連作小話「人を愛しても信じはしない」

中学卒業して紡績工場に集団就職した女の一代記。人を愛しても信じはしない。信じたら信じられた方の負担になる、可哀相だもの。
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土曜日 @doyoubi
#twnovel 中学を卒業して紡績工場に集団就職。仕事のきつさにめげてアルサロのホステスに。ここも酷かった、アホでエゴな人ばかり。そんな中にちょっといい男、若かったからすぐ惚れちゃった。私を救い出してくれる王子様と思ったのよね。ところが博打と女好き、子供を産んだのにねえ。
土曜日 @doyoubi
#twnovel しようがないから無我夢中で働いたわよ。私に出来るのは水商売だけ。客の気を惹いて指名料稼いだりしても、お金はすぐに巻き上げられてお馬さんのエサよ、女にもだいぶ注ぎ込んだだろうな、あいつ。今でも口惜しいから思い出したくない。三年経ったら私を捨ててあいつ消えちゃった。
土曜日 @doyoubi
#twnovel それからはスナックの雇われママやったり小料理屋手伝ったりして娘を育てるのに一生懸命。あの子には淋しい思いをさせた。一時、ちよっとグレかけたけどなんとか大人しかも母親になってくれたのが私の誇り。これが孫よ、男の子。可愛いくて賢そうでしょ。いい男になってほしいな。
土曜日 @doyoubi
#twnovel いい男といえば、色恋で本気になったのは一回だけ。相手は無口で実直な勤め人。でも、家庭があったのよね。飛ぼうかどうしようか悩んだけれど結局止めたの。人を愛しても信じはしない。信じられた彼に責任がかぶさって可哀想だもの。お別れ旅行、三日三晩愛しあったのが思い出なの。
土曜日 @doyoubi
#twnovel そして今はアパート生活保護一人暮らし。就職した紡績工場で辛抱していたら私の人生違っていた、なあんて思ってもしようがないよね。みんな運命、こうして健康で暮らせるのだから幸せと思わなくちゃ。えっ?なに?富司純子に私が似ているって?いいこと言うねえ。あんた、いい男よ。
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