歴史伝奇を書く者はどこまで柳生一族を活用できるのだろうか?
- seishinouya
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柳生大作戦と同じで、落ちのつけ方に、もったいないなあと感じるところがある、今回の柳生十兵衛、善い奴なんだから別に殺すことないと思うんだけどなあ
2013-09-21 23:10:39前回の柳生大作戦は、柳生一族をナビゲーターとして、本筋は天武天皇のクーデター壬申の乱、今回の柳生大戦争は、清朝の勃興による李氏朝鮮への侵攻が描かれる、どこかで作者がコメントしていた柳生を出汁にして東アジアの歴史を描きたいという趣旨には沿っていると思う
2013-09-21 23:14:38ただし巻末では柳生一族への決別宣言があって、以後こういう形式は止めるんだともうけど、編集者相手に柳生抜きの企画が通るか心配でもある
2013-09-21 23:16:11個人的に柳生を出汁にして、東アジアの歴史を描くってのは、今回の柳生大戦争はともかく、壬申の乱と関ヶ原を混ぜた柳生大作戦では、話が散逸しすぎて、物語として失敗している気がした
2013-09-21 23:17:23あとは竹島御免状と、友を選べばと、柳生黙示録と、砕かれざるものがあるけど、大丈夫かなあと心配にもなる、この宣言をしてから、柳生抜きの作品って荒山徹は、もう発表したのかしら?
2013-09-21 23:19:18この柳生関係封印の宣言と、「やる夫で学ぶ柳生一族」をやってる人のついったーまとめとかを読みながら、いろいろ考えるところがあったわhttp://t.co/PWH8GdGVD4
2013-09-21 23:21:07命題として「歴史伝奇を書く者は、一体どこまで柳生一族を活用できるのか?」という問題は、一体どこまで論じられたことがあるのだろうか?
2013-09-21 23:23:04かつて自分は、「柳生演義」OR「正史柳生」と、「王道柳生」OR「B級柳生」の組み合わせで、柳生一族を取り扱った創作物をカテゴライズできると、言ったわけだけどhttps://t.co/zhV5UUDnCz
2013-09-21 23:24:19「歴史伝奇を書く者は、一体どこまで柳生一族を活用できるのか?」という問題について、やはりあの荒山徹でさえ、これ以上柳生を使えない、いわば柳生臨界点に到達してしまうものなのだろうか
2013-09-21 23:25:39王道柳生の根幹であるスーパースター柳生十兵衛に関して言えば、wikipediaで失礼だが、これだけの人が小説の主人公に使っているわけだ、ご存じ山田風太郎に隆慶一郎、五味、津本http://t.co/j08Gsd43dQ
2013-09-21 23:28:59こういう人たちが題材に使う前に、柳生十兵衛=剣豪というイメージがすでに定着していたわけで、それをさかのぼると、明治期の講談を本にした立川文庫に行きつくわけねhttp://t.co/vhmtKyAGme
2013-09-21 23:30:33立川文庫の『柳生十兵衛旅日記』、もう手に入らないので、どういう内容かはわからないけど、まあ豪放磊落な柳生十兵衛、回国修行や隠密仕事で日本全国を回るってイメージはそこからつくられたんだろうかなと、想像する
2013-09-21 23:33:28立川文庫は既にあった講談を元にしているので、その前の明治には民間のヒーローとしての柳生十兵衛像が成り立ってるわけで、じゃあさらにその元はとなると、そういう部分のエピソードが載った江戸時代の伝承資料があるわけだ
2013-09-21 23:36:23それってのが、1790年寛政2年著の撃剣叢談だったり、柳生家家譜である『玉栄拾遺』とか、天保14年(1843)の「武術流祖録」とかに載ってる柳生十兵衛のエピソードを元にしてるわけだ
2013-09-21 23:38:50これで、ルーツとしての剣豪像は判りました、じゃあそれを踏まえたうえで、さらに近年の偉人たる山田風太郎や五味先生もベースとした上で、その先の柳生十兵衛像を、どう今後の読者に提供するのか、という問題が出てくる
2013-09-21 23:42:29それってのは、その他の柳生一族、柳生宗矩、石舟斎、尾張柳生とかも、ひっくるめて、どういうイメージを作り上げるか、という問題でもあると思う
2013-09-21 23:45:19ある意味政治に翻弄される策謀家宗矩、老練な剣聖石舟斎、ホモォ……な友矩、ある程度伝奇小説を読んでる人間にとって、もはや柳生一族それぞれのイメージは、三国志の主要メンバー程度には定着してる昨今ですよ
2013-09-21 23:47:51イメージの問題はちょっとさておこう、従来のイメージをある程度そのまま流用して、柳生一族が出てくる小説漫画、あるいはドラマゲームを作ろうとしよう、さて、石舟斎→宗矩→十兵衛の三世代の中で、その時点でまだ手垢のついていない歴史的事件がいくつあるかね?
2013-09-21 23:50:57寛永御前試合、大納言忠長による騒動、島原の乱、関が原に大阪の陣、たいていの歴史的事件や、ありえたであろう幕府転覆の危機はたいてい描かれているのではないか
2013-09-21 23:53:49オリジナル事件に柳生一族が巻き込まれる路線の作家は別にすると、基本的に歴史的事件の裏側はこうだったんだよ的な物語をする荒山徹が、言い方は悪いが、ねた切れになってしまっても、それは責められることではないよね
2013-09-21 23:57:00この問題の突破ルートとして、柳生親子や徳川将軍家のキャラクターはそのままにして、延々と江戸時代初期の日常を描く「日常系柳生」という、恐ろしい構想を一瞬の白昼夢としてみたことは黙っておこう、「柳生サザエさん時空」とか
2013-09-21 23:59:41柳生一族を創作物に使う場合、人物の生存期間という時間の幅、基本的に日本国内という時間と空間の制限があり、あとは人物解釈の違いで、バリエーションをつけるという問題に関して、荒山徹は朝鮮半島という拡張オプションを見出して、さらに話を広げていたわけだ
2013-09-22 00:05:47