漫画で「父権的存在との対立」が無い事から来る個人的に感じた違和感

「父権的存在」と「それとの対立・衝突」からの「勝利」と「自主性の獲得」、そして「父権的存在からの離別」。自分が読んでいた作品が好きではいながらも何かが欠けていた感じがした理由はそれだった。ここで例に挙げている作品以外にも最近そういう要素が欠けた作品って増えていやしないかと思って。少し思ったのをまとめてみた。
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理不尽通@C92 行きたかったー! @kameirider

紺野あずれ先生の「こえでおしごと!」や、ぷらぱ先生の「R18!」。それぞれ8巻と4巻までは読んだ。個人的に、読んでて何か物足りないと思った。そして最近何故自分にとって何か物足りないのかについて、荒川弘先生の「銀の匙」を7巻まで読んで気付いた。ようやっと気付いた。

2013-09-18 02:25:34
理不尽通@C92 行きたかったー! @kameirider

両作品には「静かなる威厳の権化的な存在」「主人公にとってある種の乗り越えるべき父権的な存在」(『銀の匙』で言うてみるならば八軒君のお父さん)がまるっきり居ないからだ。

2013-09-18 02:27:51
理不尽通@C92 行きたかったー! @kameirider

普通に育ってきた主人公がある日を境にして「その手の世界」に放り込まれる。それは面白いと思った。どっちも。でもその世界で身動きとろうとする主人公も、その主人公の周囲の人達も、一種の箱庭的な世界の中で完結してる感じがする。

2013-09-18 02:30:21
理不尽通@C92 行きたかったー! @kameirider

しかし箱庭の外の世界から主人公を引き出そうとする、主人公にとっては対立すして乗り越えるべき、多くは語らないけどその分逆らいにくい威怖じみたオーラを出す父権的な存在が両作品には無い。まぁ、どっちも女の子が主人公だからそんな存在は必要ないと判断したからなのかもしれないけど。

2013-09-18 02:35:35
理不尽通@C92 行きたかったー! @kameirider

読者は時々、自分を主人公に自己投影する事がある。性別にも、父親不在という環境にも、読んでてあまり違和感を感じないまでにはなっていたが、途中からどうにも「主人公の周りで起きる出来事が全て主人公にとって上手く完結しすぎている」感じがしてきていた。

2013-09-18 02:40:39
理不尽通@C92 行きたかったー! @kameirider

自分で描け、と思われるかもしれないが、これがもし主人公が八軒君みたいな一般枠の勉強がよく出来る子で、友達に誘われてという事でカルチャーショック受けつつも何とか「業界」でやりくりしていって…

2013-09-18 02:45:06
理不尽通@C92 行きたかったー! @kameirider

んで、最後にその道に進みたいように思って、親父さんとガチの喧嘩でもやって、最後には溝も埋まらぬまま友と共に出奔する…ってのなら頷きながら読めてたかも。

2013-09-18 02:46:36
理不尽通@C92 行きたかったー! @kameirider

『銀匙』の八軒君は街中に住むリーマン家庭の二男だったけど、これが田舎育ちの長男って言う立場だったとして、その手の業界の仕事に就きたいって言い出したなら、父権的な存在があるとすれば、一度や二度くらい衝突があってもおかしくないと思うの。

2013-09-18 02:50:07
理不尽通@C92 行きたかったー! @kameirider

ところが「こえでおしごと!」と「R18!」にはそういった一種の衝突から生まれるカタルシスが何も無かった。主人公とその環境は「父権的存在の不在」、「一家の次男・次女のポジションにいる」、「主人公と最後まで対立する相手の不在」で実に都合良く上手く回しているきらいがある。

2013-09-18 02:55:00
理不尽通@C92 行きたかったー! @kameirider

まー、「R18!」は半分一種のドキュメンタリー的側面もあるから完全にそれを適用出来るという訳ではないけども。

2013-09-18 02:56:50
理不尽通@C92 行きたかったー! @kameirider

主人公「俺(私)はこの世界でこんな人達とこうしたい!・こう生きたい!」相手「お前の事を一番良く分かっているのは私。その世界はお前の住むべき世界では無い。こちらの世界はどうなんだor進め」物語には何かそういう一面が要りもするかなと思う。

2013-09-18 03:03:28
理不尽通@C92 行きたかったー! @kameirider

よく言えばスター・ウォーズEP5の最終盤におけるルーク対ダース・ヴェイダーの関係みたいな。

2013-09-18 03:04:33
理不尽通@C92 行きたかったー! @kameirider

主人公にとっての乗り越えるべき存在の有無、それとの衝突、そして決別、時々和解。そうして、時に悪戦苦闘する事もある自分のやりたい事を獲得、そして仲間と共に成長をしていく。それらの一連の流れを読了後にすとんと自分に残す作品が厳密には自分に合ってるのかな、とも思ったり。

2013-09-18 03:12:32
理不尽通@C92 行きたかったー! @kameirider

少なくとも「やりたい事」ってのは、反対する相手との衝突や自身の経験から来る葛藤も無しに、天から与えられたラッキーや素早すぎる飲み込みとか安易な迎合をする人と共になし崩し的に享受する物じゃないんじゃないかな。

2013-09-18 03:19:27
理不尽通@C92 行きたかったー! @kameirider

周囲の人物が十中八九自分の立場に対しての良き理解者で、対立する相手も妥協したり、結果的に和解する。上手く行きすぎというか何かもう色んな意味でお花畑な気がする。そういう環境って。

2013-09-18 03:26:35
理不尽通@C92 行きたかったー! @kameirider

一人くらいは「主義・主張は理解は出来ても、自分では納得がいかない」って言って渋々ながらも主人公の元を去る人がいても良いんじゃない?現実における幾つかの対立意見を生みそうな法案とかの事案ですらそうでしょ?完全に0っていうのはどうも…んー…。

2013-09-18 03:29:05
理不尽通@C92 行きたかったー! @kameirider

「こえでおしごと!」も「R18!」もどっちも好きだよ。キャラとか、所謂その手の世界の事情とか。好きだけど、不満点を一つだけ挙げるなら、ってことで。

2013-09-18 03:33:24