吹奏楽部のガチムチな先輩♂のお話

丸高（フィクション）吹奏楽部物語bot @s_gmOB_bot

明日の夕方に予定している「二年の夏、吹奏楽コンクール」登場人物 俺…見ての通り。 タクト先輩…チューバの一つ上の男の先輩。長身スレンダーイケメン。口は悪い。 ユウキ…一つ下の学年のチューバ男子。中学からやってるけどあまり上手くない。 （続

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（続 アオイ…一つ下のチューバ女子。中学からしている。上手い。大人しい。 エリカ…一つ下のチューバ女子。初心者ギャルっぽい。 モモコ…一つ下のチューバの女子。初心者大人しい。 シオリ先輩…コーラス部のトップソプラノ。 ダイスケ…野球部。前作参照 タイチ先輩…野球部キャッチャー

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だいたい以上が出てくる人かな。明日の夕方をお楽しみに。

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今日、約束してた思い出の話を書こうと思ったんだけど… 長い！ 短く書こうと思ったんだけど、なげーんだよ。 で、どうしようかなって思って…

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キリ番思い出話その2 高2の夏、吹奏楽コンクール。

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チューバパートは俺が一年の三学期、三年生が引退した後、一つ上の男の先輩（タクト先輩）と俺だけになったんだよな。 でも、二学年で部員数50人近くいたから、チューバが足りないってずっと言われてたんだ。

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俺が二年生になって新入生がたくさん入ってくれたんだ。チューバは四人一年生が入ってくれた。 一人は、ユウキっていう男子。俺と似たような体格してたんだけど、中学からの経験者。でも、コンクールにも出ない学校だったからなのか、高校から始めた俺から見ても全然吹けない奴だった。

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二人目はアオイって女の子。割と上手い中学でやってたせいか、何でも吹ける子だった。性格は大人しいな。 で、残り二人が初心者の女子だったんだけど、一人はエリカって奴。こいつが結構見た目も派手でよく喋る上に少しギャルっぽくて、ちょっと上級生から目つけられてる感じだった。

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もう一人が、モモコって子。ピアノが少し弾けるらしい。小柄でものすごく静かで大人しい子で、自分の考えを口に出さない子。 さあ、これだけ個性バラバラな四人が入って、タクト先輩が上手く仕切ってくれるかと思いきや… 「ガチムチ、新入生の面倒お前に任せた。」

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…え？！先輩ちょっと待ってくださいよ？！俺高校からでまだそんな上手くないし先輩パーリーだから教えたらいいじゃないですか？ 「ガチムチ、お前アンコンで支部金取っただろ？お前の方が腕があるって証拠だから」

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…そうだった。 アンコンの時、先輩は金管五重奏を別メンバーで組んでいて、校内予選で俺らのチームに負けたんだった。 根に持ってるのかな…？ とかなんとか言いながら先輩はふらっと練習しないで出歩くことが多くなった。

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ユウキ「先輩、あの…」 アオイ「…」 エリカ「あたしとモモコ、初心者だから何していいか全くわからないんですけどー。」 モモコ「…」 とりあえず自分がかつてやったように、マウスピースでちょうちょとチューリップを吹けるようになってもらってそれから俺がしてた教則本をって流れになった。

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ユウキとアオイはとりあえずいいとして、エリカもマウスピースまではこぎつけた。 モモコがどんだけやってもマウスピースでかすれたような音しか出せない。 あれこれ試行錯誤してみた。 それでも「…すー…」

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しびれを切らしたのか、アオイが唇をどうするとか、やってくれたんだけど一向に音が出る様子がない。そんなまま何日か過ぎていった。 五月の頭、新一年生も混ぜて「チェスフォード・ポートレート」を合奏して、中庭コンサートで演奏するのがうちの伝統だった。それには間に合わせないといけない。

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そして、コンクールの自由曲は「バイバイ・ヴァイオレット」に決まっていた。俺でも難しい。コンクールには最低三人か四人乗らないといけない。 …なのに、タクト先輩は出歩くことが多かった。俺とアオイは何とか楽譜通りに近い音が出せる。 ユウキは指はあってるけど音色や音程がめちゃくちゃ。

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エリカは楽譜が読めない。急がないといけないから指番号を書いてやった。でも、とんちんかんな音ばっかり出す。 モモコはそもそも、音が出ない。 どうしたらいいんだよ！！！ パートを仕切るなんてもう何ヶ月か先の話だと思ってたから本当にどうしていいかわからないまま、中庭コンサート当日。

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なんとタクト先輩はぶっつけ本番でやってきた。 そして、80人での初めての本番。 汚い。 低音汚い。泣きたくなるくらい。 他のパートは一年生がちゃんと育ってるのに。チューバはめちゃくちゃだった。俺とタクト先輩とアオイだけがまともな音であとは何の楽器の音かって音しか出ない。

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本番が終わった後、顧問が言った。 「一年生もおつかれさま。今日まで本当にわからないまま頑張ったと思う。今年は仕上がりがいいからコンクールが楽しみだな」 ああ、トータルではそうかもしれない、でも…

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タクト先輩がチューバパートを集めて言った。

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「お前たち、この一ヶ月何してたの？いくらなんでも酷すぎるだろ？一年生ばっかりにしても出来てないに程があるだろ。 ガチムチ、お前一年生に何教えてたの？アオイも○中出身だろ？もっと周りみてやれよ。それとガチムチ、お前音でかいだけで汚い。二年がそれじゃ仕方ないよな。もっと練習しろよ。」

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心の中に「じゃああんたは…」って思いが煮えくり返っていたところで、横からエリカが口を割った。

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「じゃあタクト先輩は練習ほったらかして何してたんですか？ 私は楽器のことはまだ何もわからないけど、ガチムチ先輩も他の子も超頑張ってたんですよ？練習もしない、努力もしない先輩にそんなこと言われたくないです」

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その場が静まりかえった。 そしたら、タクト先輩が一言。 「文句があるなら俺より上手くなってから言え。 ガチムチ、一年生のメンタルの教育も出来てないのかよ。ていうかお前の音本当に酷いぞ。」 …呆然とするチューバパート1.2年の5人。俺ももう、どうしていいかわからない。

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その次の日、初心者のエリカとモモコが、部長の所に退部届を持ってきたらしい。俺はびっくりした。そして俺が呼び出された。部長（トランペットの文明開化のトップやってた先輩な）に、チューバパートの現状を全てぶちまけた。 「卒業した先輩は何でも教えてくれたのに、パートこんなんなって、

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しかも全否定されて…正直、俺がやめたいです。」 やめる気はなかったけど、嫌気がさしていたのは事実だった。 そしたら、横からサックスパートの先輩が口を開いた。 「あんまり言いたくなかったんだけどさ、タクトって、合唱部のシオリって子と付き合ってるんだよね。