長崎と奈良、それぞれの“公式”観光ガイドブックのこと

「長崎さるくマップブック」(長崎国際観光コンベンション協会、年刊、500円)と、「知れば知るほど奈良はおもしろい」(奈良県ビジターズビューロー、季刊、無料)を見比べて感じたこと。
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松永洋介/ならまち通信社 @narapress

先日、長崎に滞在して感じたのは、人々が「話し上手」だということ。そのへんの人に道を聞いても、ものおじせず、明確・的確・親切に教えてくれる。この人は観光ガイド?と何度も思ったほど。そういう市民の素地があって、ウォーキングガイドツアーの「長崎さるく」も、うまくいってるのかもしれない。

2013-10-15 21:16:03
松永洋介/ならまち通信社 @narapress

長崎で「最初に買えばよかった!」と思った「長崎さるくマップブック」http://t.co/tRSvpzG2kp。こんな便利で楽しい観光ガイド本、見たことない。500円だが、各種割引満載で、すぐ元が取れる。内容が濃く、あまりにもおもしろいので、奈良に帰ってからも何度も眺めている。

2013-10-15 21:17:26
松永洋介/ならまち通信社 @narapress

奈良に来たころ、季刊の観光ガイドパンフレット「知れば知るほど奈良はおもしろい」http://t.co/eg7xL8PgeG を見て「よくできてるなあ」「奈良ってすごいなあ」と思ってたけど、ある時期から、編集が変ったせいか、こっちが麻痺してきたせいか、あまりワクワクしなくなった。

2013-10-15 21:19:16
松永洋介/ならまち通信社 @narapress

「奈良はおもしろい」は、日程順の行事案内の件数は圧巻!だけど、個々の行事の内容や由来の解説がないので、どこへ行ったらよいかは教えてくれない。紅葉やハイキングの情報も、各コースの具体的な説明がなく、やはり判断材料として弱い。県内の美術館・博物館の展示案内は、季刊の強みが生きてる。

2013-10-15 21:21:10
松永洋介/ならまち通信社 @narapress

読んだ人に「あっ、ここ行きたい!」と思わせる力は、さるく地図本が圧倒的。コース毎のマップが45見開きもあって、具体的に「観光する自分」をイメージできる。スポット紹介の文章もうまい。「我が国最古の現役鉄橋」とか、すごいことがサラッと書いてある。行くと、現地にもちゃんと説明がある。

2013-10-15 21:22:46
松永洋介/ならまち通信社 @narapress

さるく地図本を見ていると「こんど長崎へ行ったら、これとこれは必ず見よう」とイメージできる。眺めてるだけで楽しくなる。しかし!奈良にだって、訪れた人にぜひ見てほしいと思うものは、奈良市旧市街だけでも、いくつもあるのだ。ありすぎるほど。しかしその価値は、はっきりいって、埋もれている。

2013-10-15 21:23:59
松永洋介/ならまち通信社 @narapress

きたまちの転害門(東大寺、国宝)だって、天平時代からあそこに建ってて、まちおこしの中心材料になってもおかしくない。初めて勧請された宇佐八幡がこの門から入ったとか、景清伝説とか、ストーリーもちゃんとある。しかし、ふだんは閑散として、猫と鳩のすみかになってる。奈良は何かが間違ってる。

2013-10-15 21:26:51
松永洋介/ならまち通信社 @narapress

寮美千子が『ならまち大冒険』http://t.co/7qlOxFxp34シリーズで書いてるのも、奈良の“埋もれた”ストーリー。千三百年前に都が造営され、百年経たずに放棄されて、その後も歴史を重ねてきた奈良。歩いて楽しんでもらうため、単行本には、物語に沿ったならまちマップも入れた。

2013-10-15 21:28:12
松永洋介/ならまち通信社 @narapress

さるく地図本の印象は、TVの「空から日本を見てみよう」に似てる。マップに沿って進むと、エリアの概要がわかり、注目スポットには詳細情報と端的なエピソード。「さるく」に参加せず読むだけでも面白い。そして肝心な点は、その密度が「過剰に高くない」こと。歩きながら読んでも苦にならない感じ。

2013-10-15 21:29:56
松永洋介/ならまち通信社 @narapress

長崎のさるく地図本同様、年1回刊行されてるJTBムック「詳細地図で歩きたい町 奈良大和路」http://t.co/AVVVTUHp3K見開きの地図単位で、歩いてあちこち観光する本。しかし、歩きながら参照するには、この地図は詳細すぎる。歩けばわかることは、本に書かなくていいと思う。

2013-10-15 21:32:00
松永洋介/ならまち通信社 @narapress

さるく地図本を、編集・デザイン的な視点で見て驚くのは、マップに一貫性がないこと。道路の色も違うし、スポットの紹介文なんか、見開きごとに、書体も字の大きさもバラバラなのだ! どういうディレクションなのか。しかし読むのに不都合はないし、かえって見やすくなってる可能性すらある。すごい。

2013-10-15 21:34:19
松永洋介/ならまち通信社 @narapress

「奈良はおもしろい」は、集まってくる情報を流し込むだけで満足してるのかも。誰に、どんなふうに見てもらって、「読んでよかった!」と思ってもらえるかという想定があるかどうか。県外・県内両方で配る設定なのも問題。24頁中、3頁も使ってる「奈良へのアクセス」は、県内で観光中の人には無駄。

2013-10-15 21:35:59
松永洋介/ならまち通信社 @narapress

さるく地図本は、読者が既に長崎市内に入ってることが前提で、アクセス情報はない。年1回の発行だから、季節ごとの細かい情報は手薄。しかし、ガイドする側の「ここを見てほしい!」という気持ちが強く、眺めていると「見たい!」という気持ちが喚起される。「歩いて楽しい」長崎の街の魅力が伝わる。

2013-10-15 21:39:57
松永洋介/ならまち通信社 @narapress

いまの「奈良はおもしろい」は、観光スポットや行事の紹介が羅列的で、ストーリーがない。観光客が、どこをどう見に行ったらいいか、決められる材料になってない。マップは小さすぎて無意味。発行の「奈良県ビジターズビューロー」は、これでいいと思っているのだろうか? 根本的に見直した方がいい。

2013-10-15 21:41:28

以下追記。奈良市観光戦略課発行の観光パンフレット「会いたい♥奈良 2013-2014」について

松永洋介/ならまち通信社 @narapress

奈良市観光パンフレット「会いたい♥奈良 2013-2014」http://t.co/ZBwXfaRLsP今年6月発行。40頁。無料。発行:奈良市観光戦略課、企画・編集:エヌ・アイ・プランニング(地元タウン誌の発行元)。これはひどい代物。観光都市・奈良の恥。回収・廃棄した方がいい。

2013-10-29 10:14:30
松永洋介/ならまち通信社 @narapress

「会いたい♥奈良」、「13エリアまるごとガイド奈良巡り」と銘打って、エリア別の奈良市内マップを見ながらあちこち観光してもらう設定。しかし、肝心の地図がダメすぎてまったく使えない! この地図では、観光客は、現在位置すら把握困難だろう。 http://t.co/YWcLNRnzxO

2013-10-29 10:21:09
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松永洋介/ならまち通信社 @narapress

「会いたい♥奈良」エリア分けもメチャクチャ。「平城山エリア」で写真入りで紹介されてるのは、北山十八間戸・般若寺・奈良豆比古神社・大仏鉄道記念公園。ありえない組合せ。 http://t.co/IUgt9g72kK

2013-10-29 10:22:51
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「会いたい♥奈良」、「西ノ京・大安寺エリア」で写真入りで紹介されているのは、大安寺・唐招提寺・薬師寺・奈良市総合観光案内所(JR奈良旧駅舎)。ありえない組合せ。 http://t.co/5GoCYAiHuV

2013-10-29 10:25:39
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松永洋介/ならまち通信社 @narapress

「会いたい♥奈良」裏表紙の「奈良市へのアクセス&奈良市内移動時間目安」地図。「西ノ京・大安寺エリア」へは京終駅から歩けって? ありえない。「ならまちエリア」いちばん近い京終駅からの誘導なし。市内移動の重要な足、市内循環バスの紹介なし。 http://t.co/wNrbEe2BuV

2013-10-29 10:27:21
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松永洋介/ならまち通信社 @narapress

「会いたい♥奈良」、「ならまちエリア」に女子大・フルコト・称名寺が含まれる。「きたまちエリア」は設定されてない。近鉄奈良駅をはさんで、北と南は違う街。雰囲気も、観光体験も違う。制作会社がこんなもの持ってきたら、「何考えてるの」と突き返すべきだろう。奈良市観光戦略課、仕事してない。

2013-10-29 10:33:45
松永洋介/ならまち通信社 @narapress

「会いたい♥奈良」、「奈良公園・高畑」エリアも凄い。いきなり白毫寺・春日大社・五十二段・東大寺の写真が並ぶ。どこからどう回れというのか。そして五十二段は地図にない。紹介文は、五劫院も東大寺も同じ量。紹介の並びもメチャクチャで、隣接した日本庭園、依水園と吉城園が離れて掲載されてる。

2013-10-29 10:34:47
松永洋介/ならまち通信社 @narapress

「会いたい♥奈良」エリア別の地図にも執拗にホテル・旅館の場所と名前がマークしてある(しかし落ちてることもあって、基準がぜんぜんわからない)。施設によってはランドマークになるかもしれないが、既に奈良入りして観光してる人には重要な情報ではない。なぜマークしてあるのか意味がわからない。

2013-10-29 10:35:45
松永洋介/ならまち通信社 @narapress

実用本位の「長崎さるくマップブック」とは大違いで、観光客は「会いたい♥奈良」を見てもスムーズな奈良観光ができない。むしろ混乱するだろう。観光客の役に立たない観光ガイド! 奈良県ビジターズビューローの観光パンフレット「知れば知るほど奈良はおもしろい」の方がまだ良心的に作られている。

2013-10-29 10:38:17
松永洋介/ならまち通信社 @narapress

「会いたい♥奈良」本文にルビを使わず「蚊帳(かや)」といった調子でよみがなを付けていて、読みづらいことこのうえない。もう、隅から隅までオンボロ。しかしまあ、エヌ・アイ・プランニングも、地元で、税金を使って、こんなひどい観光ガイドを作ったものだ。よく名前が出せるな。恥知らずだなあ。

2013-10-29 10:38:57