#鬼パン 【まとめ】「鬼のパンツ」の謎

 童謡「鬼のパンツ」にまつわる謎を紐解く。
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おりひか いくお @Orihika

#鬼パン 01 西暦79年、イタリアのヴェズヴィオ火山は大噴火の火砕流によって古代都市ポンペイを一瞬にして埋め尽くした。1748年以降のポンペイ発掘において、腐敗消滅した人型を保存した火山灰層の空洞が発見されたが、母が子をかばう姿や恐怖の表情が分かる程だった。

2013-10-03 20:50:17
おりひか いくお @Orihika

#鬼パン 02 1880年、ヴェズヴィオ火山に観光用ケーブルカー「ヴェズヴィアナ鋼索線」が敷設された。火山を恐れて利用者が少なかったため、運営会社は宣伝曲「フニクリ・フニクラ」を制作した。「フニクリ・フニクラ」はケーブルカー(交走式鋼索鉄道:フニクラー)の愛称である。

2013-10-03 20:51:21
おりひか いくお @Orihika

#鬼パン 03 この曲は世界最古の宣伝曲と言われ、世界中で親しまれている。ある音楽家はこの曲をイタリアの古民謡と思い込み自曲に引用した結果訴訟で敗訴し、演奏の度に著作権料を支払ったという。その他にも多数の引用曲・替え歌が存在する。

2013-10-03 20:54:30
おりひか いくお @Orihika

#鬼パン 04 日本では1961年4月に「みんなのうた」で「登山鉄道」として日本語訳詩で紹介され、その後「フニクリ・フニクラ」と改題した。1980年には子供向け替え歌「おにのパンツ」が、歌唱・田中星児で音源発売され、その後も何回か番組紹介・商品化されている。

2013-10-03 20:55:32
おりひか いくお @Orihika

#鬼パン 05 「おにのパンツ」はJASRACには「作詞者不詳」として登録されており、「おかあ さんといっしょ」で紹介された際も同様であった。一方一部音源商品では、1番は作詞不詳、2番(きみのパンツはだめパンツ)は田中星児作詞と表記された例もあるとのことである。

2013-10-03 20:58:35
おりひか いくお @Orihika

#鬼パン 06 近年、アニメ「それいけ!アンパンマン」シリーズのOVAで挿入歌として使用されている。歌詞はアンパンマンを主題としたものではなく一般的な「鬼のパンツ」であったため、最近の幼児層でもこの替え歌に対する認知度は高い。

2013-10-03 20:59:38
おりひか いくお @Orihika

#鬼パン 07 「フニクリ・フニクラ」の替え歌「鬼のパンツ」には様々な変種が存在する。出だしが「鬼のパンツ」である主要歌詞についても細部が異なるものがあり、2番3番にあたる歌詞も多様である。

2013-10-03 21:05:22
おりひか いくお @Orihika

#鬼パン 08 最もよく知られた歌詞は以下の通り:鬼のパンツは良いパンツ 強いぞ強いぞ/五年はいても破れない(略)/十年はいても破れない(略)/百年はいても破れない(略)/穿こう穿こう鬼のパンツ(繰返)/貴方も私もお爺ちゃんもお婆ちゃんも/皆で穿こう鬼のパンツ

2013-10-16 04:01:11
おりひか いくお @Orihika

#鬼パン 09 「鬼のパンツ」は一般に、鬼が穿いている虎皮の下穿きがいかに堅牢剛健かということを説明し賞賛する歌だと認識されている。そのため、第二フレーズの歌詞を「虎の毛皮で出来ている」とする変種も存在する。

2013-10-03 21:11:46
おりひか いくお @Orihika

#鬼パン 10 2番の歌詞は以下の通り:うさぎのパンツは良いパンツ しなやかしなやか/五年はいても柔らかい(略)/十年はいても柔らかい(略)/百年はいても柔らかい(略)/穿こう穿こううさぎのパンツ(繰返)/貴方も私もお爺ちゃんお婆ちゃんも/皆で穿こううさぎのパンツ

2013-10-16 04:06:18
おりひか いくお @Orihika

#鬼パン 11 3番の歌詞は以下の通り:ビニールのパンツは悪いパンツ まるみえまるみえ/五枚はいても隠せない(略)/十枚はいても隠せない(略)/百枚はいても隠せない(略)/脱ごう脱ごうビニールのパンツ(繰返)/貴方も私もお爺ちゃんお婆ちゃんも/皆で脱ごうビニールのパンツ

2013-10-16 04:11:24
おりひか いくお @Orihika

#鬼パン 12 1、2番を聞いて、3番目にどんな素晴らしいパンツが登場するかと思いきや、悪いパンツ。まるみえで隠せないという内容は大変受けが良く、このため「鬼のパンツ」は児童の遊戯会から一流ビジネスパーソンの宴会芸まで、広く長く親しまれているのである。

2013-10-03 21:22:17
おりひか いくお @Orihika

#鬼パン 13 ここで改めて1~3番の歌詞を対比すると、腑に落ちない点が存在する。1番は前述の通り、鬼が穿く虎皮パンツの素晴らしさを説き、2番はうさぎが自分の毛皮を誇っているのだろうか。

2013-10-03 21:25:21
おりひか いくお @Orihika

#鬼パン 14 しかし3番となると、ビニールは無生物でありパンツの所有者足り得ない。民謡の技法として擬人化しているとも取れるが不自然であり、あくまでビニール素材のパンツについて述べていると考えるべきである。

2013-10-03 21:28:28
おりひか いくお @Orihika

#鬼パン 15 「ビニールのパンツ」において、連帯格の格助詞「の」の用法は「同格、同等、原材料」を表す意味と考えられる。 1、2番では「所有、所属」を表すと見なしていたが、1~3番とも同じ用法とした方が対象性を持ち美しい。

2013-10-03 21:31:46
おりひか いくお @Orihika

#鬼パン 16 そういう目で歌詞を再確認すると、素晴らしい鬼のパンツを賞賛しているのは歌手であり人間である「私」であり、「貴方・お爺ちゃん・お婆ちゃん」という近親者に推奨しているのである。

2013-10-03 21:35:58
おりひか いくお @Orihika

#鬼パン 17 「鬼のパンツ」とは成敗した鬼の皮を剥いで作った戦利品だと考えられる。屈強な鬼の皮から作ったパンツは、さぞかし丈夫なパンツだったことだろう。

2013-10-03 21:38:04
おりひか いくお @Orihika

#鬼パン 18 そして丈夫な皮を失った鬼は、もはや恐れるに足りぬ存在となった。「百年穿いても破れない」とは、「百年間の生活の安寧」の意味も含んでいたのだった。

2013-10-03 21:39:07
おりひか いくお @Orihika

#鬼パン 99 「鬼のパンツ」の謎 -了-

2013-10-03 21:40:07