2013年9月26日

甲状腺内におけるヨウ素132とヨウ素131の動態

まだ、調べたいこともありますが、取り敢えずリリースして皆様の知見を戴ければと思います。また、定量的な根拠を具体的に説明した文献は見つけておらず、「こういうことを主張している人がいる」という程度の内容です。 【追記】どうやら2つ目、3つ目の項目は眉唾もののようです。考慮しなければいけない要素かもしれないですが、記事の様に132の方が何倍も(ましてや84倍も)大きくなる理由としては不適切でしょう。 【追記2】線量率の前提が明確でないのが問題な気がしています。同Bqか、同molか、同Svか、等。
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ETUDE SUR L'INTERPRETATION DES MESURES D'IODE 132 DANS L'ORGANISME APRES INHALATION DE TELLURE 132

Par
David MECHALI , Marc DOUSSET
Renée VIAL , Monique ODIEVRE-PENOTET
Rapport CEA-R 2727

http://www.ipen.br/biblioteca/rel/R5622.pdf

読んでいる途中ですが、Abstractの平沼さんによる訳がこのページの下の方。
http://fukushimavoice2.blogspot.jp/2013/08/132.html

テルル132とヨウ素132の平衡、身体をモデル化して移行の解析が主で、甲状腺は一つのセクションとして扱っているので、甲状腺内部での動きに関しては分析していなす。(つまりこのまとめの主旨とは関係無い?このまとめの本題は2つ目の記事からです。下をお読み下さいm_ _m)

でも、高い係数が出ている(はず、、、)理由が不明。内容は「Teの体内動態モデルとTe132の甲状腺等価線量換算係数について」http://togetter.com/li/550791の話と類似。身体を3つの領域に分け、それぞれの間での移行を微分方程式で記述。ただ、そうしたときに10時間前後に若干のピークがある模様。これはこのモデル独自の問題なのか、実態を反映したものかどうか?Te132独特の現象なのか?

Un facteur à ne pas négliger : iode et tellure 132 (Dr J.Guillet)

「無視してはならない要因:ヨウ素132とテルル132/Dr.ギレ」

AFMT : Site Officiel de l'Association Française des Malades de la Thyroïde

http://www.asso-malades-thyroide.org/detail_asc.php?id=1

甲状腺内部での動きについて詳しい説明あります。他に、チェルノブイリの甲状腺の原因物質の特定に至る過程など周辺の説明も比較的詳しい記事です。

肝心の部分は以下の通り。

ACTION DES IODES RADIOACTIFS DANS LA THYROIDE

La thyroïde contient une multitude de sacs microscopiques, les vésicules, qui renferment une substance dite 'colloïde'. Leur paroi est formée par une couche de cellules thyroïdiennes. Elles fabriquent deux hormones, la thyroxine et la triodothyronine qui contiennent respectivement quatre et trois atomes d'iode par molécule. De là l'abréviation de T4 et de T3 qu'on peut lire sur les ordonnances des médecins et les résultats de laboratoire. Les cellules thyroïdiennes concentrent dont l'iode puis l'incorporent dans des protéines pour aboutir à la production d'hormones. Une partie de ces protéines iodées et de ces hormones est stockée dans les vésicules. Lorsque l'iode est radioactif, il est émet un rayonnement tout le long de la chaîne de fabrication située dans les cellules, puis dans la vésicule où il est stocké dans la colloïde, plus ou moins à distance de la machinerie cellulaire. La durée de la fabrication des protéines iodées est brève, alors que la durée de séjour de l'iode dans la colloïde est plus longue. L'analyse par microscopie ionique montre que, 24 heures après son administration chez le rat, l'iode a traversé les cellules mais forme, à proximité immédiate, une couronne autour de la colloïde. En une semaine, l'iode se répartit dans la colloïde de façon homogène.
甲状腺には濾胞(または小胞)と呼ばれる、多数の非常に小さな袋があり、中にはコロイドと呼ばれる物質が入っている。濾胞の表面は甲状腺細胞の層によって形成される。濾胞ではサイロキシン(チロキシン)とトリヨードサイロニン(トリヨードチロニン)という、それぞれ1つの分子中に4つと3つのヨウ素原子をもつ、2つの甲状腺ホルモンが作られる。それらは順にT4とT3と医学用語で呼ばれ、歴史的にもこの順で発見された。甲状腺細胞はヨウ素を集め、ホルモンを作るためにタンパク質と結合する。ヨウ素化されたタンパク質とそれらのホルモンの一部は濾胞に貯蔵される。ヨウ素が放射性の場合、細胞内の(ホルモン)製造の全過程と濾胞のコロイドの中で貯蔵されているときに放射線を出すが、濾胞内の方が多かれ少なかれ細胞機構からの距離がある。タンパク質のヨウ素化にかかる時間は短く、よってコロイドに滞在している時間の方が長い。ラットでの濾胞のイオン解析によると、細胞の活動が始まってから24時間後に細胞を通過し、ただちにコロイドの周囲を円状に囲う。一週間かけて、ヨウ素はコロイドに同化する様に溶け込む。

En clair, l'iode 132 délivre la quasi-totalité de son rayonnement en 24 heures (10 périodes) alors qu'il entre dans la cellule thyroïdienne ou qu'il est à son contact immédiat. Le Professeur Paulin qui, dès 1987, avait suggéré de ne pas négliger les radio-isotopes de l'iode à vie courte, calcule que, dans ces conditions, le débit de dose est 84 fois plus élevés que celui de l'iode 131.
纏めると、ヨウ素132は24時間(半減期の10倍)でそのほぼ全て崩壊するので、甲状腺細胞内で近接的に放射線を出す。Professeur Paulin(訳注:ポラン博士、Raymond Paulin氏のこと?)はこれらの条件の場合、ヨウ素132の被曝線量率はヨウ素131のそれより84倍多くなると計算し、1987年よりヨウ素の短寿命核種を無視するべきでは無いことを主張している。(訳注:甲状腺に同量到達したときの話で、係数が単純に84倍という訳ではなさそう。。Paulin氏のこの主張について調べたがまだ見つからず。)

Au contraire, l'iode 131 étale l'émission des ses rayonnements sur 80 jours. Il délivre donc l'essentiel de son rayonnement alors qu'il est dans la colloïde, donc plus à distance des cellules qui sont alors moins irradiées. La distribution des sites d'émissions radioactives des iodes 132 et 131 n'étant pas identique, il est logique d'en attendre une différence pour les effets au niveau cellulaire thyroïdien.
それに対してヨウ素131は80日(訳注:同じく半減期の10倍)をかけて崩壊する。よって、放射線の主要な量は濾胞内のコロイドにて発するので、細胞からは距離があり細胞の被曝は少なくなる。ヨウ素132とヨウ素131とでは(甲状腺内での)放出場所の分布が異なり、当然の帰結として甲状腺細胞が受ける影響が異なると考えられる。

MAKIRINTARO @MAKIRIN1230

@pingpongismusic 根本的なところからおかしいような気がします。たとえば、I131とI132がある時刻に1Bqずつあった場合、そこからある時刻までの間に崩壊する原子核の個数はI131のほうがI132より多かったりします。

2013-09-28 12:44:48
MAKIRINTARO @MAKIRIN1230

@pingpongismusic 1Bqは、I132では約12,000個の原子核の集まりで、I131では約1,000,000個の原子核の集まりです。たとえば、I132の半減期2.3時間後までにそれぞれ何個崩壊するかというと、前者は約6,000個で後者は約8,200個です。

2013-09-28 12:59:24

まとめ Te-132に関して CONTRIBUTIONS OF SHORT-LIVED RADIOIODINES TO THYROID DOSES 1796 pv 24 1

まとめ チェルノブイリ甲状腺がんとヨウ素被ばくの因果関係は、どのようにして突きとめられたか チェルノブイリ原発事故の事例より、甲状腺がんとヨウ素の因果関係はどのように求められたか。 5664 pv 213 4 users 9

まとめ チェルノブイリ甲状腺がんの歴史と教訓  I-131 の甲状腺がんリスクがよく分かっていなかった事故前夜から、エビデンスが確立されるまでの約 20 年間になされた論戦と調査の歴史について、しっかりしたジャーナルに載った論文など、信頼のおける情報源を元にまとめました。 可能なかぎり読みにくくならないよう、数式は無し、そして、数字も少なめにしてまとめています。  タイトルに「教訓」と入っていますが、こういった歴史から何を教訓とするかは人それぞれと思いますので、教訓についてはあまり書き過ぎないよう注意しました。 《関連まとめ》   チェルノブイリの白血病 ~ Noshchenko(2010年)を中心に http://togetter.com/li/585317 《更新履歴》 10月24日 『スクリーニング効果』 を追加。 10月26日 『死亡例につ.. 110339 pv 4475 55 users 759

Etude de 201 cas de cancers de la thyroïde en Corse entre 1985 et 2006

「1985年〜2006年のコルシカ島における201件の甲状腺癌の調査」

http://twitpic.com/desanl
パリ第五大学の博士論文
http://nuage-radioactif.com/wp-content/uploads/2008/05/these_sophie_v29.pdf

ここでも、同じ出典と見られる話が取り上げられている。

L’iode 132 se fixe également dans la thyroïde, c’est un descendant du tellure 132. Le métabolisme du tellure 132 n’interfère pas avec la thyroïde alors que l’iode 132 a les mêmes propriétés chimiques que l’iode stable ou l’iode 131. Le débit de dose de l’iode 132 est plus 84 fois élevé que celui de l’iode 131.

L’iode radioactif émet un rayonnement tout au long de la chaîne de fabrication des hormones thyroïdiennes.
L’iode 131 délivre l’essentiel de son rayonnement alors qu’il est dans la colloïde. A l’inverse l’iode 132 en raison de sa période courte délivre son rayonnement alors qu’il est plus proche de la cellule thyroïdienne. Cela pourrait expliquer que les effets de l’iode 132 sur la thyroïde soient plus importants que ceux de l’iode 131.

上のジレ氏の記事とほぼ同内容です。最後に「このことにより甲状腺内のヨウ素132はヨウ素131よりも重要であると言えるだろう。」とはっきり目に書かれています。もちろん同量到達したときの話で、到達率はまた別の話になると思います。

簡単な纏め

・84倍の根拠を示す文献は見つかっていない。

・放射性ヨウ素は甲状腺到達後24時間以内(ラットのデータ)の崩壊と、以降の崩壊とで重み付けを変える必要がある。(ように思われる)

・その上でチェルノブイリなどのデータを再評価し、整合するか確認する作業が必要かもしれない。

・【追記 2013.9.28】同じ量=同じベクレルとすると(普通はそう、、、)、ベクレルの定義からして、このような効果によってテルル132やヨウ素132のリスクがヨウ素131のリスクを大幅に上回ることはあり得ない。

コメント

Rintaro 𝙉. @qu_cerca_trova 2013年9月28日
NCRP80に似た話が取り入れられていて、その後159で却下されたとの話を聞きました。有料の資料で確認できず、詳しい情報もしご存知の方いらっしゃいましたら。。 線量率効果と濾胞効果の違いも気になっています。
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Rintaro 𝙉. @qu_cerca_trova 2013年9月28日
同じ量を同じベクレルとすると、ベクレルの定義からしておかしい話のようです。後程更新します。
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Rintaro 𝙉. @qu_cerca_trova 2013年9月29日
MAKIRINさんのツイートを追加しました。
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Rintaro 𝙉. @qu_cerca_trova 2013年10月21日
線量と線量率を誤訳していた箇所を訂正しました。「ヨウ素132の被曝線量率はヨウ素131のそれより84倍多くなると計算し」の部分です。元は単に被曝線量としていました。
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