健一郎 @kenichiromogi

ねい(9)つまり、あまり一つのことを言い募るのは考えものなのであって、そんなことを言っている間にとっとと始めちゃいな、という話が多い。始めちゃうと、自然に自分にとって当たり前のことになる。結果あまり言わなくなるのは、意識が低くなったからではなく、ネイティヴ化したからだ。

2013-09-03 09:08:49
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第1023回「ネイティヴは、意識しない」でした。

2013-09-03 09:09:07

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