Cs-137エアロゾル吸入摂取について
- uchida_kawasaki
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論文(無料!): 福島原発事故初期に放出された球形セシウム粒子の性質 http://t.co/XBHNJhuwh8 2013年、Adachi(気象庁気象研究所)ら。2011年3月14-15日に放出されたセシウムの性状について。 Scientific Reports。
2013-09-03 20:36:49事故初期にセシウムを乗せて放出された球形粒子は、直径 2 μm 程度、Fe や Zn を含み、水に溶けにくい性質を持つ。これは Kaneyasu らが示した 2011年4-5月の粒子の性質(直径 0.5 μm、硫酸エアロゾル)とは異なっている。 @miakiza20100906
2013-09-03 20:49:08その Kaneyasu らの論文はこれ: 論文(有料): 硫酸エアロゾル―福島原発から放射性セシウムを運んだとみられる粒子 http://t.co/pI963dqD68 2012年。 @miakiza20100906
2013-09-03 20:52:42昨晩@miakiza20100906 さんが紹介されていた論文 https://t.co/mVx0mqu5b1 に関連して, 以前に自作したShinyアプリ'InDoseApp' http://t.co/9NWEp66ZuW でエアロゾル吸入のデータを確認してみました(続)
2013-09-04 22:03:55(訂正) これがそのスクリーンショットです. 成人公衆のCs-137エアロゾル吸入摂取の預託実効線量係数を, 吸収タイプFまたはS, 粒径3μmまたは0.3μmの場合について調べました(続) http://t.co/ayMLWfKUzi
2013-09-04 22:05:57Kaneyasu, Adachiそれぞれの報告に近い条件で比較すると, 吸収タイプFで粒径0.3μmならば3.3E-9Sv/Bq, 吸収タイプSで粒径3μmならば3.3E-8Sv/Bqと10倍の違いがありました(続)
2013-09-04 22:07:00(心配なのでICRP本家のソフト http://t.co/0LN14JxKpe で再確認しました...ちゃんと一致して一安心^^;)
2013-09-04 22:07:32急性摂取後の全身残留割合のグラフはこんな感じです. なぜ摂取条件によってそんなに大きな違いがでるのかは......ちょっと複雑なのでまた後でまとめて書こうと思います http://t.co/wGWE0hECEM
2013-09-04 22:08:32図はさまざまな条件に対するCs-137エアロゾル吸入摂取のBq->Sv換算係数. エアロゾルの粒径や化学形によってこんなに違ってしまいます. http://t.co/dW3jMePEkC
2013-09-05 20:07:20エアロゾル粒径は鼻や口から入った粒子が気道のどこにどれだけ沈着するかに影響し, 化学形は粒子が沈着したあとでセシウムが血液に吸収される速さに影響します.
2013-09-05 20:09:21図は気道の各領域への沈着割合と粒径との関係. 気道の手前から奥に向かって胸郭外(ET)->気管支(BB)->細気管支(bb)->肺胞・間質(AI)と分けています. http://t.co/fxmCuAHqof
2013-09-05 20:12:40もし粒子が水に溶けやすければ(タイプF), セシウムは沈着する場所に関わらずすぐに血液へと移行するため, 沈着総量がそのまま線量に反映されます.
2013-09-05 20:14:51沈着割合のTotalと線量係数のタイプFのグラフが似た形になっていることにご注目ください. 粒径0.3μmあたりで凹んだ形になっています. http://t.co/dW3jMePEkC http://t.co/fxmCuAHqof
2013-09-05 20:18:29(訂正)では水に溶けにくい場合(タイプS)は? 今度は沈着する場所に注目する必要があります......が, ややこしくなってくるので今日はとりあえずここまでにしておきます
2013-09-05 20:25:36昨日は血液への吸収が速い化学形(タイプF)の場合, 気道への沈着量が多くなるようなエアロゾル粒径で線量係数も大きくなることを見ました. https://t.co/4i5ztSs1iN
2013-09-06 21:30:34しかし吸収が遅い(タイプS)の場合は, 粒径0.03μmあたりの, 総沈着量の少ない条件で線量係数が大きくなっています. これはなぜか?
2013-09-06 21:31:37血液への吸収が遅い場合, 気管の内側に沈着した粒子は表面に生えている繊毛の運動によって口のほうへ運ばれ, 飲み込まれてウンチと一緒に排出されます. 図 http://t.co/DDD4g70zzn (引用元 http://t.co/ROrJ3KdXC9)
2013-09-06 21:32:21ところが, 肺胞にまで到達し沈着した粒子は, 繊毛運動による排除機能がないため, 長期間そこに留まることになります. このため, タイプSの場合はAI領域への沈着量の多い粒径(=0.03μm前後)で線量係数が高くなります.
2013-09-06 21:33:21じっさい, タイプSの線量係数のグラフはAI(肺胞-間質領域)への沈着割合のグラフと良く似た形になっています. http://t.co/dW3jMePEkC http://t.co/fxmCuAHqof
2013-09-06 21:34:16また, 全体としてタイプSのほうがタイプFより線量係数の値が小さくなっています. これはタイプFではセシウムが血液->尿のルートで比較的早く排出されるのに対してタイプSのほうでは肺胞に入った分が長く体内に留まるためです.
2013-09-06 21:35:30