つぶやき推薦図書その1 <東浩紀>
母と久しぶりに電話したら「罪と罰」を読んでいた。平凡な高齢者主婦視点の要約であらためて聞いて、ドストエフスキーの人物造形の確かさと物語の力強さに舌を巻いた。ドストエフスキーはいまデビューしてもベストセラー作家まちがいなしだな。
2009-10-22 16:40:48ルソーのマストは『社会契約論』で、これでマジで集合知っぽいこと言っているのでぜひみなさん読んでほしいのですが、あまり知られていないところで『コルシカ島憲法草案』という応用編があってそちらもおもしろいです。
2009-10-26 06:27:07『コルシカ』では、30歳まで結婚しない奴や、妙に年齢の離れた女性と結婚する奴は市民権を止めろと書いてありますw。
2009-10-26 06:28:27いや本当にひどいんすよw。ちなみに正確には、20歳未満で結婚するやつ、30歳になってはじめて結婚するやつ、15歳未満の娘と結婚するやつ、20歳以上年の離れた未亡人や娘と結婚するやつはすべてNG。RT @sakaisampo: きゃーっ! ルソー、ひどいよ、ルソーw
2009-10-26 06:38:41しかし現代でもっとも問題になりそうなのは、やはり30歳条項だな。これ、当時は、遊び人の証拠みたいな感じだったんですかねえ。
2009-10-26 06:40:40いや、しかしちょっと待て。ルソー自身が、長いあいだ女中との事実婚で、おまけに子ども5人はすべて孤児院に送り込んでいた感じがするぞ。。。w 彼自身がこの30歳条項にひっかかっているのではないか。自戒を込めているのかw
2009-10-26 06:42:42ルソーの時代、すなわちルイ15世の時代。政治は徹底して機能不全。膨らむ財政赤字。イギリスは産業革命前夜。アメリカは独立戦争前夜。すべての表現が模倣へと堕し、変わらぬアンシャンレジーム。「百科全書」が創刊されるなど新しい知の胎動はある。うーん、じつに現代的な設定な感じがするな。
2009-11-02 23:12:21この本、専門家でなくても読めて、しかも問題点超クリア、おまけに本文は100ページぐらいと(コストパフォーマンスは悪いけど)お薦めです。
2009-11-02 23:58:29ひと世代前の環境に最適化した企業は、新しい環境が現れるとまっさきに滅びる。活字文化云々の議論は本質的にはそういうことであり、そしてそれだけの話である。書籍が紙かデジタルかという話ではない。
2009-11-09 15:18:07たとえばTwitterがいまもりあがっている。ではそのもりあがりをどうアウトプットにするか。関連本を作るか雑誌で特集をするか。それしかできないのが「出版社」という枠組みだ。いろいろ仕掛けてもアウトプットの選択肢がとても小さいのだ。これは小さいながらゼロアカで感じたことでもある。
2009-11-09 15:22:04publishは「なにかをpublicにする」という意味だ。かつてマスメディアは紙しかなかったから、publisherは紙の出版社となった。しかし原点に返るべきではないか。マイナーなものをいかにパブリックな領域に引き入れるか、その役割を現在の技術的環境でいかに果たすか。
2009-11-09 15:27:33文学者や編集者には、活字文化の衰退とか出版不況とかいうまえに、とりあえずクリステンセンの『イノベーションのジレンマ』ぐらいは読んでいてもらいたいものである。
2009-11-09 15:29:05テレビで取り上げられると本が売れるとか、賞レースがどうとか、まじで真剣に心の底からどうでもよい。重要なのは、そのメディア(雑誌なり出版社なり番組なり)が、新しく不可視でマイナーなものを可視化(公共化)する気概と戦略をもてているかどうかだ。公共性はその気概に宿る。
2009-11-09 15:32:44われわれがツイッターしか見ていないようにw、文芸関係者は文芸誌と小説誌に書評が出たものしか読んでいない。それがポストモダンである。RT @tokada: 『イノベーションのジレンマ』とか『キャズム』とか、実は文芸系の出版関係者はあまり読んでないのだろうか。
2009-11-09 16:59:25多少世間知らずでも文脈無視でもがんがんやればいいのである。「社会人の編集者にそんなことはできない」と言われそうだが、しかし組織こそ新しい環境にあわせて改善すればいいのだ。そもそも会社というのは、取引コストの低減のために生まれた組織のはずなのに、現状ではその逆になっている。
2009-11-09 17:23:47ロナルド・コースも薦めておこう。ぼくは経済音痴と思われているが(しかしリフレ派マンセーの現在の論壇でなにを言えと??)、GLOCOMにいたせいでこういう本だけは読んでいるのである。
2009-11-09 17:26:33ちょろちょろしていました。GLOCOMのisedという研究会、そして『情報環境論集』(講談社BOX)という著作をご覧ください。RT @revzard: @hazuma 私は東さんの「民主主義2.0」構想を朝生で初めて知ったんですが、以前からこのような話はされていたんですか?
2009-11-15 18:42:34でもまともに書籍化するのはこれからの仕事ですね。とりあえず今月発売の『本』(講談社)で「一般意志2.0」という新連載が始まります。
2009-11-15 18:43:54あ、あと、「ギートステイト」というSF企画の設定を手伝ったことがあって、そこでもちらちら似た話はしています。http://blog.moura.jp/geetstate/
2009-11-15 18:44:49