あたしか氏による、中原浩大「自己模倣」展(岡山県立美術館)についての連ツイ

あたしか氏 ‏@atashika_ymyh による、 中原浩大「自己模倣」展(岡山県立美術館)についての連ツイ 中原浩大「自己模倣」展(岡山県立美術館) http://www.pref.okayama.jp/seikatsu/kenbi/exh_nakahara.html
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あたしか @wakarige075

昨日見に行った展覧会のDMやらなんやらをTumblrにうpしました→ http://t.co/SJBGFhUpil

2013-10-11 13:59:16
あたしか @wakarige075

0)これから中原浩大「自己模倣」展(岡山県立美術館)について連ツイします。TLが当方のツイートで埋まるのが嫌な方は #artweet をミュートしていただければ幸いです

2013-10-11 14:03:54
あたしか @wakarige075

1)岡山県立美術館で開催中の中原浩大「自己模倣」展。80年代以降の関西現代美術界隈における最重要人物の一人である中原浩大(1961~)氏の、美術館レベルではおそらく初となる回顧展 #artweet http://t.co/1wOyGmfgmq

2013-10-11 14:05:03
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あたしか @wakarige075

2)中原氏は80年代初頭から90年代前半にかけて精力的に作品を発表し、後に関西ニューウェーブと呼ばれることになる潮流の中でも特異な位置を占めることになりますが、その特異性ゆえ今日に至るまで判断保留状態に置かれてきたのもまた事実ではありまして、 #artweet

2013-10-11 14:05:43
あたしか @wakarige075

3)それだけにこの「自己模倣」展の開催が発表された際には、今や半ば伝説化されたマスターピースのみならず、発表当時以来一度も再公開されていない作品も含めた大規模なものとなるのだろうかと、けっこう期待していた次第。 #artweet

2013-10-11 14:06:54
あたしか @wakarige075

4)で、会場に入ってみると、様々な作品が所狭しと並べられ、その中を順路とか関係なしに回遊していくという趣に構成されていました。年代やテーマ的な関連性に従って並べられている感は相当希薄化されていたと、さしあたっては言えるでしょう。 #artweet

2013-10-11 14:07:33
あたしか @wakarige075

5)中原氏に関しては、「関西ニューウェーブ」時代のことを中心に伝説化されたり、逆に韜晦のベールに包まれたりすることがかなり多いわけでして、そんな中でまずは作品そのものを虚心に見せようというのは、これはこれで誠実な態度ではあります #artweet

2013-10-11 14:08:26
あたしか @wakarige075

6)まぁ《レゴモンスター》や《海の絵》、《ビリジアンアダプター》といった作品がそもそも出展されてなかったり、《果物グラフ》が(果物の交換作業のために)大理石の台座と鉄の棒だけがぽつんと置かれてるだけだったりと、不満点をあげたら割とキリがないんですが(^^; #artweet

2013-10-11 14:09:09
あたしか @wakarige075

7)あと、再制作が割と多い(2010年に作品倉庫が火事に遭って、少なからざる作品が焼失したから)ことも、気にする人的にはマイナスポイントになるかもしれない。当方はさほど気にしないタチですが、《コウダイノモルフォ》が再制作だったことには素で驚いたわけで #artweet

2013-10-11 14:09:51
あたしか @wakarige075

8)――え? 《ビリジアンアダプター》とセットで豊田市美術館に収蔵されてたんと違うん!? という。おしえてえらい人orαMの中の人←<《コウダイノモルフォ》 #artweet

2013-10-11 14:10:35
あたしか @wakarige075

9)ともあれ、中原氏が彫刻から出発しつつ、前時代以来の彫刻-立体の問題圏をあっという間に(?)突き抜けていく過程とその産物としての作品を数多く観られたのは普通に収穫でしたが、現在の視点から見たとき、その過程を改めてトレースすることが重要なのかもしれません。 #artweet

2013-10-11 14:11:30
あたしか @wakarige075

10)《不安定な形を不安定なままに存在させてしまう。作品に存在に対する不安感や恐怖感があるところに中原浩大の作品のよさがある》――あるインタビューにおいて、(中原氏と同時期に関西でデビューした)山部泰司氏はこのように述べておりますが、 #artweet

2013-10-11 14:12:22
あたしか @wakarige075

11)山部氏のこの発言は、中原氏が出てきた当時の彫刻界隈が――「禁欲的」と雑に言われるような――観念性、言い換えるなら「物質から「物質の状態」への関心の移行」((C)中原佑介)に支配されていたことを念頭に置くと、歴史的な意味合いを強く持つことになります #artweet

2013-10-11 14:13:06
あたしか @wakarige075

12)もちろん「禁欲的」な作品が一概にダメということではないし、中原浩大氏がかかる傾向に対するカウンターという動機からのみ作品を作り続けたという簡単な話でもない。しかしながら、「不安定な形を不安定なままに存在させてしまう」ことが、→ #artweet

2013-10-11 14:13:41
あたしか @wakarige075

13)→かかる「禁欲的」傾向=形相の優位から物質(質料)を救い出すという切実な(裏)動機から出てきたこと、80年代前半の彫刻でもインスタレーションでもあるような作品群(今回の展覧会では83年作の小品一点しか出てませんでしたが)におけるかような→ #artweet

2013-10-11 14:14:19
あたしか @wakarige075

14)→作風が、80年代後半~90年代前半において〈身体〉を基点として身体感覚の拡張として再提示されることで、物質(質料)をめぐる技芸としての彫刻をそのまま、身体がそう受けとるようなイメージの技芸へと転換させた――このことの意義はいくら強調しても足りない #artweet

2013-10-11 14:15:06
あたしか @wakarige075

15)レゴブロックを使った作品や《ナディア》、あるいは現存していることに驚くことしきりな《シマダスーツ》、今回再制作された体験型インスタレーション《デートマシーン》などの作品には、「作品に存在に対する不安感や恐怖感がある」ことがつとめて身体的な問題であることを #artweet

2013-10-11 14:15:43
あたしか @wakarige075

16)きわめて如実に示していると言えるでしょう。で、かかる転換によって、自分自身も救おうとしているのではないか――《中原浩大について個人史と美術史について考えてみると、そのふたつの歴史を乗り越える方法として作品があるように見える》(山部,ibid) #artweet

2013-10-11 14:16:21
あたしか @wakarige075

17)「歴史を乗り越える」というより「何かに従属させられる限りで(目的論的に)展開される歴史から身体/質料/イメージを救い出す」と言った方がより適当でしょうけど、山部氏の発言は、中原氏の現在にも敷衍できて、けっこう重要なのかもしれません。 #artweet

2013-10-11 14:18:08
あたしか @wakarige075

18)いずれにしましても、最近インスタレーションについて考えることが多い者としましては、はるばる岡山まで足を運んで良かったなぁと率直に思える展覧会だったことは疑いなく。11月4日まで #artweet

2013-10-11 14:18:38
あたしか @wakarige075

19)余談。ところで《デートマシーン》は、体験者(二人)の心拍に反応して様々な音や映像や電化製品が作動するというものですが、当方は(設備の調整のために来ていた)担当学芸員の高嶋雄一郎氏と一緒に行なうという、アッーな状態で体験したのでした(^^; #artweet

2013-10-11 14:19:18
あたしか @wakarige075

20)あと、図録は10分冊(!)で、作品写真のみならず、中原氏自身の発言なども再収録されており、資料として読みがい&使いでがある一品となっているので、買っておくのが吉。分冊のうち一冊は後日配送されるとのことです(了) #artweet

2013-10-11 14:19:40
あたしか @wakarige075

@gallery_alpham ありがとうございます。豊田市美術館のは《ビリジアンアダプター+コウダイノモルフォII》だったんですね(現物に未だに接したことがなくて……)。お忙しい中お手数おかけしました。

2013-10-11 18:04:13
あたしか @wakarige075

@cezannisme 確かに、ここに《海の絵》があったらなぁとか、出てない作品を幻視することもないではなかったですね(^^; 個人的には《シマダスーツ》が現存してたことに割と驚きました(あれこそ写真でしか残ってないと思ってましたので)

2013-10-11 18:08:15
Yoko Nose @you_non_billy

@atashika_ymyh @gallery_alpham 豊田市美術館中のものです。《コウダイノモルフォ》が先に制作されていて(トーキングヘッズのジャケットとかアリスのチェシャ猫の目がイメージソースになっていたはず)、その後に毛糸でできた《ヴィリジアンアダプター》が制作され→

2013-10-11 18:53:36