ではミステリアスっ娘の講義を始める。 ミステリアスっ娘という物の定義を、世界紳士協定(WGA)では以下のように行っている。 『謎の多い行動や言動が目立つ女の子。また、素性や容姿などキャラクター自身に謎が含まれている女の子』 では具体例を示そう。以下を脳内再生して頂きたい。
2013-09-18 23:23:36「ーーーこれ以上、近付いちゃ駄目。貴方はまだ引き返せる」 「それは・・・。貴方、随分と珍しい物を持っているわね。ふふっ・・・長生きはするものだわ」 「思い出せ・・・自分が何者か、思い出せっ・・・!貴様がした事を・・・貴様の罪をっ・・・!」
2013-09-18 23:26:37「主は鍵となる男だ、ここでむざむざと殺させる訳にはいかんなぁ。・・・ふっ、主よ、なにがなんだか分からないという顔をしているな。なに、今に分かるさ。それよりも・・・今は目の前の敵を倒すことが先決だな」
2013-09-18 23:28:12「い、痛ッ・・・!頭がッ・・・!割れッ・・・!・・・なに、この・・・頭の中に、映像が・・・!私、知らないのに・・・知ってる・・・この景色・・・!あ・・・ぁア・・ァァァァあああああああああああ!!!!」
2013-09-18 23:29:02如何であろうか。 ミステリアスっ娘は全ての中学二年生が全てのキャラクターの中で最も憧れるヒーローのような存在である。 憧れの理由として第一にあげられるのが、ミステリアスっ娘は日常と非日常の間にある扉のような立ち位置で居ることが多いから、ということである。
2013-09-18 23:32:40なんか謎っぽい。 意味ありげな。 不思議な。 これらは全てミステリアスっ娘の特徴であり、また、彼女達が日常と剥離している事の証明である。
2013-09-18 23:35:04一般的、日常的、平凡的。色々と言い方はあるが全て「普通」を指す言葉である。 普通の対義語は何であろう?それはミステリアスっ娘である。 ミステリアスっ娘は日常に身を置きながら、非日常の影を時折覗かせる、非日常への入り口なのだ。
2013-09-18 23:37:19中学二年生というのは最も日常からの脱却に憧れる年齢である。 全校朝礼の時にいきなりテロリストが学校を占拠して、自分がセガールばりの孤軍奮闘で一躍ヒーローに。 曲がり角に差し掛かった時に転校生とぶつかってパンツのぞき魔扱いで懸垂告白したあげくに眼鏡っこが学園一のアイドルに。
2013-09-18 23:42:24突然自分に異能の力が宿ってなんかナビキャラみたいなのも付いて来て異世界にワープして釘宮と甘ラブ同棲生活のリア充に。 数え切れないこのような妄想の数々を、諸兄らは中二の時分にしてきたことであろう。してない奴はラーメンの話でもしてろ。
2013-09-18 23:43:25ミステリアスっ娘は前述の通り、非日常への扉であり、日常からの脱却へのナビゲーターである。 上記の様々な妄想や想像からも分かるとおり、多感な時期の中学二年生は皆ミステリアスっ娘の出現を待ち望んで居るのである。
2013-09-18 23:46:26ちなみに蛇足であるが、私などは既に学ランなど着た日にはもうどこに出しても恥ずかしくない立派なAV男優として見られる年齢だが、 今も突然ミステリアスっ娘が現れて自分を非実在青少年にしてくれないか真剣に悩んでいる夢の旅人である事を書き加えておこう。
2013-09-18 23:49:22さて、ミステリアスっ娘は前述の通り、多大な影響を青少年の発育に与えている。それが良いことか悪いことかはさておくが。 とにかくそれ故、ミステリアスっ娘は多くのシェアを誇っている。近年のちょっとでもシリアスな作品において大体居る感じのあれである。
2013-09-18 23:51:36何故そこまで多くの作品に出ているのだろうか。それはミステリアスっ娘を絡ませるとものっそい楽に伏線を張れて、物語が作りやすいからである。 物語を盛り上がらせる重要なファクターとなるのが伏線というものだ。
2013-09-18 23:54:23伏線を張っておくとなんかよう分からん話でも、とりあえず深い、意味のあるような話に見えなくもなくなる。(詳細は浦沢直樹の項参照) このような開発者側の観点からもミステリアスっ娘は重宝されており、それ故にミステリアスっ娘は至る所に出没しているのである。
2013-09-18 23:57:24さて、ではミステリアスっ娘の魅力とは何であろうか?ミステリアスっ娘の魅力を紐解くと、以下の物が現れてくる。 ・なんか捕らえ所のない不思議な所に上の頭も下の頭もついつい彼女の事を考えてしまう所。好奇心が掻き立てられてしまう所。 ・なんか凄い力を持った女の子への憧れ的なあれ。
2013-09-18 23:59:10幾つか列挙はしたが、詰まるところミステリアスっ娘の魅力というのは前述した「非日常への羨望」これに集約される。 我々現代人は得てして平凡な日常を淡々となぞるだけの生活を送っている。 それは文明を進化させ、人類が己の安全圏を増やしていったからである。
2013-09-19 00:03:02太古、人は剥き出しの自由を持っていた。 なんの庇護も無い、まっさらな自由。それは連続した日常の存在を否定する事とのイコールである。 毎日が生きる為に、安全を得るために非日常に潜り続ける。そこには一分の退屈も存在しない、あるのは生か死かの連続なる選択である。
2013-09-19 00:05:21そして人類は自らの安全を確保するため、「知ること」を始めた。 探検、実験、発見。一つの未知が解き明かされていく度に、人類は少しずつ前へと進んでいった。 そしげ現代。人類は「知ること」を続けた結果、月に達するまでに至った。
2013-09-19 00:07:59現代において、人類は実験や探検をたんなる娯楽として扱い始めている。 それは人類がこれほどまでに無いというほど安全な世界を作り上げ、種としての本能が進化を止めているからである。
2013-09-19 00:09:17ミステリアスという語は、英語で神秘的という意味を持つ。 神秘。神のみぞ知る秘密。 人間は自らの預かり知らぬ数々の出来事を、神の御力として扱った。 豊作ならば神の加護。凶作ならばわっちの怒り。自らの運命を左右するどうしようもない驚異に、人類は神を創造し、その理由を定義付けた。
2013-09-19 00:15:20そして神という定義を崇めたて、自らをその庇護下に置こうとした。 ミステリアスっ娘は神秘なる存在である。 人は神秘なる存在を保守本能により崇める。 それ故に現代の中学二年生達は皆憧れ、そして崇めているのだ。
2013-09-19 00:19:14