武井さんのインパルスレスポンス講座

パブリックアドレス・武井さん(@meza3)によるインパルスレスポンス講座。 適切すぎて惚れるレベル。
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武井一雄🇺🇦ウクライナを想う @meza3

インパルス=瞬時に立ち上がり立ちさがるのパルスは直流から超高域までの広帯域のエネルギーを含んでいます。そしてインパルスがスピーカ、部屋、マイクを通って変形した結果がインパルス応答です。ここには全体域の振幅と到達時間の情報が全部含まれています。これを計算すればf特も位相も全部わかる

2013-10-08 19:44:41
武井一雄🇺🇦ウクライナを想う @meza3

良質のインパルスは風船を破裂させることで得られます。が、風船にせよスピーカによる再生にせよ、瞬間=無限小に近い時間で再生されるエネルギーはあまり大きく出来ないので充分なSN比を得ることが難しいのです。そこでピンクノイズやサインスイープなどから逆に計算することで良質のIRを得ます。

2013-10-08 19:48:09
武井一雄🇺🇦ウクライナを想う @meza3

理想的な伝達経路、たとえばマイクケーブルのインパルス応答は限りなく元のインパルスそのまま=縦棒一本になります。そして、例えば適当に設定されたディレイマシンを通したインパルス応答はいくつかのパルス=縦棒が高さを小さくしながら繰り返すものになります。超簡単。

2013-10-08 19:54:33
武井一雄🇺🇦ウクライナを想う @meza3

そしてマイクケーブルのインパルス応答=縦棒一本に音声信号を突っ込むと、音声が棒縦を通る瞬間に、縦棒に応じた高さで出力される、、と仮に思って下さい。結果、入ってきた音がそのまま得られます。ではディレイマシンのIR、繰り返しつつ低くなる棒の列に音声を通すと、同じ音が減衰しながら(略

2013-10-08 19:58:45
武井一雄🇺🇦ウクライナを想う @meza3

では、インパルス応答の立ち上がりが縦棒一本でなく、/のようになだらかだとしたら?物凄く乱暴に言いますが、瞬時に立ち上がらずゆっくりと立ち上がる、高速で変化する成分、すなわち高域が減衰することになります。このようにインパルス応答と信号を演算して結果を得ることを「畳み込み」といいます

2013-10-08 20:04:22
武井一雄🇺🇦ウクライナを想う @meza3

実際のホールではもっと複雑なインパルスと応答(IR)が得られるわけですが、任意の音声信号をこのIRで畳み込むと、あたかもそのホールで鳴らしたような音が得られるわけです。これがコンボリューションリバーブで、もちろんそこには再生に使ったスピーカの特性も入ってます。おお怖い。

2013-10-08 20:20:56
武井一雄🇺🇦ウクライナを想う @meza3

こうしたIRファイルを交換するコミュニティもあるようですね。とりあえず気に入った響きのホールでスイープ音を録音しておくといいかもしれません。マイク1本だとモノリバーヴにしかならないので2本以上立てましょう。http://t.co/ZTVk2qQx5A

2013-10-08 20:23:20
武井一雄🇺🇦ウクライナを想う @meza3

Smaartのインパルス応答画面もたまには眺めてみるといいかもしれません。hit I key. 窓をかける=原信号から任意の到達時間枠に絞った周波数特性も見ることが出来ます。つまり直接音に限定したf特や反射音だけのf特が見られる。http://t.co/ZTVk2qQx5A

2013-10-08 20:31:02
武井一雄🇺🇦ウクライナを想う @meza3

直接音だけの特性が見れるとか神じゃん?って思うわけですが、原理的に原音と時間差の少ない反射波を取り除くために時間窓を小さくすると低域特性はごく大雑把にしかわかりません。中高域も、んー、なんとなくこれが直接音の特性っぽい?ぐらいのものなので過度な期待は禁物です。

2013-10-08 20:34:26
武井一雄🇺🇦ウクライナを想う @meza3

このようなPCソフトによるFFTが出来るようになる前は、サインスイープを流して、バンドパスフィルタをスイープさせることで反射はを取り除く/取り出す手法がありました。直接音の到達時間にあわせてフィルタのスイープを遅らせると、その周波数だけが取り出せるわけです。

2013-10-08 20:48:22