《「前を向く」とは、どういうことか?》

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宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

0 途切れ途切れになると思いますが。 ここから先は、連続ツイートのつもりです。 地震・津波・原発事故発生後、被災地・被害地、被害者は、ずっと、 「下を向くな、 後を向くな、 前を向け。 そうしたら支援してやるぞ」 と言われてきた、と私は感じている。

2013-09-27 19:49:56
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

1 だから、被災者は、何かがあるたびに、取材者や支援者に向かって 「前を向くしかない」とか 「これで一歩前進できる」とか 「下を向いていても始まらない」とか 「復興はしなければならない」とか 言い続けている。

2013-09-27 19:51:54
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

2だけど私には、 今もまったく理解も納得 できないことがあるのだ。 前って、どっちだ? 復興ってどっちにあるんだ? 失った命は帰らない。 沈んでしまったものは戻らない。 何より「安心」など 海に対しても 原発に対しても もう持てない。 分かりきっているじゃないか?

2013-09-27 19:56:23
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

3 だけど 被災地のどこかで被災者が あるいは世界のどこかで被害者が 「前を向こう」 「復興するしかない」 と言わされている。 あるいは そう言わないと、報道してもらえない。 あるいは そう言わないと、支援を打ち切られそうな気がしている。 言えば言うほど、忘れられるのに。

2013-09-27 19:59:11
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

4 「3.11前の生活に戻ること」が「復興」であり、 それを目指す方向が「前」だとするならば、 私は「前」を向かない。 東京電力の原発が世界最悪の事故を起こし、 「3.11前の生活」に戻ることなどできないことは、 私には2011年3月12日の1号機爆発で確定したことだから。

2013-09-27 20:02:44
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

5 原発事故発生後、 私は繰り返し書いた。 「環境の、完全な除染などできない。 森林の除染は不可能だ。 それは、たった1基の原子炉が事故を起こし、すぐに収束した チェルノブイリ原発事故の後で、 既に実証されている。 東電の原発は、原子炉3基、燃料プール5箇所が事故の最中だ」と。

2013-09-27 20:06:14
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

6 そのたび、 私は激しい反発と、 根拠がない楽観論と、 裏づけがない「科学者」の反論とに さらされてきた。 「復興しようと考えないことはありえない」 「人間が起こした事なのだから人間に対処できないわけはない」 「事故を大げさに表現し、不安を煽っている」 と。

2013-09-27 20:08:39
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

7 事故発生後、2年半以上が過ぎた。 間違っていたのは、私だったのか? できないことはできないのだ。 人間は、取り返しが付かないこともしてしまうのだ。 事故は「科学者」が言っていたよりも はるかに深刻で、いつ終わるのかさえわからない。

2013-09-27 20:11:26
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

8 私は、 他の多くの人と考えていたことが違うので あえて同じ言葉を使わないで来たのだけれど。 私なりに「前を向いて」来たのだ。 「前」とは。 「原発事故という現実」。 正面から見つめなければならない相手。 目をそらしてはいけない相手。

2013-09-27 20:14:05
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

9 「復興だ」「前を向こう」と言ってきた人たちは、 目をそらしてきたじゃないか? 本当は、前など向いていなかったじゃないか? チェルノブイリ原発事故という、過酷な事実から、 被曝の遺伝的影響の可能性という、広島長崎でごまかしてきた現実から、 目を背けてきたじゃないか?

2013-09-27 20:16:42
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

10 過酷であっても、恐ろしくても、 逃げてはいけない可能性から逃げて、 目をそらしてはいけない現実から目をそらして、 それで「前を向く」? 現実逃避とどこが違う? 「前を向く」と言えば、 放射性物質が消えたり無力化できたりするのであれば、 私もその言葉の輪に加わるけれど。

2013-09-27 20:19:54
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

11 「復興」を口にし続けた結果、何が起きた? 「復興」名目で、地震・津波・原発事故とは無関係な部門に金がばら撒かれ、 被災地ではなく東京に金が還流するシステムに乗せられ、 時間の経過とともに「復興」が進んでいるかのような錯覚にとらわれる人が増えてきた。 「復興」とは、無関係に。

2013-09-27 20:24:11
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

12 おそらく、数年後。 復興庁は消えて失せる。 「復興関係予算」もなくなる。 阪神淡路大震災よりもずっと広範囲で、 ずっと深刻だった今回の地震・津波の被災も、 過去の災害と同じように忘れようと、 この社会はするだろう。 これまでも、日本社会は忘れることを反復してきたのだから。

2013-09-27 20:29:25
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

13 できるだけ早く災害を忘れるために 日本社会は「復興」という言葉を、 被災者にも被災地にも、 マスコミにも繰り返させてきたのだろう。 まるで 「痛いの、痛いの、飛んでけー!」 の、おまじないのようだ。 痛みの原因を突き止めることも、 必要な治療をすることも、 後回しにして。

2013-09-27 20:31:54
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

14 そして、原発事故も、 まるで災害の一部であるかのように 「復興」という言葉で忘れようとする。 被害者にも。協力して忘れるように 国と県とマスコミと「科学者」たちから 半強制的に誘われるのだ。 「復興って言わないと、ダメだよ」と。

2013-09-27 20:36:04
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

15 もう分かってきたじゃないか。 誘われるままに「復興」と言い続けても、 国も県もマスコミも「科学者」も 責任を取りもしないし、 責任を持ちもしない。 「あなた方被災者が『復興』と言ったんだから、これで良いでしょ?」と 置き去りにされるんだよ。

2013-09-27 20:38:34
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

16 今度こそ、ちゃんと「前」を向こう。 原発事故という現実と、正面から向かい合おう。 「現実」から逃げるな。 放射性物質から、逃げろ。守れ。 守るべきは、人間の命と健康。 死んでしまった人の命を取り戻すことができないように、 放射性物質を消すことはできない。

2013-09-27 20:42:24
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

17 人の不安は、 誰かに何かを言われたからと消せるものじゃない。 だけど、減らすことはできる。 万が一のことが起きないように努力することと 万が一のことが起きたときの対策をする事で。 それこそが「安全・安心」への道じゃないのか?

2013-09-27 20:46:41