職業として『音楽』とともに生きる方法・・・既存の枠で満点を取ろうとしても割を食うだけだ

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Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

ここ8年くらい、結構沢山の「作曲家自筆譜」の類を見てきました。そこで素朴におどろいたり、場合によっては勘違いだったものも含め、衝撃を受け印象を刻印したものが沢山あります。で、いま僕が演奏するとき、そういう沢山の経験で染み付いたものが、すべて滋養になってるのを実感します。大切な経験

2013-09-28 10:48:17
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

日本のクラシック・ファンの中にはある傾向が見られることがあります。表現微妙ですが「耳年増」的な方がおられる。色々物知りな方がある。時折自分の仕事を黙ったまま、そういう方がとくとくとされるお話を聞く事があります^^伝聞と印象の積み重ねに好き嫌いが結びついている。趣味なら良いのですが

2013-09-28 10:52:21
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

音楽を人気商売で考えるならこういう事言わない方がいいんでしょうけど、ここで専門の若い子も見てるからちゃんと書くと、まず譜面をよく読みましょう、と。音を出してみる。歌ってみる。必要なことは調べてもみよう。でキチンと体にそれをいれる。耳学問で演奏は出来ない。全身全霊で向き合おうね、と

2013-09-28 10:54:39
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

受身のエンタテインメントと能動的な仕事との最大の違いは「リスク」への対処を見れば分かる。おいしい所だけつまみ食いして好き嫌いで動けるのは趣味の世界で、そこではリスクなど無関係でいい。逆に自分が身に引き受けて仕事をアクティヴに進める上では最初にあらゆるリスクを勘案する必要があります

2013-09-28 10:56:51
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

変な話をすると、試験って実は、この観点からいくと、ほとんど満点しか取れなくなる、というのがあります。実際いますよね、全教科100点に近い優等生。僕は子供のころは全然そんなじゃなかったけど、あれは「リスク回避」の観点で全教科を見てれば、必然的に減点が減っていって満点に近くなるもので

2013-09-28 10:58:14
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

僕は若い人が、「守り」ばっかに回るのは良くないと思っています。もっと無鉄砲でいいから飛び込んで冒険したほうがいい。30とか過ぎて「若いころ冒険しなかったなぁ」という人もいます。で、そういうときに「リスク」を適切に評価しながら進むのが大事と思うわけ。わざわざ危険な事をすべきではない

2013-09-28 10:59:41
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

だから、既存の枠で100点満点を取ろうとか思わないほうがいい、と言う訳。自分で設定しろよ、と。85点でいいとか70点でいいとか65点でいいとか、既存の枠のクリアは歩留まりを設定するとして、残りの35とか20とかで思い切り冒険してみなよ、そのほうが後悔なく君らしい道が開けるよ、って

2013-09-28 11:00:57
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

うちのラボには音楽専門の優秀な若い人たちも来てくれるけれど、民俗学とか仏文とか独文とか宗教学とか、別の分野の修士博士の子もやってきて、それがおよそ分野が違いそうな形でけっこう遅くまでコンピュータ回して解析とかしてたりするんですが、基礎さえしっかりしていれば横紙破り大歓迎と思う訳。

2013-09-28 11:04:20