金剛ちゃんと提督さんとティーパーティー

艦これ金剛ちゃん話。
艦これ 金剛
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紅礼 郷梨@前HN:愚真礼賛 @gre_goriy
「紅茶が飲みたいネー」 頬をぷくっと膨らませた金剛が、そんなわがままを言い出した。 「提督ー、紅茶にしようよー」 机の上に山積みになっている書類の間から顔を覗かせながらそう言ってくる彼女に、ぼんやりとした声で応答する。 「んー、もう少し書類をしないとな……」
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「もうっ、提督のわからず屋ーーーーー!」 返答がよっぽど気に入らなかったのか、執務机を両手でバンっ、と勢いよく叩いて書類の山を崩すと、そのまま部屋から出ていってしまう。
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(もうっ、提督のバカっ!なんでワタシが誘ってるかもわかってない朴念人っ!!) ぷんすか!と、不機嫌オーラ全開で廊下を歩く。そんな金剛の姿を見てか、いつもは気軽に声をかけて来てくれる他の艦娘たちは、遠巻きに見ているだけで近寄ってこない。
紅礼 郷梨@前HN:愚真礼賛 @gre_goriy
一方、残された形になった提督は、やれやれ、と小さくため息をはくと崩れた書類の山を積み直していく。 (ーーん?) その手が一枚の書類でぴたっ、と止まった。 その書類に書かれている文章を、何度も読み返す。 そうして、内容に一切の不備がないことを確認すると、目的の場所へと歩き出した。
紅礼 郷梨@前HN:愚真礼賛 @gre_goriy
「ーーはぁ、提督ってば怒ってるだろうなぁ」 黄昏時の港湾で波止場の地面に腰掛けた金剛は、遥かな地平線を見つめながら、おもわずボソリとそう呟いた。 あれからしばらくして怒りが収まって来ると、今度は強い自責の念が金剛を襲ってきたのだ。
紅礼 郷梨@前HN:愚真礼賛 @gre_goriy
なぜなら、どんどん増えてきている艦娘たちみんなのために、提督が昼夜を問わず、膨大な書類の山と格闘し、寸暇を惜しんでマネジメントをしてくれてることを他の誰よりも知っているのは、彼の秘書役となっている自分なのだから。 (でもーー提督ともっと、こう……仕事以外のお話とかもしたいのデス)
紅礼 郷梨@前HN:愚真礼賛 @gre_goriy
そう。金剛としては提督のことが、いや、正確には"提督ではない"部分の彼のことがもっともっと知りたいのだ。 単に秘書役としてでだけではなく、もっと身近な関係として距離を縮めたくて、もっといろんなお話をして、彼のことが知りたくてお茶に誘っているのである。
紅礼 郷梨@前HN:愚真礼賛 @gre_goriy
ぷぅ、と頬を膨らませ、水面に小石を投げ込みながら、無意識にボソリと口から言葉が漏れでた。 「提督にとっては、ワタシとのお茶会もきっとたいした意味もないことなのかな……」
紅礼 郷梨@前HN:愚真礼賛 @gre_goriy
「こんなところにいたとはな。まったく、鎮守府の中を探し回ることになったぞ?」 こらっ、と怒っているように言葉では言ってくるが、表情が苦笑している状態であり、口調も柔らかいので実際は照れ隠しだと言うことがよくわかる。 「ほら、帰るぞ。やってもらうことが山積みなんだ」
紅礼 郷梨@前HN:愚真礼賛 @gre_goriy
そう言うと提督は金剛に向かって手を差し出した。 「ーーう~、でも、紅茶が飲めないと嫌なのデース!こんな缶の紅茶じゃ嫌なのネー!!」 ここでおとなしく一緒に戻れば、迷惑をかけてしまったこともうやむやにしてくれることだろう、とはわかってはいたが、ついついそんな意地を張ってしまう。
紅礼 郷梨@前HN:愚真礼賛 @gre_goriy
おもわず出てきたそんな態度は、ここまで彼が探しに来てくれたことへの嬉しさと、執務室に戻ってしまえば、また"提督と秘書"という関係になってしまい、いまの"ただの二人"という時間が終わってしまうことを少しでも先伸ばしにしたい、という心情から来てしまったものだった。
紅礼 郷梨@前HN:愚真礼賛 @gre_goriy
「やれやれ……じゃあ、缶のじゃダメなのなら、ここじゃなく部屋で少し時間遅れのティーパーティでいかがでしょうか?」 再度手を差し出しそう言ってくる提督に、金剛はジト目で 「う~、約束…ですヨ?」 と、言い返す。
紅礼 郷梨@前HN:愚真礼賛 @gre_goriy
そうして、その言葉に彼が頷いたのをみて 、金剛はやっとその手の上に自分の手を乗せてたちあがった。
紅礼 郷梨@前HN:愚真礼賛 @gre_goriy
「ーー!?」 執務室に戻り、ドアを開けた瞬間、金剛はびっくりしておもわず絶句する。 「テ、テイトクゥ? こ、これって……」 驚きが収まってきたところで振り返り、背後の彼に問いかける。けれども、驚きが抜けきらなかったようで声が少々上ずってしまった。
紅礼 郷梨@前HN:愚真礼賛 @gre_goriy
「そうだよ、キミのために用意してもらった紅茶セットさ」 「え、で、でもこれ、この国じゃ流通して……」 「うん、だから職人さんとかに無理をいって特注してもらったんだ」 あっさりと、なんでもないことのように提督は言うが、実際はかなりの無茶と費用を使わないとできないはずのことだ。
紅礼 郷梨@前HN:愚真礼賛 @gre_goriy
「以前から、「もっと本格的なお茶会がしたいネ」っていってただろ?だから、ちょっと前に発注しておいたんだ。それが届いたっていう書類が着てたんでね」 やっとわかった。最近の忙しさは鎮守府に艦娘たちが増えたからだけでなく、きっとこの無茶を通すために仕事を増やしていた分もあったのだろう。
紅礼 郷梨@前HN:愚真礼賛 @gre_goriy
「て、提督ぅ~!」 感極まった金剛は、おもわず彼に抱きついた。 そんな彼女を提督は優しく抱きしめ返すと、 「金剛とのお茶会の時間は俺も楽しみなんだぞ?金剛となんでないようなことを楽しく語って過ごせる時間があるから、仕事だって頑張れるんだ」
紅礼 郷梨@前HN:愚真礼賛 @gre_goriy
そう言って照れ隠しのようにウインクしてくる。 「さ、それじゃやっと届いたこの紅茶セットで、久しぶりのお茶会にしよう。美味しい紅茶を淹れてあげるからさ」 そう言って提督は抱きしめていた金剛の身体を離し、だが左手で彼女の手だけを掴んで、先に部屋に入ると振り返った。
紅礼 郷梨@前HN:愚真礼賛 @gre_goriy
「提督主催のティーパーティ、ご参加よろしいでしょうか、お嬢様?」 そう言って彼は、まるで熟練の執事のように金剛を部屋へと誘う。 そんな彼への金剛の返事は、もちろんたった一つに決まっている。 「Hey、提督ー!美味しい紅茶が飲みたいねー!」 ~金剛ちゃんと提督~

コメント

s_doi @s_do_i 2013年9月20日
くっ、アンミラのレモンパイに勝るとも劣らない甘々なシナリオwwwwww
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