『マイレージ、マイライフ』に関する、町山智浩さんと@my_yoursさんとのやりとり Vol.2

町山智浩(@TomoMachi)さんの『マイレージ、マイライフ』評に対する@my_yoursさんの意見つぶやきの続きをまとめてみました Vol.1はこちらになります http://togetter.com/li/57310 続きを読む
5
せき @my_yours

@TomoMachi いや俺はその短縮URLちゃんと開てますよ。だいじょぶです。

2010-10-08 08:30:51
せき @my_yours

てゆか、俺は仕事辞めるとまでは思ってないんですよね。だから実はそこまで町山さんと大胆に違うわけじゃないです。 @TomoMachi

2010-10-08 08:37:18
せき @my_yours

ただ、あのラストを「仕事を続けることへの決意」と読むのは、物語内の変化を否定したことになるのでは、と。力点の置き方です。仕事は続ける、だけどそれは地上(家庭)の否定ではないし、むしろこれから彼はもっと豊かに地上にコミットしていくだろう、ということです。 @TomoMachi

2010-10-08 08:40:18
せき @my_yours

その点についてはブレてないと思うんだけどな。

2010-10-08 08:41:59
せき @my_yours

仕事は前ほど重要じゃないだろ? っていう俺の立場を極端にしたら「仕事は辞めた」派になるわけで、程度の問題ですね。

2010-10-08 08:53:08
町山智浩 @TomoMachi

一瞬地上にあこがれたけど、地上は自分の居場所じゃなかったことを知るという試練ですね。あと、監督はエピファニーとリアライゼイションの映画だと言ってますね。自分の天命に気づくという意味ですよ。@my_yours

2010-10-08 08:57:21
せき @my_yours

エピファニーですか、えらく宗教的な含意を好むひとですね。しかし気付きの対象は自らの仕事だけではなく、家族でもありうる。ライアンははじめ仕事至上主義で家庭を軽視していたのだから、その彼がひととの交流の価値に「気付く」こともまた自然ですね? @TomoMachi

2010-10-08 09:05:23
町山智浩 @TomoMachi

自分の生き方が見かたに反映されるというのは重要ですよ。その理由はこれから引用する監督のインタビューを読んでください。http://bit.ly/cVGRQJ  @my_yours

2010-10-08 09:06:29
せき @my_yours

読みました。とても興味深い。そのうえで意見を述べます。生き方が見方に影響を与えるのを「否定」するわけではありません。というかその通りだと思います。しかしその一方で町山さんは生き方とは無関係な「表層」を信じてらっしゃる。それは矛盾だと思うのです。 @TomoMachi

2010-10-08 09:17:50
町山智浩 @TomoMachi

この映画は決断よりもエピファニー(天命を知ること)についての映画だ。映画の最後に、主人公ライアンが何かに目覚めたのが観客にわかる。ここで、ライアンは自分の道を選ぶことができる。彼は飛行機に乗って、今までの仕事を続けるかもしれない。(続く)@my_yours

2010-10-08 09:20:30
町山智浩 @TomoMachi

(続き)彼は飛行機に乗って、どこかに落ち着いて、誰かと結婚して生活を築くかもしれない。どっちでもかまわない。なぜなら、彼は架空の人物だからだ。しかしながら、映画はそこでは終わらない。次に雲の上を飛ぶ映像になる。(続く)@my_yours

2010-10-08 09:21:49
町山智浩 @TomoMachi

(続き)もったいぶったわけじゃない。雲のシーンは沈黙の時間のつもりさ。その間に観客に、自分自身が人生に何を求めているのか考えてほしかった。なぜなら、それは現実において、架空のライアンが何を決断するかどうかよりもずっと大事なことだからね。(引用終わり)@my_yours

2010-10-08 09:25:47
せき @my_yours

@TomoMachi 既に述べましたが、そのような表層の取り出し方すらも一つの解釈(生き方の反映)に過ぎないからです確かにインタビューなどを集め、より正確な解釈に近似することは可能でしょうが、それでもやはり、この議論に明らかなように、生き方の反映は避けられないです。

2010-10-08 09:20:53
せき @my_yours

だとしたら、「表層」は一体どこに存在するのでしょう? ぼくらは独我論的な世界に陥ってしまいます。それを避けるためにこそ、生き方の違いにすべてを還元するのではなく、ぼくらの解釈がぶつかりあう場としての「表層」に踏み止まるべきだと思うのです。 @TomoMachi

2010-10-08 09:24:14
せき @my_yours

俺のツイートもお読みください。つまり俺は「生き方が見方に反映されること」に反対しているのではなく、「そう言いながらも町山さんが自分の強い解釈の正統性を主張していること」に反対しているのです。 @TomoMachi

2010-10-08 09:34:03
町山智浩 @TomoMachi

表層云々はまた別の議論でしょう。とにかくジェイソン・ライトマン監督は「マイレージマイライフ」のラストで主人公の決断を観客が考えることで観客自身の生き方を見つめ直して欲しかったということでインタビューの引用でした。@my_yours

2010-10-08 09:35:36
せき @my_yours

待ってください、何故「主人公の決断」と仰るんですか? この映画は「決断というよりエピファニーの 映画」だと先程の引用にありましたね。我々は決断から考えるのではなく、気づきから考える。そこんところは正確にしときましょう。 @TomoMachi

2010-10-08 09:41:41
せき @my_yours

そしてここでの監督のコトバには全面的に賛成します。ただ町山さんがそれを引用することに軽く欺瞞を感じるだけです。 @TomoMachi

2010-10-08 09:42:41
せき @my_yours

『マイレージ、マイライフ』における二つの喪失について呟きたいと思います。一々リプライはしませんが、終わりにリプライします。 @TomoMachi

2010-10-08 09:36:25
せき @my_yours

二つの喪失というのはLoyalityとFamilialityの喪失です。前者は物語が始まる以前から主人公が手にしていたモノ、後者は物語内で手にしかけたモノです。言い換えれば、前者は仕事(及びマイレージ)であり、後者は家庭ということです。

2010-10-08 09:47:16
せき @my_yours

Loyalityの喪失は、自分の顧客の自殺、100万マイル到達(夢の実現とその空虚さへの気付き)、ナタリーの影響が主要因になっている。ナタリーは恋人のためにリストラ屋を選んだ女性で、彼女には公と私がかなり混ざり合った観念で存在している。彼女の独特な思考に振り回されることで、(続く

2010-10-08 09:52:04
せき @my_yours

彼はLoyalityを喪失します。一方で作中ではFamilialityへの接近が描かれ、またその不可能性が暴かれる。接近は妹の結婚式で「連れ合いがいるのはいいことだ」と彼が告げるところで頂点を迎え、アレックスとの関係の末路によって一気に底まで叩き落される。

2010-10-08 09:55:23
せき @my_yours

物語はここまでです。さて、空港にライアンが佇む。彼はどちらの人生を選ぶのか? それはわかりません。監督にとってどちらでも良かったということは町山さんが既に引用しています。ですから町山さんのように「仕事を続けることを決意した」と発言することは、読みの可能性を限定することになる。

2010-10-08 09:58:17
せき @my_yours

以上です。もちろん評論家としての町山さんの困難な立場を加味しないといけませんが、だからこそ解釈は豊かなかたちで提示するのが望ましいのでは? 宇多丸さんとの対談で「ホントはこうなんだよ、を提示するのが俺の勤め」と仰ってましたね。半分賛成半分反対です。 @TomoMachi

2010-10-08 10:02:24
せき @my_yours

ところでインタビューから町山さんが引用されなかった箇所を俺が引用したいと思います。「僕は喪失を通じて「交わり」companionshipをインスパイアする映画が欲しかったんだ」 http://bit.ly/cVGRQJ @TomoMachi

2010-10-08 10:07:00