千葉雅也さん@masayachibaの「なぜ『ギャル男』や『ラッセン』などを批評の対象にしてきたのか?」

基本的なレベルから「批評」についてわかりやすく言及されています
人文 ラッセン ゼロ年代 ギャル男 批評 千葉雅也
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千葉雅也『デッドライン』発売 @masayachiba
さて、僕がどうして「ギャル男」や「ラッセン」などを批評の対象にしてきたのか、という点について、誤解する人もいるようなので、これについてコメントしよう。
千葉雅也『デッドライン』発売 @masayachiba
現代の批評をよく知らない人にも聞いてもらいたいのですが、現代の批評とは、少数の「本当に美しいもの、かっこいいもの、おしゃれなもの」を見抜くことではありません。現代の批評とは、或る対象の構造を分析し、対象がどのように価値づけられるかの可能性を多面的に考察することです。
千葉雅也『デッドライン』発売 @masayachiba
現代の批評では、「本当にかっこいい、美しい、おしゃれなもの」を「真に」選択可能であるとは考えません。対象にプラスの価値を賦与するのは、特定の「文脈」(言い換えれば、評価者集団の慣習)です。なので、特定のものをこれこそ傑作と断言するのは、特定の価値観へのコミットでしかない。
千葉雅也『デッドライン』発売 @masayachiba
特定の価値観をベストであると信じるのは「イデオロギー」です。私たちは特定のイデオロギーを必ず有するし、それをベースにして表現活動をしますが、しかし「批評」とは、特定のイデオロギーの主張ではない。批評は諸イデオロギーの「比較」を基本とします。イデオロギーの主張は「政治」です。
千葉雅也『デッドライン』発売 @masayachiba
僕が、ラッセンなど、或る価値観から評価した場合に「明らかにダメな」ものを積極的に扱うのは、本当の良さが分からないからでもなければ、本当に良さに対して「逆張り」をしているのでもありません。「本当に良いもの」など存在しない。良い(かつ悪い)ものは複数存在することを示すためです。
千葉雅也『デッドライン』発売 @masayachiba
ここまでのコメントに対しては、「よくあるポストモダン相対主義であり、本当に良いものを分からないから相対主義に逃げている」という反論がありうる。その場合ならば、文脈相対性によって破砕されない、単一ないし有限個の「美」なり「グッドデザイン」なりの存在論的な基準を構成してみせてほしい。
千葉雅也『デッドライン』発売 @masayachiba
単一ないし有限個の「美」なり「グッドデザイン」なりの存在論的な基準を構成するという作業については、僕の知る限り、世界の美学者において一致した結論はないはずです。特定のしかたでそうした基準を構成してもそれは仮説です。ないし、それを感情的に主張するならばイデオロギーであることになる。
千葉雅也『デッドライン』発売 @masayachiba
私たちは(a)特定のイデオロギーによる表現活動=政治をしながら、同時に、(b)イデオロギーを比較検討する活動としての批評をするわけです。(a)と(b)はしばしば境界が不分明になり(あえてそうすることで(a)の主張に役立てるというテクニックもある)、そのためにいざこざが起こります。
千葉雅也『デッドライン』発売 @masayachiba
お買い物の基準は各人の趣味判断であり、そのレポートの詳細を読むとおもしろいところもあるけど、僕の趣味とは違うし、何らかの理由づけで良し悪し判断をするタイプの言説だから、それについて争論する必要はない。そもそも、自分の趣味判断について「ツッコミを入れてみろよ」という態度が意味不明。
千葉雅也『デッドライン』発売 @masayachiba
だいたい僕は、服飾において、世界の構造に関する思想をオリジナルに展開していたりしないファッション語りには興味ないです。
ラッセンとは何だったのか? ─消費とアートを越えた「先」

原田 裕規,斎藤 環,千葉 雅也,大山 エンリコイサム,上田 和彦,星野 太,中ザワ ヒデキ,北澤 憲昭,暮沢 剛巳,土屋 誠一,河原 啓子,加島 卓,櫻井 拓,石岡 良治,大野 左紀子

思想地図β vol.1

東 浩紀,宇野 常寛,千葉 雅也,速水 健朗,北田 暁大,鈴木 謙介

現代思想2013年1月号 特集=現代思想の総展望2013

大澤真幸,成田龍一,上野千鶴子,小泉義之,千葉雅也,大野更紗,Q・メイヤスー

日本2.0 思想地図β vol.3

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現代思想 2013年6月号 特集=フェリックス・ガタリ

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