【緊デジ】 電子書籍に関する出版デジタル機構の現状と竹の子書房からの提言 【竹の子書房】
本日のお題「緊デジの中間報告」(´Д`)
スタートから1年、出版デジタル機構の現状と次なる構想を聞く http://t.co/nJ3lOoO5V6 緊デジ(出版デジタル機構)が1年やって得た吃緊の課題点が、竹の子書房の3年間で得た課題点とまったく同じだったので、出版デジタル機構=竹の子書房説が急浮上(`・ω・´)
2013-10-08 08:57:17緊デジが見出した課題点(・ω・)
竹の子書房が見出したのと同じ結論に辿り着いたらしいです(´Д`)
緊デジ(コンテンツ緊急電子化事業=民主政権下で始動し、書籍の電子化に助成金を出した)は数千~数万の電子書籍を新たに作る手がかりとなったけど、コストの問題(助成金を足しても人手が賄えない)から、FIX型電子書籍がその多数を占めたのは知っての通り。知らない人も知って下さい。
2013-10-08 08:59:10FIX型電子書籍というのはコミックの電子書籍や自炊本に代表される、「底本のページをスキャンした画像ファイルを束ねてひとつのアーカイブに綴じたもの」。FIX=レプリカとも言い、元の内容はそのまま保存される。スキャンのみなので製造コストが小さい(校正がほぼいらない)。
2013-10-08 09:00:31ただ、iPhoneやAndroidスマホのような小さい画面の端末ではネームが潰れて読めないか、潰れない程度の高精細モニタがあっても、老眼が始まった中高年には読めない。画面を拡大させて移動させながら読むのは、コマ割りの不揃いから余計な負担が掛かり不人気。
2013-10-08 09:01:42竹の子書房の電子書籍は当初、主に「素材から本の形態にする編集工程の習得」と「見映え」に主眼を置いていたため、PDFで作られていた。現在の無償版PDFはそれで(今も不定期に作ってますが)、PDF版電子書籍と言われるものはFIX電子書籍とイコール。
2013-10-08 09:03:07で、Amazon KindleはコミックはFIX型だけど、文字本はリフロー型。リフロー型は底本をそのままスキャンした画像ではなく、テキストファイル化したもので、リフロー=溢れた文字が次のページに流れる、もの。緊デジでは、このリフロー型電子書籍はあまり作られなかった。
2013-10-08 09:04:34作れなかった理由はぶっちゃけて言えばコストで、底本を裁断してスキャンするだけ(ちょっと言い過ぎだけど)のFIX型に比べて、紙の本の状態でしか存在しない底本をスキャンしてOCRで取り込んだ文字群を校正するのに、時間・人材・技術的に過剰に負担が掛かる。繰り返し言ってるけど自動化不能。
2013-10-08 09:06:35この校正に関する点は竹の子書房でも繰り返し指摘してきたけど、出版デジタル機構でも解消の手立ては見つからなかったらしい。リフロー本を作るのに掛かるコストは、下手すると「印刷費を除いた紙の本の製造コスト」にほぼ匹敵しかねない。が、電子書籍にはキャッシュフローとしての取次がない。
2013-10-08 09:08:52紙の本は「実際の売上」が入る以前の時点で、刷った本を〇冊分取次に納めれば、取次が「納められた本は売れた」という前提で、実際に売れる以前に前払いで支払いが出てくる。そこから確実に制作費(原稿料も)が確保できたが、電子書籍にはそれがない。
2013-10-08 09:10:19かといって、「キャッシュフローを出版デジタル機構が担う」わけでも、「国が担う」わけでもない。緊デジの「電子化のための助成金」は、キャッシュフローの代替を狙ったものだったかもしれないけど、それでもFIX本を作るのが関の山だった。
2013-10-08 09:11:21実際に作られたFIX本は「元の底本の画面そのものを残すことに意義があるような資料本」が多かったという話なので、それはそれで確かに無価値だったとは言わないけど、そういう本は大量に消費(読書)されるわけじゃないから、保存の価値はあっても商業出版として価値はないと思う。
2013-10-08 09:12:26野副取締役のインタビューの後半はビットウェイ買収とかインフラとか書誌フォーマットの統一とかそういう、上位でしかできない話になるのでそこは頑張って貰うとして……結局のところ、「商業流通させるためのコンテンツのデジタル化コスト」という末端コストの解決については、お手上げだと分かった。
2013-10-08 09:14:05実はこのインタビューが竹の子書房宛で、野副取締役は実はAZUKIだったんだよ、と言われても何の違和感もないくらいに意見一致w
2013-10-08 09:14:35今後の電子書籍の課題
今後の電子書籍には、 A)これから新たに作るもの B)既刊本でまだデジタル化されていないが、原稿・印刷原稿の原本が電子作業(DTP)で作られ、それが残っているもの C)既刊本でDTP原版が存在しないか、元々非DTPで作られたもの(底本が紙の本しか存在しないもの) ……がある。
2013-10-08 09:17:29これから新たに作られる(A)は、紙の本を編集する段階で電子書籍を同時に作ってしまう(校正などの済んだテキストを、DTPデータから自動出力するなど)ことが可能になるので、電子化コストは格段に安くなるとは思う。書籍版との同時刊行も技術的には可能だ。
2013-10-08 09:18:53電子書籍はキャッシュフローがなく、宣伝にコストが掛けられないが、書籍版と作業を統合すれば、宣伝(店頭の平台に並ぶだけでも、棚差しされるだけでも周知機会は増える)の負担は小さくなる。紙の本でなく電子書籍がチョイスされることに、版元と取次は抵抗感あるかもしれないけど。(実際あるらしい
2013-10-08 09:20:11また、「重版を掛ける代わりに電子書籍化」という選択肢も出てくるとは思う。同時リリースできる早さで作れるけど、重版が掛かるくらいまで電子版は出さずに書籍の初版収益を確定させよう、という考え方で、これは営業上の折衷案になると思う。
2013-10-08 09:21:13http://t.co/xjaDIWp56n これの(B)は、少なく見積もってもこの15~10年内の本の多数がその状態で存在しているはず。運がよければ(A)に準じる手間で出せるはずだが、10年違うとソフトのフォーマットの互換性が怪しくなってくるので、時間経過と共に(C)寄りに。
2013-10-08 09:22:42http://t.co/xjaDIWp56n (C)が実は大きな課題で、(B)でも原盤喪失しているものが膨大にある(初版しか売れずに絶版、編集者が退社・不明、編集部の引っ越しや解散、版元倒産などでデータが行方不明とか珍しくない)。
2013-10-08 09:23:55http://t.co/xjaDIWp56n また、DTPが普及しだしたのはQuarkExpressの時代だが、爆発的に普及定着したのはInDesignになってから、と考えて差し支えないと思う(Pagemakerとかはとりあえず横に置く)。
2013-10-08 09:25:18InDesignCS6は、3.3以降のQX、6.0以降のPagemakerのデータを一応扱えることになっているが、設定や何やらが完全に取り扱えるわけではないので、InDesignローカルから出力するePub3を完全に作れるわけではない。
2013-10-08 09:27:19