40 しかし、不謹慎にもその光景は、 どことなく美しかった。 彼の胸の中で眠る彼女は幸せそうな表情で、 彼の目尻からは一筋の涙の痕。 俺は、彼の手に握られた手紙に手を伸ばした。 彼女からの手紙。 手紙の下の方に、 付け足したであろう彼の文字。
2013-09-26 00:42:2239 赤い水溜まりの上に彼が彼女を胸に抱き、眠るように横たわっている。 "嘘...." 俺はその場に立ち竦み、ただその場面を見つめることしかできなかった。
2013-09-26 00:38:1238 彼氏の家であろう部屋の前まで来た。 ドアノブに手を掛けると鍵は開いていた。 俺は奥の部屋へと急いだ。 その瞬間、 鼻をつくような鉄のような匂いと共に、 真っ赤な景色が瞳に映った。
2013-09-26 00:34:4337----シゲアキ目線 突然切れた通話 何があったのか分からない。 ただ何かこのままではいけない気がした。 俺は彼女の居場所を調べた。 それには長い時間がかかったが、放っておくわけにはいかなかった。 数時間後、ようやく居場所が分かり、俺は急いでその場所に向かった。
2013-09-26 00:31:1736 "俺も...お前んとこ行く..." そう呟き、彼はポケットの中からナイフを取り出した。 手紙を握り締め、 涙を拭い、 喉元に刃先を宛がった....。
2013-09-26 00:25:2935 俺は、...最低だ。 取り返しのつかないことをしてしまった。 一番失ってはならないものを 失ってしまった。 世界で一番大切な、命より大切な 俺の彼女.... 彼はリングを握りしめ、ただただ泣いた。
2013-09-26 00:22:35貴くんがいてくれて、私毎日幸せなんだ。 あっ、プレゼント、私とお揃いなんだよ?気に入ったらでいいから、付けてくれると嬉しいな。 ━━ふと彼女を見る。 彼女の左手の薬指にはめられた 小さなリング プレゼントに入っていたのと 同じデザイン。 彼は、泣き崩れた。
2013-09-26 00:17:48貴くんへ。 貴くん、いつもありがとう。 貴くんは私を毎日好きでいてくれるね。たまに乱暴で怖いときもあるけど、全部含めて、貴くんだから。約束守れない私が悪いの。 どんなに怖くても、本当の貴くんは優しくて明るいの、私知ってるよ?一途で、何事にも一生懸命な、がんばり屋さん。
2013-09-26 00:13:4334 "お前が彼奴と会ったりするから...プレゼントなんてもらったりするから..." ふと、プレゼントに目がいく。 よく見ると、手紙が付いている。 手紙を開けて、 彼は吃驚したように、 彼女を見つめた。 "これ...俺宛て... ?"
2013-09-26 00:07:4333 暫くすると、彼の表情は柔らかく微笑んでいた。 "やっと...俺だけのもの...これからはずっと一緒だ..." 彼女の頬にキスを落とす。 "こうでもしなきゃお前はすぐに逃げちゃうもんなぁ... でもほら、やっぱり俺からは逃げられないんだよ。"
2013-09-26 00:04:1432 静かな部屋に、 1人の泣き声だけが響く。 彼は彼女から手を離した。 彼女の首には彼の手形がくっきりと残っていた。 "ごめん....ごめんな...." 彼の涙はとどまることなく流れ続け、 そのまま彼女を胸に抱き締めた。
2013-09-26 00:00:0631 頬を伝う貴方の涙は 温かかった。 "ずっと、ずっとずっとずっと!...俺から離れんなよ..." 泣かないで...貴くん... 貴方の涙を拭おうと伸ばした手。 しかしそれは虚しく、 床に落ちた。 彼の涙を拭うことはできなかった 貴くん.. 大好き..
2013-09-25 23:57:2230 "俺だけを見てくれないなら、こうするしかないんだ。お前を殺してでも俺だけのものでいてほしいんだよ!" ギリギリと締め付けられる首。 意識がどんどん遠退いていく...。 私の頬にポタッと雫が落ちた。 あ...貴くん...泣いてるの...?
2013-09-25 23:53:2829 そんな声はもう貴方に届かない。 私の首に掛けられた手に力が入る。 私はもう、彼を止めることはできない。 彼も自発的に精神を整えることなんてできない。 そう悟った私は 目を閉じた。 この前みたいに手の力が緩むことはなかった。
2013-09-25 23:52:4528 違っ、違 コト...っと、何かが落ちる音がした。 あ...あれは貴くんへのプレゼント... 床に押し付けられた反動でバッグから出てきたらしい。 "これ...彼奴からもらったの?" え...? "彼奴からのプレゼントでしょ?" それは、貴方に贈るはずだった物。
2013-09-25 23:49:3427 "大丈夫、死んでもずっと俺が傍にいるから..." 優しく私の髪を撫でた彼。 しかしすぐに顔は豹変し、私を床に押し付ける。 "何で?何で消さなかったの?先輩がすき?彼奴のことが好きなの?付き合ってるの?キスでもしたの?セックスでもしたの?俺に内緒で何したの?ねぇ!"
2013-09-25 23:45:4826 あ...あ... "あーあ、約束、また破っちゃったね?" 『おい!大丈夫かよ』 二人の声が、頭の中を駆け巡る。 "もう、許さない..." ハッと顔をあげると鋭い目付きで私を睨む彼。 電話の向こうからは先輩の声。 殺される。 瞬時にそう思った。
2013-09-25 23:45:4525 『もしもし!俺だけど、』 そうだ、 あのとき 連絡先消せって 言われてたのに... 『なぁ、大丈夫か?』 彼の方を向けない。 怖い。 震えが止まらない。 "どうしたの?" 彼の声。 段々呼吸が荒くなる。 "それ、もしかして、先輩?"
2013-09-25 23:36:0224 突然、私の携帯が鳴った。 甘い甘いこの空間を切り裂く無機質な着信音。 "....出れば?" や、でも "出ろ" ..! うん.. 携帯に手を伸ばし通話ボタンを押す。 『もしもし』 その瞬間。 私は自分が失態を犯したことに気が付いた。 ...先輩
2013-09-25 23:25:5623 優割れ物を扱うように彼は私を優しく抱く。 溶けていくように相手を求め合う。 彼と目が合うと、お互いに顔を赤らめて目を逸らした。 ふふ... "何笑ってんだよバカ..." 可愛いな貴くん(笑 "うっせ...//"
2013-09-25 23:25:5422 でも、それは、 助けを呼べないからなのかもしれない。 私を助けてくれるのは、 もう貴くんしかいない。 助けて、って足掻いても 彼に引き摺り連れ戻される。 そんな...地獄のような天国。 "愛してるよ" そう言って彼は私をベッドに押し倒す。
2013-09-25 23:21:2821 ん...ふ... 彼に肩を抱かれ、深く、キスをする。 息が苦しくなって彼の胸を押すと、ゆっくり唇を離す。 "んふふ" 貴くん... やっぱり、 私は 貴くんが好き。 どんなに傷つけられても どんなに苦しくても もう貴くんからは抜け出せない...
2013-09-25 23:21:25⑳ 部屋に入ると、彼はベッドの縁に座っていた。 貴くん? "ん?どした?" ん... "こっちおいで" 手招きされて、私は彼の隣に座った。なんだか気まずくて彼のいる反対側を向いていた。 "ね、キスしよっか" え!? 振り向いた瞬間、彼の唇が私のと重なった。
2013-09-25 23:10:45